MITSUBISHI MOTORS

アジア最大の過酷なラリーで進化するアウトランダーPHEV

山岳部の悪路が続く過酷なラリーに、アウトランダーPHEVは挑む。ラリーで得た経験と実績は、市販車両開発の糧となる。今年、さらに進化したアウトランダーPHEVの真価が試される!

山岳部を中心としたタイ北部走行距離約2,400kmの過酷なレース

第20回 アジアクロスカントリーラリー2015

開催時期: 2015年8月8日(土)〜14日(金)。ルート: タイ王国の古都、チェンマイをスタート&フィニッシュとして北部タイをめぐる走行距離約2,400kmのコース

アジアクロスカントリーラリーは、タイ王国を基点としたアジア各国の山岳部やジャングル、海岸、プランテーション、サーキットなどを走行する過酷なレース。国際自動車連盟(FIA)ならびに国際モーターサイクリズム連盟(FIM)公認のクロスカントリーラリーでアジア最大の大会であり、毎年8月に開催されています。初開催の1996年から毎年コース設定、通過国が変わり、20回目を迎える2015年大会は標高の高い山岳部が舞台となります。

『アウトランダーPHEV』市販車両をベースに高性能化

競技車両は、『アウトランダーPHEV』を使用。PHEVシステムの主要パーツは量産品をベースに高性能化しながら、悪路への対策を行った。

メイキングムービー公開中

PHEVシステムを高性能化

モーターの高出力化、ジェネレーターの発電量アップ、駆動用バッテリーの容量アップなどPHEVシステムの高性能化を実施。
アウトランダーPHEVの走行性能について

悪路での走破性を向上

拡幅によりワイドトレッド化し、最低地上高もアップ。さらにサスペンションストロークを増大させ、ラリー専用の大径タイヤを装着した。

トラクション性能の強化

『ランサーエボリューション』で培った車両運動統合制御システム「S-AWC」のノウハウを活用したツインモーター4WDの制御を変更しトラクション性能を強化。

マシンのポテンシャルを限界まで引き出すチャレンジャー

ドライバー青木孝次選手

世界的なラリーや各種レース・ダートトライアル等で活躍。アジアクロスカントリーラリーでは、プライベーターながら、ワークス勢を相手に2012年までに4度クラス優勝に輝いている。2013年からはアウトランダーPHEVという今までにないコンセプトの車両で参戦し、完走を果たした。2015年は更なる上位をねらう。

コ・ドライバー ウッティチャイ・トリタラ選手

タイクロスカントリーラリーで入選するなどタイ国内を中心に活躍。アジアクロスカントリーラリーは、昨年から青木選手とコンビを組み2度目の挑戦となる。

山岳部を中心とした悪路との闘い7日間2,400kmのアジア最大ラリー

day1

三菱 アウトランダーPHEV、
3年目の挑戦!
8日開幕へ「フィールは上々」

三菱『アウトランダーPHEV』がタイで開催されるアジアクロスカントリーラリーに参戦して3年目となった。

今年使うマシンは10月にワークスチームとして参戦が予定されているポルトガルの「バハ・ポルタレグレ500」と同じ仕様。このマシンでの挑戦に向けて「ツーアンドフォー モータースポーツ」が現地に入った。

今年のマシンはボディを拡幅して、トレッドを広げたので見た目がかなり迫力を増しているが、変わったのはそれだけでない。たとえば、昨年までは市販車の燃料タンクをそのまま使っていたが、今回は競技用の安全タンクを搭載。それに伴って、フロントシート後ろ側には レギュレーションに合わせるためバルクヘッドが設けられた。

サスペンションはテインのスペシャルメイドとなった。昨年仕様では伸び側のストロークが少なく、ジャンプしたときなどに着地時に苦しい場面もあったが、新しい仕様ではその心配もない。

