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MITSUBISHI MOTORS

突進力の代わりの賢さ 千葉富明さんと三菱アウトランダーPHEV(2013年型 3年10万3000km)

※お客様より了承を頂戴し、ナンバープレートを隠さず掲載させて頂いております。

三回目の訪問

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岩手県在住の千葉富明さん(67歳)を訪ねるのは、これで三回目となる。

一回目は、三菱パジェロ2800ディーゼルに16年71万3000km乗り続けている様子を見せてもらいに山の中の養豚場を訪れた。

二回目は、そのパジェロが73万km弱で天寿を全うし、三菱アウトランダーPHEVに乗り換えてすぐの時。

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そして、今回はそのアウトランダーPHEVが、はや3年で10万kmを走破したと連絡をもらったので、さっそく会いに行ってきた。

千葉さんに会いに行くのは楽しい。飾らず、優しい人柄で、話題が豊富だから話していて飽きることがない。三菱のクルマへの愛情もさることながら、それで出掛ける釣りとフラワーウォッチングのことを話す時の心の底からのうれしそうな顔を見ているとこちらまで和やかな気持ちになってきてしまう。

最初に会った時に紹介してくれた担当セールスの吉田勝幸さんが新しい店舗に移ったというので、まずはそこを訪ねることにした。新しい店舗とは岩手三菱自動車販売株式会社千厩(せんまや)店のことで、吉田さんはそこの店長を務めている。

千厩店までの道中、話題は自然とアウトランダーPHEVで10万km走っての使用感となった。

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「カラダが楽になりましたね。パジェロはディーゼルで、エンジンからの振動が絶えず伝わってきていて、音も大きかった。それに代わったガソリンエンジンはとても静かな上に、いつも動いているわけではないから、振動と音から受けていた負担がなくなって楽になりました。なくなってみて初めてわかったことですけれどもね」

パジェロに73万km乗った以前にも、別のパジェロやデリカ、ジープなどを一台ごとに長距離を乗り継いできただけあるから、その言葉には説得力がある。

市内の自宅から山の中の養豚場まで往復60kmを走り、休日は県内はもとより秋田や山形、宮城など東北全域に足を伸ばしている。

「驚いたのは、自宅と養豚場の往復だけだとエンジンを使わずに、電気だけで走りきってしまうのですよ」

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こういうことだ。前夜から自宅のコンセントに繋いで満充電にしていたアウトランダーPHEVで養豚場に向かう。養豚場は山の中にあるから、ずっと登りだ。

僕の記憶では、電気を使い切ってしまいそうなくらい養豚場は遠く、高いところにあるのだけれども、電気だけで登りきってしまうのだという。

養豚場でもコンセントに繋いでおくから、帰宅時には満充電になっている。帰りはずっと下りなので、あまり電気を使わずに帰宅できる。帰宅前に街中で買い物や用事を済ませたりすることもあるし、日中、別の養豚場に出掛けたりこともある。そういう時には、電気を使い切り、エンジンを回すことにもなる。

最良値は84.2km/L

「遠出すると、どうしても燃費は悪くなりますね」

秋田まで往復すると、高速道路も使って約300km走ることになる。

「秋田往復だと、17km/Lにまで下がります。エンジンは発電と駆動の両方に使われて、休む間もなく回り続けていますから、燃費は一番良くないです」

でも、17km/Lという値は立派なものだ。 「高速道路に入って、電気だけで加速していくと、だいたいいつも75km/hでエンジンが回り始めますね」

千葉さんは給油ごとに詳細な記録を付けている。

「3年10万kmのすべてを平均すると燃費は約20km/Lになります」

最も良かったのは、84.2km/L。ほとんどが自宅と養豚場の往復だったからだ。

パジェロでは毎月の軽油代が約6万円掛かっていたところを、アウトランダーPHEVではガソリン代約1万円プラス電気代が最大でも約1万円合計2万円と、エネルギー費はわずか三分の一以下に減った。電気代の内訳は自宅での充電が約3000円、養豚場での充電が約1000円、残りの6000円が出先でたくさん充電した場合の電気代となる。

「あと、アクセルペダルの踏み方と加速の関係がパジェロとは全然違っています」

どういうことだろうか?

