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MITSUBISHI MOTORS

スタンプとダムカード 高村和弘さんと三菱RVR(1996年型 19年59万3000km)

※お客様より了承を頂戴し、ナンバープレートを隠さず掲載させて頂いております。

繁盛しているディーラー

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 待ち合わせ場所の関東三菱自動車販売土浦店のショールームに入っていくと、日曜日ということもあってか大勢の来場者で賑わっていた。

 すべてのテーブルが埋まり、展示車に乗り込んで熱心にセールスパーソンの説明を聞いている人もいる。とても繁盛している。だから、スタッフもなかなか捕まらない。

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 ようやく通り掛かった一人に、高村和弘さん(42歳)の名前を告げると、すぐに奥のテーブルまで案内してくれた。どうやら、ここのディーラーでは有名な人のようだ。

 高村さんは、新車で購入した三菱RVRを今までに19年間で59万km余りを走ってきた。

「お会いする前に、60万kmを走り切っておきたかったんですけれど」

 キリのいいところまで走れなかったことを微笑みながら悔やんでいる高村さんの笑顔は、坊主頭のヘアスタイルと相まってとても人懐こい。

 それにしても、19年間で59万kmとはスゴい走行距離だ。平均すれば、年間3万kmを19年間コンスタントに続けていることになる。自己紹介もソコソコに、距離の多さについて訊ねてしまった。

 59万kmには、何か特別な理由や目的があるのだろうか。たとえば、通勤距離が長いとか?

「いいえ、通勤は往復30kmほどですから、それが理由ではありませんね」

 では、何が距離を伸ばしているのですか?

「休日にクルマで遠出をすることが多いので、それで距離が伸びています」

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 何かスポーツや趣味のために遠くに行くのではなく、RVRを運転して遠くに出掛けることが楽しいのだという。

「春ならば桜、夏は新緑、秋には紅葉といったように、強いて言えば"季節を楽しむ"ために遠くまで運転していくということでしょうか」

 季節を探しに行く。なんてカッコいい言葉なのだろうと思った。

 四季に応じた各地の自然や土地々々の美味しいモノを満喫する。クルマの利便性と楽しさが最大限に発揮できる旅だ。

「一度も高速道路を降りずにグルッと一周して戻って来るというのも好きなんですよ」

 高速道路運営会社のホームページで紹介してあるのを見て実行してみたら、本当に何度もできた。例えば、長野県の諏訪湖へも高速道路を降りずに帰ってきた。

「旧東名と新東名を8の字を描くようにグルッと回れば、降りずに戻って来られたりもしますしね」

 なぜ、高村さんが高速道路から降りずに遠くまで走るのかというと、サービスエリアという楽しみがあるのである。

「サービスエリアには足柄サービスエリアのように温泉があるところもあるし、その土地のB級グルメが店を出していたりします。それらが楽しいですね」

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 温泉やB級グルメなら聞いたことがある。

「いま、サービスエリアにはスタンプが用意されているんです。ですから、諏訪湖に行った時も旧東名と新東名を8の字に走った時もすべてのサービスエリアに必ず寄って、スタンプを押してきます」

 スタンプが用意されているなんて知らなかった。それぞれのサービスエリアが趣向を凝らしたスタンプを用意しているならば、コンプリートしてみたくなってしまうだろう。

 季節の移り変わりを追って各地に出掛けたり、サービスエリアを訪ねたり、確かにそうやって走っていたら年間3万kmは達してしまうだろう。

"なんといいお客さん"

 59万km走った間で最も大きなトラブルはエンジンとトランスミッションをオーバーホールしたことだ。

 エンジンのオーバーホールを行ったのは、走行距離が50万kmに達する少し前のことだった。今から3年前のことだ。

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「そう遠くないうちにオーバーホールは行うつもりでいました」

 しかし、工場で実際に作業を始めてもらうと、すぐに事態は深刻な段階に達していることが判明した。

「エンジンブロックには亀裂が入って、シリンダーは歪んでいました。排気マニホールドの取り付け部分にはコールタールのような黒い汚れがベットリと付いていて、ショッキングな眺めでした」

 慌てて作業に着手したけれども、完成までに1カ月と100万円を超える時間と費用が費やされた。エンジンを構成しているパーツを2、3カ所の工場から集める形で組み立てられた。

 トランスミッションをオーバーホールする時には、内部のギアとパッキンの在庫がなくて、すぐに作業に取り掛かれず困った。

「私から三菱自動車工業に、"オーバーホールしたくても、パーツが揃わず困っている"というメールを入れたんですよ」

 メーカーに直接メールをしたのは、できることは何でもやりたかったからだ。

「スタッフから、メーカーにパーツを注文しても出るのか出ないのかわからずに困っていると言われたので、私が直接にメーカーに困っていることを伝えた方が話は早いのではないかと考えたのです」

 効果はテキメンだった。

「足りないパーツの催促をディーラーからメーカーに行うと、担当者から担当者へと何人もの"関門"を通過することになるので時間が掛かってしまいます。私がメーカーにメールすれば一発なので時間は掛かりません。こういうことは、"上から行かないと"時間が掛かってしまうものなのですよ」

 必死の思いが天を味方につけたのだろう。メールした後すぐに部品が入手できたのだった。

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「ディーラーには、"こっちでできることや、こっちがやった方がいいことはこっちでやるよ"と、いつも言っています」

"客なんだから"とふんぞり返って何もしないのではなく、高村さんはディーラーのスタッフとともに努力することを厭わない。なんていいお客さんなのだろう。

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 高村さんがRVRに試したもので何か効果の高かったものがあると、必ずスタッフに伝えて他の顧客にも紹介してもらうようにしている。   

