2002 Cross-Country Rallies
- 6月10日発行 -

2002年FIAクロスカントリーラリー・ワールドカップ第4戦
「ラリーORPIモロッコ2002」

【最終・第5レグレポート】
テルエ〜マラケシュ
リエゾン185km-SS89km-リエゾン43km
総走行距離317km


「チーム三菱ラリーアート」
増岡浩総合2位
ペテランセル総合12位
フォントネの三菱パジェロがプロダクション部門優勝


「チーム三菱ラリーアート」
三菱パジェロ
増岡浩 / A・シュルツ
(02.06.09 最終・第5レグ)


 2002年FIAクロスカントリラリー・ワールドカップ第4戦モロッコラリーは9日(日)、マラケシュにゴール。2002年「パリ・ダカ」優勝の増岡浩(三菱パジェロ)は、久々の実戦だったが2位でフィニッシュ、03年「パリ・ダカ」へ向けて好調なスタートを切った。総合優勝はジャン・ルイ・シュレッサー(フランス、シュレッサー・バギー)で、5日間のSS(競走区間、合計1213km)を13時間16分05秒で走破。増岡は34分13秒遅れだった。3位はウラジスロフ・ラキティアンスキー(ロシア、三菱パジェロ)、三菱はトップ10内に6台がゴールした。最終日第5レグの9日(日)はテルエ〜マラケシュュ間317km(うちSS89km)を行いステファン・ペテランセル(フランス、三菱パジェロ)がトップタイム。増岡は2番手だった。
 増岡は「パリ・ダカ」から約半年ぶりのラリーでライバルのシュレッサーと対決。クロスカントリーラリー全戦に出場しモロッコラリーのルートも知り尽くしているシュレッサーを抑え、初日にトップに立つも、2日目に逆転を許した。その後も砂丘や砂礫のルートで何度もシュレサーをパスする速さを見せたが、増岡のコ・ドライバー、アンドレアス・シュルツ(ドイツ)が砂丘でシュレッサー“轢き倒される”などのアクシデントで、勝利への道を閉ざされた。

ゴール後、シュレッサーは暴挙を詫びる

ポディウムに上がる
「チーム三菱ラリーアート」
増岡浩 / A・シュルツ
(02.06.09 最終・第5レグ)
 マラケシュ郊外の山岳・砂漠地帯で最終SS(89km)が終わって、増岡とシュルツが木陰で話をしているところへシュレッサーがやって来た。
 「一昨日は申し訳なかった。急な砂丘で上りにいたアンディ(シュルツ)が見えなかった。見えていたら当然、ぶつかりはしない。済まなかった」と握手を求めた。憮然とした表情だったシュルツも渋々と握手。左手は中指、人差し指の間を深く裂き、8針縫って甲が腫れ上がっている。持っていたロープをシュレッサー車に引っかけられて裂けた傷だ。両足も轢かれたが砂が柔らかく、シュレッサー車が前輪に加重が余りかからないバギーだったので、足の怪我は免れた。 「シュレッサーは車を降りるとまともだけど、走っているときは、全く別人になるんです。勝負にこだわる以上の激しさです。信じられないことを平気でやる」と増岡は後で言った。シュルツはシュレッサーが離れてから「初めてだよ、彼が謝ったのは…。あまり言いたくないが、ひどい話だよ」。 当のシュレッサーはいいわけ一杯。 「急な下りに止まったから、本当に前が見えなかったんだ。信じてくれるだろ?プレスはみんな私を悪く言う」。 さすがの“悪役”もスタック脱出の後かたづけをしていたシュルツを引っかけとことをフランスのマスコミにたたかれ、かなりこたえているようだ。

増岡、03「パリ・ダカ」に向けて確かな手応え
 増岡は2位でゴールし、03年「パリ・ダカ」へ向けて順調なスタートを切った。
 「幾つかのトラブルはありましたが、次の車へ重要なデータを集めることもできて、まずは満足しています。シュレッサーにシュルツが轢かれたことは、全く心外だし、あんなことがあっていいわけはありません。そういう人だと心して、今後は競うつもりです」と言う。
 シュルツが怪我の手当をしてもらっている時間を差し引くと、トップと殆ど同タイムか、上回る走り。8日(土)に4本もパンクしての結果だ。
 「パンクの原因をいろいろ考えています。石をヒットしたものもありますが、そうではないと思うパンクもありました。サスペンションを含め、今後にこの経験を活かしていきます」と語っている。