8月7日。チームが向かったのは、チェンマイ郊外にあるダートコース。ここで今回のマシンのタイにおけるシェイクダウンテストを行った。おもな変更点はタイヤサイズを当初の設定サイズである235/85R16から、245/75R16へとサイズダウンしたこと。このサイズ変更によってタイヤ径を小さくし、トータルでのギヤ比を低くすることで、発進&加速時のトルクを稼ぐ。さらに今回のマシンはブレーキがマスターバッグレスとなっているため、タイヤ径を小さくすることで、少しでもブレーキのフィールアップできることをねらっている。また、ブレーキパッドもマスターバッグレスにマッチしたものに変更した。

明日8月8日には、車検とセレモニアルスタートが予定されている。毎年恒例のプロローグランは今年はキャンセルされた。

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day2

ボンネットまで浸かる川渡りも
難なくこなし、そのタフさを証明

8月9日。「ツーアンドフォー モータースポーツ」の『アウトランダーPHEV』は、いよいよアジアクロスカントリーラリーのスタートを切った。

本日の予定はチェンマイからメーホンソンまで205kmのリエゾンと途中176kmのSSであったが、SS前半の道で一般のトラックが転倒事故を起こし道路を閉鎖してしまったため、4輪車のSSは前半を省略して行われた。

本日のSSの最大の見せ場は幅20〜30m程度の川を渡るシーン。この川には細い吊り橋が架けられているが、四輪は川を渡る以外に方法がない。川まで到着した競技車は次々と川に入り渡っていったが、なかには一瞬浮き上がり、流されながらも渡るというシーンも見かけられた。『アウトランダーPHEV』は、ためらうことなく川に進入し、そのまま難なく川を渡り終えた。

EVということで周囲からは心配する様子もあったが、十分なテストを行っているだけに、その心配を物ともせずに川渡りを成功させた。この際、水深はボンネットまでが浸かるような深さであり、これはテストコースよりも厳しいシチュエーションだった。

LEG1を終えた成績は総合17位。明日の第2レグは364kmのリエゾンと132kmのSSと合計約500kmとなる大会最長の走行距離が予定されている。

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day3

フロントウインドウを損傷するも
自走でゴールに向かう

8月10日。『アウトランダーPHEV』はアジアクロスカントリーラリー2日目、LEG2を迎えた。

本日の第2レグはメーホンソンからメーソットまで、364kmのリエゾンと132kmのSSと合計約500kmとなる大会最長の走行距離となった。

LEG2のSSスタート地点は、タイムコントロールのスタート地点からわずか8kmと近いコース設定。いわば、走り出してすぐにSSとなるコースで、ドライバーは肩慣らしもないままいきなりの全開走行となるような状況だった。

『アウトランダーPHEV』はSS途中でコースアウトを喫し、フロントウインドウを損傷。SSを途中で離脱、整備された道を走行することを選び、スタート地点のチェンマイ経由でメーソットまで向かった。ホテルに着いたのは午前0時を回っていた。

SSはタイムアウトとなったが、本日の総合順位は22位。オーバーオールの成績は総合25位となった。明日の第3レグはメーソットからスコータイまで、190kmのリエゾンと181kmのSSとの合計400km弱となる走行が予定されている。

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day4

リペアを完了しLEG3を無事に完走

8月11日。「ツーアンドフォー モータースポーツ」の『アウトランダーPHEV』はアジアクロスカントリーラリー3日目、LEG3を迎えた。

『アウトランダーPHEV』のリペアが終了したのは、スタート直前となる午前5時30分だった。バンコクから到着したフロントウインドウとガラス専門の職人たちと、チームのメカニックの手によりウインドウとボディ外装のリペア、そして通常のメンテナンスが行われた。トラブルはボディまわりの損傷だけにとどまり、足まわりなどはチェックのみとなった。

本日の第3レグはメーソットからスコータイまで、190kmのリエゾンと181kmのSSとの合計400km弱の走行となった。前日のドライバーズブリーフィングで「LEG3はミスコースしやすいので注意するように」と指摘があったが、その指摘通り波乱含みの展開となった。