 9月に行ったドアミラーの撥水コーティングは12月に入っても効いているし、スタッフから勧められたバーダル・ブランドのエンジンオイル添加剤を入れてからはマフラーから走行中に煙が出なくなったし、燃費も向上した。

「"私の例を引き合いに出して他のお客さんに勧めて下さい"と言ってあります」

 高村さんは、ディーラーへの協力は惜しまない。

「ディーラーを育てるのは我々オーナーですから」

 その姿勢は土浦店のスタッフたちの間にも浸透していて、しばしば相談も持ち掛けられている。

 車中泊する時に寒くならない方法を訊ねられた高村さんは、災害時などに用いられる銀のエマージェンシーシートが軽くて薄くて嵩張らないことと、燃料用アルコールでお湯を簡単に沸かせてご飯も炊ける「アルポット」という製品を紹介した。

700台足らずの生産車

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 5000kmから6000kmに一回の割合で行っているエンジンオイル交換も、毎回、ここ土浦店で励行している。

「オイル交換に行かないと、電話掛かって来ますよ。催促ではなくて、心配されてね。月に2回行くこともありますから。ハハハハハハッ」

 ちなみに、高村さんのRVRは5000km走ると燃費が11km/Lから9.5km/Lに下がるので、必ず交換するようにしている。

「自宅やガソリンスタンドでは行いません。必ず、ここに来て交換しています。手間と時間が掛かりますが、その分のメリットもあって、ここのメカニックはオイルをただ交換するだけではなくて、その間に、簡単なチェックを行ってくれるんです」

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 前回の交換の際にも、ラジエーターのタンクが割れていることが偶然に見付かって、大事に至らずに済んだ。

 当初は、土浦店のどなたかに高村さんとRVRについての話を伺おうと考えていたのだが、皆さん来場者と対応しているから邪魔するわけにはいかないし、高村さんの話だけで十分にディーラーとの意思疎通と信頼関係が醸成されていることは良くわかった。

 それなので、RVRに乗せてもらって近くの霞ヶ浦に向かい、天気も良いので名物の帆掛け船を見物に出掛けることにした。

 高村さんのRVRは「ハイパースポーツギアR」という珍しいモデルで、700台足らずしか造られなかった。250馬力を発生する2.0リッター4気筒ターボエンジンはなんとあのランサーエボリューションとベースを共用化していて、4輪を駆動する。トランスミッションは5速マニュアル。

 白いボディのサイドには「Hyper Sports Gear」というデカールが貼られていたそうなのだが、剥がれてきたので高村さんが取り払ってしまった。ルーフ後端の大きなエアスポイラーを見なければ、ハイパースポーツギアRであることはわからない。

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 ドアを開けると、レカロ製のスポーツシートが最初に目に入った。これも、専用装備だ。

 フロアマットを自作したり、吸音シートをロールで買ってきて床に敷き、ロードノイズを減らすことに成功したりしている。

「中音域から高音域に掛けての耳障りな音が低音域に移って、静かになりました」

 高村さんは工作も得意なのだ。

 運転中に肘が当たり続けていたことによって穴が開いてしまっていた運転席側ドア内張りも、ビニールクロスを使って上手に手当てしてある。

 車内も使いやすいように、さまざまな工夫が施されている。決して新しくてサッパリとしているというわけではないけれども、高村さんが長年長距離を走り続けてきた間に自分なりに使いやすくしてきた部屋そのものだ。

「何か自分でできることはないか、とまず考えますね」

 用意されたもの、すでにあるものを受け入れるのではなく、自分でできることは自分で見付けて行動する。能動的な人なのである。

 そうした高村さんの姿勢はRVRの整備や工作などだけではなく、運転中に遭遇する渋滞への対処にも現れている。

「渋滞の手前で必ずサービスエリアかパーキングエリアに入って、情報収集します。その情報を元に、高速道路を降りるか降りないかの判断を下します」

 漫然と渋滞の中を走り続けることはない。

「肝腎なのは、その渋滞の中のどの位置に自分はいるのかを見極めることですね。それによって、高速道路に乗り続けるのか降りるのかを決めます。カーナビはほとんど使いません」

 サービスエリアのスタンプの他に高村さんが集めているものがある。ダムカードだ。ダムカードとは、各地のダムが発行している名刺サイズのもので、表にはダムの写真が、裏にはダムのスペックが印刷されている。ダムの管理事務所に行くと無料でもらえる。

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「自然の中にあって、風景が開けているので、ダムを訪れるのは好きですね」

 茨城に8つ、栃木に20、千葉に4つ、群馬に20と合計52のダムのカードを高村さんはすべて手に入れた。ダムをご飯に、水をカレーに見立てたダムカレーなるものをレストランで提供しているダムが多く、そのカードまであるから驚いた。

「富山の黒部ダムのダムカレーをぜひ食べたくて出掛けて行きましたけれども、売り切れで食べられなかったのが残念でしたね。でも、紅葉と放水を楽しめたから良かったです」

 ドライブや旅の楽しみ方も自分流を貫いている。ここでも能動的だ。

 そんな高村さんだが、意外なことに旅やドライブに目覚めたのは社会人になってからなのだという。

「就職して購入した400ccのオートバイに乗って県内をあちこち走るうちに、"出掛けるって、楽しいなぁ"と思うようになりました」

 高校時代はレスリングに明け暮れて、家と学校と試合会場との往復で終わっていた。クルマはこのRVRが初めての自分のクルマで、以来、乗り続けている。

「小学校の遠足で先生が"ウチに帰るまでが遠足です"と言っていた意味が大人になってからわかりました。ハハハッ」

 旅は、家を一歩出たところから始まり、帰宅するまで続く。高村さんとRVRの旅は、これからも続いていく。

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