「パジェロでは、ディーゼルエンジンと対話するように細かく調整しながらアクセルペダルを踏んでいました。でも、このクルマではその必要がありません。モーターは回り始めたと同時に強力なトルクを発生して、そこからずっと滑らかな加速を続けていきます。クルマが状況を瞬時に判断してエンジンを回して両方で加速したり、あるいはどちらか一方だったりするような、とても私にはできないような複雑なことをやっているのですからね。賢いクルマですよ」

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峠を越え、千厩店に到着した。新しいショールームだ。急速充電装置のマークも誇らし気だ。吉田店長と会うのも久しぶりだ。サーフィンで陽焼けした精悍な顔付きは変わらない。

「燃費不正問題の時には、千葉さんをはじめとしたお客様からたくさんのお叱りと励ましの言葉をいただきました」

千葉さんはeKワゴンも持っているから、燃費不正問題についての三菱自動車工業からの補償金10万円の支払い対象者だった。しかし、受け取りを辞退した。

「私のeKワゴンの燃費が悪いと思ったことはなかったので、受け取りを断りました」

しかし、吉田店長の説得を受け入れ、最終的には受け取った。

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「今回の問題とは関係なく、以前から私はクルマの燃費とは、あくまでも"そのクルマの一部を成すもの"と考えています。走りが良かったり、デザインがカッコ良かったり、荷物がたくさん積めたりと、クルマの良いところというのはいくつもあります。そして、ユーザーは一つのことだけを気に入って選ぶわけじゃあないですよね? セールスマンが良くしてくれるからという理由で選ぶ場合だって少なくない。みんな、色々な理由を複数持ってクルマを選んでいるんじゃあないですか?」

確かに、その通りだ。

「だから、燃費が良いというだけで選ばれることは少ないだろうし、反対に燃費値が多少劣るからといって選ぶのを止める人だって少ないんじゃないでしょうか?」

クルマに限らず、人が商品を選択する際の理由は複合的かつ重層的だ。

「今回のことは残念のひとことに尽きます。飾らなくて良いのだから、三菱自動車は正直にやって欲しい」

ショールームのテーブルに座り、吉田さんと僕を前にして微笑みながら話していた千葉さんの表情が真剣なものに変わった。

「アウトランダーやeKワゴン、今まで乗ってきたパジェロやデリカやジープなど、みんな良く走って、私の仕事と暮らしを支えてきてくれました。こんなに良いクルマを造ってきた会社なのだから、つまずいて欲しくありません。私は心から応援しているんです」

補機用バッテリーを交換した

言葉だけではなく、千葉さんはこれまでに多くの人々に三菱のクルマを勧めてきた。知人から相談を受けると、必ず三菱のクルマを推薦し、セールスマンを紹介した。

「新車と中古車を併せて50台以上は紹介して、成約していますよ。燃費に優れ、丈夫で使いやすいとみんな喜んでくれています。誰からも苦情は来ていません。中には、"初めて乗ったけど、こんなに良いクルマだとは知らなかった"と感謝されたこともあります。三菱という自動車メーカーは、良いクルマは造るんだけど、それを世の中に伝えるのが下手なんですね」

吉田店長は小さく頷きながら真剣に耳を傾けている。

千葉さんのアウトランダーPHEVは3年10万kmを走って、ほぼノートラブルだった。"ほぼ"というのは、9万1000km走った時に補機用バッテリーを交換しているのだ。

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宮城県の山の中にある養豚場に出張に赴いた際に、車内でエアコンを掛けて仮眠を取っていた時のことだった。早朝に目覚め、アウトランダーPHEVを動かそうとしたところ、セルモーターが回らない。バッテリーを上げてしまったのだ。

「うっかりしていました。パジェロだったら、やっていなかったですよ。ハハハハハハッ」

フットブレーキを踏まないでパワーボタンを押さなかったのが原因だ。ブレーキを踏まないでボタンを押すと、いわゆるアクセサリーモードにとどまってしまう。アクセサリーモードでは駆動用バッテリーはオフの状態だ。ブレーキペダルを踏みながら押せば、駆動用バッテリーもオンになる。オンにしておけば、駆動用バッテリーから電気が供給されるし、それもなくなりそうになればエンジンが掛かるから、バッテリーを上げてしまうことにはならない。

「メーターに"Ready"という表示が出ていればオンになっていることが確認できます」

ウンともスンとも言わなくなったことに、千葉さんは何が起こったのかまったくわからなかった。吉田さんに電話して事情を説明。吉田さんも状況を把握し切れなかった。

「私も、電話をいただいた時には何が起こったのかよくわかりませんでした」

積載トラックを派遣して、宮城三菱自動車販売大河原店まで運び、事態を了解した。

補機用バッテリーを充電し、再始動できるようにしてもらったが、千葉さんは交換してもらうことにした。

「9万1000kmも交換せずに走り続けてくれましたから、念のために新品に交換してもらいました。5万円の出費は痛かったですけど」

千葉さんも"パジェロだったらやっていなかった"と言う通り、大きな駆動用バッテリーを積んでいるから、電欠しそうになったら走行中のように自動的にエンジンが掛かって発電してくれるだろうという思い込みが元で起きたことだった。

