●1998年世界ラリー選手権ポイント(全14戦中2戦終了時)
マニュファクチャラーズ: 1位トヨタ:16/2位三菱:12/3位フォード:11/4位スバル:10
ドライバーズ: 1位サインツ(トヨタ) :16/2位マキネン (三菱)、カンクネン(フォード):10
4位マクレー(スバル): 4/5位リアッティ(スバル)、エリクソン(スバル):3
7位バーンズ(三菱) 、グロンホルム(トヨタ):2
グループN: 1位ストール(三菱)、ワルフリドソン(三菱):13 2位クリメント(三菱)、ベックルンド (三菱):8
★三菱ランサー総合及びグループN両部門を制す!
1998年FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦インターナショナル・スウェディッシュラリー(以下スウェディッシュラリー)が、2月8日午後3時30分(日本時間:午後11時30分)にスウェーデン中部の都市カールスタッドにゴールした。2月6日から3日間の日程でカールスタッドをスタート/ゴール地として開催された同ラリーに、三菱ラリーアートチームは1996、1997年世界チャンピオンのトミー・マキネン(フィンランド)とリチャード・バーンズ(イギリス)を擁し、2台の三菱ランサーエボリューションで出場した。また、同じく三菱ランサーエボリューションでウーベ・ニッテル(ドイツ)が、ラリーアートジャーマニーからも出場し、3台の三菱ランサーエボリューションで上位独占を目指した。そのなか同ラリーを得意とするマキネンが、2日目に首位に立ち、そのままゴール。第2戦目にして早くも今季初優勝を飾った。
スウェディッシュラリーはWRC全14戦中、唯一雪道を舞台に争われる特殊なラリーとして知られ、北欧出身ドライバー以外に優勝した選手がいないのも同ラリーの大きな特徴である。WRCは一般道を使用することから、天候が勝敗を左右する場面がしばしば見られるが、今大会も気まぐれな天気が、勝負の明暗を分ける大きな一因となった。ラリー開催前には折からの暖冬により、降雪が少なくラリーの開催が危ぶまれるほどだったが、開催日前日に気温が下がり、降雪に見舞われたことで雪のスウェディッシュは順調に開幕することとなった。そして迎えたラリー初日、氷点下15℃、積雪も15cmを記録するなか、カールスタッドを拠点に周回する第1レグが行なわれ、トヨタカローラを駆るトーマス・ラドストロームが脅威的な速さで初日を制した。しかし、マキネンも総合2位につける確実な走りで通算2度目の同ラリー優勝に向け、好調なスタートを切った。一方のバーンズは初出場の同ラリーで手痛い洗礼を受けた。スタート早々に雪に足をとられ、コースアウト。コース復帰に9分以上を要したことで総合31位に低迷する結果となった。
ラリー2日目は前日から10℃以上も気温が上昇したため、路面を覆っていた雪が所々溶け、雪とグラベルが交錯する難しい路面状況となった。事実、この第2レグは大いに荒れた。特に今大会最長の第12SSは3日間を通じて最大の勝負どころとなった。まず総合トップのラドストロームがクラッシュがもとでリタイアし、カルロス・サインツ(トヨタ)がスピンによるタイムロス、コリン・マクレー(スバル)が電気系トラブルでリタイアするなどマキネンのライバルが続々と脱落していったのである。対照的にマキネンは唯一28分を切る圧倒的なタイムで同SSを制し、総合トップの座を獲得。わずか1カ所のSSが今大会を決定づけたと言っても過言ではなかった。
最終第3レグも第2レグ同様の難しい路面状況となり、まだまだ予断を許さない状況は続いた。しかし、前日に後続に対し1分23秒の大差をつけていたマキネンにとっては、後続との差に気を配ってさえいれば、アタック走行する必要もなく、終始安定した着実な走りを展開した。その結果、2位のサインツに対し1分のリードを保ったままゴールを迎え、通算2度目の同ラリー優勝を飾った。一方、第1レグでつまづいたバーンズだったが、第2レグ、第3レグではトップタイムを記録するなど、素早くコースに順応する非凡さを披露した。この結果総合15位にまで浮上したが、これが限界。しかし将来にむけ、バーンズは多くの経験を積み確実に実力を伸ばした。また、ニッテルはディディエ・オリオール(トヨタ)と総合6位の座を激しく争ったが、一歩及ばず総合7位でゴールした。グループN部門では、三菱ランサーエボリューションが終始、部門上位を独占し、スティグ・ワルフリドソンを筆頭に部門1位〜6位を独占する圧倒的な強さでラリーを席巻した。
今回の優勝によって、三菱ラリーアートチームは通算4度目の同ラリー総合優勝を果たし、今季のシリーズポイントでも2位に浮上した。また、マキネンもドライバーズポイントで2位につけ、史上初の3年連続ドライバーズチャンピオン獲得に対し、大きな一歩を踏み出した。
マキネン:「第2レグは本当にハードだった。でもランサーとミシュランタイヤは素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれた。ラドストロームがリタイアしなくても恐らく彼をつかまえることはできたんじゃないかな。とにかく今回のようなラリーに優勝できたことは今後にとって非常に有益なことだ。毎日、状況が変化したからね。その変化に対応できたんだから、今年もいけると思うよ」
チームディレクター アンドリュー・コーワン:「トミーは本当に素晴らしい。トップに立ってからはラリーをうまくコントロールしていた。まさにチャンピオンの貫録充分だった。それにランサーも全くトラブルも発生しなかった。改めてその高性能ぶりに感激したよ」
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