SS途中のチェックポイントにほぼ時間どおりに到着したのは2台のみで、『アウトランダーPHEV』を含む多くの競技車両がチェックポイントに遅れて到着。コースをはずれているバイクが多いとのことで、時間どおりに到着した2台も出発を2時間遅らせる事態となるほどの混乱ぶりだった。

そうしたなか、『アウトランダーPHEV』の青木孝次選手は総合9位でSS3を通過し、オーバーオールは25位から22位にアップ。明日の第4レグはスコータイからプレーまで、269kmのリエゾンと244kmのSSとの合計500km強となる走行が予定されている。

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day5

エアコン系統のトラブルで
SSを途中キャンセル

8月12日。「ツーアンドフォー モータースポーツ」の『アウトランダーPHEV』はアジアクロスカントリーラリー4日目、LEG4を迎えた。

第4レグはスコータイからプレーまで、269kmのリエゾンと244kmのSSとの合計500km強となる走行が予定されていたが、SS途中の川が増水したため、一部のコースで迂回措置がとられ若干距離が短くなった。変更後のSSの距離は195km。

『アウトランダーPHEV』はSSスタートまで順調に移動をこなしたが、SSでスタートしたとたんにエアコンが効かなくなるというトラブルが発生。『アウトランダーPHEV』はエアコンを使って駆動用バッテリーの冷却を行っていて、エアコンを正常に稼動させることがPHEVシステム全体にも大切な役割を担っている。競技車も同様で、バッテリーのワーニングランプが点灯し、フェールセーフが働きスピードが上がらなくなってしまった。エアコンの破損は一昨日のガラスが割れたときのクラッシュ時に、コンデンサータンクが押されてしまったことが原因だった。コンデンサータンクがほか部品の接触し、走行している間に徐々に擦れて穴が開き冷媒が漏れてしまったのだった。

この日のSSは途中で離脱し、ターマック路を使って宿泊先のホテルまで移動。ホテル近くの現地三菱ディーラーに駆け込んだ。現地ディーラーのメカニックがコンデンサータンクを調達し交換。無事にラリーに復帰できる状況となった。SS3の順位は総合22位、オーバーオールでの順位は総合21位。

明日の第5レグはプレーのホテルから出発、同じプレーのホテルに戻るというスケジュール。当初予定されていたSSは川の増水のために短縮され、全行程300km弱となる予定。

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day6

ペダルまわりまで冠水するも
電気系統に異常はなし

8月13日。『アウトランダーPHEV』はアジアクロスカントリーラリー5日目、LEG5を迎えた。

第5レグはプレーのホテルを出発し、ふたたびプレーに戻るコース。リエゾン、SSを合わせて380kmほどの距離が予定されていたが、増水のためにSS内に走行不可能の場所があることが判明し、走行距離は300km程度に短縮された。