増岡、ゴールのマラケシュで喝采を浴びる
 マラケシュは大道芸人の街、とも言われる。表彰台はその中心地のジャマ・エル・フナ広場。笛、太鼓、タンバリンで景気をつけ、コブラに鎌首を上げさせるグループがあちこちにいる。38度にもなる熱さなので、コブラの側には氷を置いて溶けた水の上で“踊らせ”ていた。 その広場の一画に表彰台が設けられていた。増岡へのインタビュアーが「答えは英語でしょうね」と言ったところ、増岡はフランス語で「久し振りのラリーでしたが、無事にマラケシュにつけて良かったです。これからも「パリ・ダカ」へ向けて、努力していきます。ご声援ありがとうございます」と挨拶。1965年までフランスの支配下にあったモロッコの人々や、フランスからやって来た観戦ツアーの団体の大喝采を受けていた。

 
■最終・第5レグ終了時・総合成績(暫定)■
順位
ドライバー
車両(クラス)
タイム
1
J・L・シュレッサー/H・マーニュ シュレッサー・バギー(2)
13時間16分05秒
2
増岡 浩/A・シュルツ 三菱パジェロ(2)
34分13秒
3
V・ラキティアンスキー/V・デミネアンコ 三菱パジェロ(2)
1時間56分16秒
4
J・L・モンテルド/R・トーナベル 三菱パジェロ(2)
1時間57分18秒
5
A・クロル/A・マルザリオク 三菱パジェロ(2)
2時間50分03秒
6
J・F・ギノー/M・クロイス 日産テラノ(2)
3時間07分51秒
7
F・クロス/F・ヴァカード 日産テラノ(2)
4時間20分56秒
8
N・ミスリン/J・M・ポラト 三菱パジェロ(2)
4時間38分43秒
9
L・アルファン/A・デブロン 三菱パジェロ(2)
4時間39分33秒
10
B・エランドネア/P・イゴア 日産テラノ(2)
5時間05分35秒
11
J・P・フォントネ/G・ピカール 三菱パジェロ(1)
5時間23分13秒
12
S・ペテランセル/J・P・コトレ 三菱パジェロ(2)
5時間43分04秒
14
R・ルイーニ/E・ラバッツィーニ 三菱パジェロ(2)
7時間54分46秒
17
A・マイヤー/G・ハウ 三菱パジェロ(2)
8時間56分55秒
23
G・ドメビウス/A・グェネック BMW・X5
14時間39分05秒
*2位以下のタイムはトップとの差
(1)=プロダクション部門
(2)=スーパープロダクション部門

■ 大会5日目6月9日(日) 【SS6成績(暫定)】 ■
順位
ドライバー
車両(クラス)
タイム
1
S・ペテランセル/J・P・コトレ 三菱パジェロ(2)
54分59秒
2
増岡 浩/A・シュルツ 三菱パジェロ(2)
1分39秒
3
G・ドメビウス/A・グェネック BMW・X5
3分19秒
4
J・L・シュレッサー/H・マーニュ シュレッサー・バギー(2)
4分10秒
5
A・クロル/A・マルザリオク 三菱パジェロ(2)
5分02秒
6
L・アルファン/A・デブロン 三菱パジェロ(2)
5分28秒
7
J・L・モンテルド/R・トーナベル 三菱パジェロ(2)
7分06秒
8
V・ラキティアンスキー/V・デミネアンコ 三菱パジェロ(2)
7分11秒
13
J・P・フォントネ/G・ピカール 三菱パジェロ(1)
13分09秒
15
A・マイヤー/G・ハウ 三菱パジェロ(2)
15分32秒
*2位以下のタイムはトップとの差
(1)=プロダクション部門
(2)=スーパープロダクション部門


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