パリ〜トリポリ〜ダカールラリー
三菱パジェロ、ニュー・プロトタイプに進化
三菱vs.シトロエン、新たなる激闘の幕開け
パリダカは1990年代へと突入し、世界中からエントラントが参加する世界的なイベン
トへと完全に定着していた。80年代後半から三菱とプジョーとの間で繰り広げられた
優勝争いも、1990年のプジョー撤退を機にもはや過去のものとなるかと思われたが、
プジョーの技術を受け継いだシトロエンが、パリダカ参戦を開始したことで、三菱対
プジョーが三菱対シトロエンという図式に移行し、再びメーカー同士の激闘が展開さ
れることになった。三菱はこの年からニューマシンを投入した。プロトタイプ車両で
ある点に変わりはないが、これまでの市販車をベースに改良を積み重ねてきた車両と
はコンセプトを変更し、完全なレーシングマシンとして車両を開発。従来の2.6リッ
ターSOHCエンジンは、WRC(世界ラリー選手権)マシンのギャランVR-4に搭載の2リッ
ター4G63型エンジンを2.2リッターにボアアップした完全なレーシングエンジンに変
更され、320馬力を発生した。ボディもチューブラーフレームで組み立てられ、剛性
の確保、軽量化が図られた。
こうして大幅に戦闘力のアップしたパジェロは、WRCド
ライバーのケネス・エリクソンと従来からのピエール・ラルティーグ、篠塚建次郎、
ジャン・ピエール・フォントネに託され、パリダカの大自然とシトロエンとの戦いに挑
んだ。シトロエンはプジョー405T16の技術を継承したZXラリーレイドを投入するとと
もに、ドライバーもアリ・バタネン、ジャッキー・イクスなどプジョー馴染みのドライ
バーで構成されていた。この年のパリダカはこれまでより走行距離が若干短縮された
ものの、メカニカル・サービス禁止のマラソンステージの増設など、その過酷さに変
わりはなかった。勝敗は果敢に攻めた三菱勢だったが、シトロエンに優勝を奪われ
た。しかし、シトロエンも3台中2台を失う薄氷の勝利で、総合2〜4位で確実に上位完
走を果たした三菱パジェロが、信頼性でシトロエンを大きく凌駕。三菱はニューマシ
ンにありがちな初期トラブルもほとんど見られず、技術力の高さを再び実証した。
総合成績
| 順位 |
Car No. |
ドライバー |
メーカー |
総合タイム |
| 1. |
201 |
A・バタネン |
シトロエンZX |
32:20'50 |
| 2. |
205 |
P・ラルティーグ |
三菱パジェロ |
03:24'06 |
| 3. |
208 |
J-P・フォントネ |
三菱パジェロ |
03:24'06 |
| 4. |
206 |
K・エリクソン |
三菱パジェロ |
04:54'36 |
| 5. |
210 |
H・オリオール |
ラダ・サマラ |
06:03'29 |
| 6. |
204 |
A・アンブロジーノ |
シトロエンZX |
07:03'34 |
| 7. |
209 |
P・タンベイ |
ラダ・サマラ |
08:10'57 |
| 8. |
279 |
J・ブシェ |
日産テラノ |
08:54'33 |
| 9. |
214 |
G・サラザン |
トヨタ・ランドクルーザー |
12:22'22 |
| 10. |
212 |
J-J・ラテ |
トヨタ・ランドクルーザー |
13:21'53 |
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