このシーズンのタイは雨期であり、毎日雨が降る。今年は夜に雨が降り昼間は日が差すという天候で、走行中に雨はないもの、川の増水や路面のマッド化は避けられない。

『アウトランダーPHEV』は前日に発生していたエアコンの補修は完全に終わり、SSスタートを迎えた。スタート時点でも何の不具合もなく順調な滑り出しとなった。

この日のSSは道幅が非常に狭く、路面は前夜の雨の影響もあってツルツルでヌタヌタという状況。多くの競技車が路面のひどさに悩まされ、スタックするクルマも多発した。

『アウトランダーPHEV』が一番苦労したのは川渡りだった。LEG5における川は、初日よりも水深が深く一番深いところではドアノブ程度まであった。さらに流れも速く、水深と流れの速さがジャマをした。ロードマップでは川を渡って右に曲がるルートが提示されていたが、そのまま右に曲がることはできず、いったん左に回り込んでから右に曲がらないと進めない。それに気づいた青木選手は川の中でクルマをバックさせることになったが、ドアミラーは折りたたまれてしまい、勘でバックするしかなかった。運が味方したのは、クルマの前から川の流れが来ていたこと。水流を使ってクルマを後退させ、左側から回り込んでどうにか川を渡りきった。しかし、クルマのなかにはペダルが浸かるほどに水が浸入。電装系統への影響が懸念されたが、アジアクロスカントリーラリー3年目となる『アウトランダーPHEV』には不要な心配だった。SS5の成績は総合18位。最終日を前にしたオーバーオールの成績は、総合20位。

明日の第6レグはプレーのホテルから出発、このラリーがスタートした古都チェンマイへと戻る。SS45kmを含む、全行程280kmを予定。6日間、全行程約2400kmのラリーはいよいよゴールを迎える。

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day7

クラス優勝、
最終SSを3位で走行し
ポテンシャルの高さを証明

8月14日。「ツーアンドフォー モータースポーツ」の『アウトランダーPHEV』はアジアクロスカントリーラリー最終日となる6日目、LEG6を迎えた。

第6レグはプレーのホテルから出発、このラリーがスタートした古都チェンマイへと戻る。SS45kmを含む、全行程280kmを予定されていたが、SSのスタート地点を3km強、奥に進めたためSSの区間距離が若干短くなった。

今日のSS区間はヌルヌルでツルツルの路面が3割、ターマックが3割、残りの4割がマッド路面という状況。多くのドライバーが、第6レグのSSも含めて今年のSSはタフな路面が多かったと口をそろえて語った。

アウトランダーPHEVは昨日の夜のチェックで、エアコン関係の不具合が発見され、昨晩遅くまでかかって修復を行った。不具合は直ったように感じられたが、じつは完ぺきな状態ではなく、フェールセーフが作動しながらの走行となってしまったが、青木孝次選手は総合3位のSSタイム、それもトップに遅れること1分19秒のタイムをたたき出し、アウトランダーPHEVのポテンシャルの高さを証明した。

全行程約2400kmのラリーを終えて、「ツーアンドフォー モータースポーツ」の『アウトランダーPHEV』は、総合20位クラス1位でラリーを終えた。

3年間、3回のラリーで動力系統のトラブルは出ておらず、周辺装置の充実を図ればPHEVは、タイのような暑い国でも十分にその性能を発揮できることを実証。今後、さまざまなモータースポーツを通して、PHEVシステムはさらなる進化を遂げ、多くの人に求められるパワーユニットとなるだろう。

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総合20位 クラス優勝3年連続クラス優勝。PHEVシステムのポテンシャルの高さを証明

『アウトランダーPHEV』は、過酷なコースを40時間1分51秒で走り切り、3年連続の完走を果たした。
過酷な道路状況にも十分パフォーマンスを発揮するとともに、信頼性・耐久性及び走破性の高さを実証した。

RACE DATA

  • 総走行距離 : 約2,400km
  • 総走行時間 : 40時間1分51秒
  • 総合20位、T1-3クラス(電気自動車クラス)優勝

INTERVIEW 想定以上の過酷なラリー。PHEVの将来のために、とてもためになるラリー参加だった! ドライバー 青木 孝次選手

レース後半では、冷却性能が落ちてしまうというトラブルにちょっと悩まされました。想定以上の過酷さでしたが、ダカールなどに行けばさらに過酷な環境が待っている。PHEVの将来を考えるなら、とてもためになるラリー参加だったでしょう。この3年間で得られたデータをしっかりと市販車に生かして欲しいと思います。

ラリーで培った技術と経験がこの1台に。アウトランダーPHEV

アジアクロスカントリーラリー2015で完走をはたした競技車両のベースとなった、
『アウトランダーPHEV』。環境へのこだわりと、三菱自動車の走りの技術の集大成ともいえる一台です。 アウトランダーPHEV 車種サイトへ

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