「私も、お客様にもっと注意喚起をしておくべきでした」

その他は、千葉さんのアウトランダーPHEVは極めて快調に走り続けている。

「千葉さんには、PHEV車向けの"ハーティプラスメンテナンスⅠ車検付き しっかりパック"という整備プランにご加入いただいておりますので、6か月ごとの点検の際には一泊二日でおクルマをお預かりしています。特に、駆動用バッテリーに貯められた電気も一度カラにして、バッテリー能力がどれだけ残っているのか検査して万全を期しています」

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釣ったイカは、その場で刺身にして食べる

アウトランダーPHEVはAC100ボルトのコンセントを備え、1500ワットの最大出力を持っているので、家庭用の電化製品を屋外で使うことができる。千葉さんは、釣りに行ってその機能を最大限に活用している。

「浜からイカを釣る時の集魚灯を二つ点灯するのに使っています。タイミングが合うと、たくさん集まってきて、入れ喰いですよ。その場で刺身にして食べたりしています」

パジェロ時代は大きなインバーターを使って点灯していたから、ディーゼルエンジンをずっとアイドリングさせていなければならなかったから大違いだ。

「圧倒的に静かになりましたけれども、他の釣り人がいる場合には迷惑を掛けないために延長コードをつなげて、アウトランダーPHEVを遠ざけています」

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電気ポッドや電子レンジも積んでいって、料理を作ったり、コーヒーを淹れたりもしている。

「そばで釣っている人から、"電気が使えるんですか?"って、よく話し掛けられます。そういう時は説明して、一緒に食べたり飲んだりすることもあります。そうやって、輪が広がっていくのが楽しいですね。電気のチカラですよ」

吉田さんと別れ、千葉さんは山の中に連れて行ってくれた。コーナーとアップダウンが連続する道をアウトランダーPHEVは静かに、軽快に走っていく。

「パドルシフトをうまく使わないと、このクルマの能力を最大限に引き出せませんよ」

アウトランダーPHEVのハンドル裏の左右には回生ブレーキ力調整用のパドルシフトがある。右がアップ用で、左がダウン用だ。最近では、エンジン車でも変速に装備されているクルマは珍しくない。エンジン車の場合は、トランスミッションのギアをドライバーの好みで上げたり下げたりするが、アウトランダーPHEVの場合はそうした回生ブレーキ力調整によって回生による充電の増減を積極的にコントロールすることにも使えるのだ。

"D"モードで走っていて、左のパドルシフトを手前に引くと"B0"になる。もう一回引くと"B1"、さらに引くと"B2"という具合に"B5"まで6段階に変えることができる。数字が大きくなるほど抵抗値が大きくなるからエンジンならぬモーターブレーキが強まり、同時に回生量も増える。

「雨の日や冬の圧雪路では安全のために"D"ではなく、"B3"や"B4"を使うようにしています。燃費は悪くなりますけれども、路面にしっかりグリップさせることを優先させています」

10万km走った経験から、千葉さんは彼なりのパドルシフトの使い方を見出した。

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「"D"は自動で変速してくれますが、抵抗値はだいたい"B2"ぐらいに相当するようですね。だから、ずっと"D"で走るよりも、"B1"を選んで走った方が燃費も良く、貯めた電気も減りません」

だから、千葉さんは積極的にパドルシフトを使い、安全と燃費の最適なバランスを取るように走っている。

「3ペダルのマニュアルギアでクルマを操る楽しみは無くなりましたが、代わりにパドルシフトで操る楽しみを得ました。"D"や"B1"で巡航していて、"B2"や"B3"に落として加速していく時の爽快感は、マニュアルギアのシフトダウンと同じようなものですよ」

努めて回生ブレーキを使っているのでフットブレーキを踏む回数が減り、パジェロと較べるとブレーキパッドの減りが3分の1になった。

側道から林の中に入って行った。だいぶ上がってきたのだろう、空気が街中とぜんぜん違う。風もなく晴れていて、刺すように冷たいけれども、どこまでも澄んでいて、遠くの尾根が手に取るように良く見える。

パジェロの頃よりは減ったが、雪道や未舗装路を走ることもある。でも、スタックしたことはない。センターコンソールにボタンが設けられているデフロックもまだ使ったことがない。

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「デフロックを使うような状況にまで陥らないんですよ。パジェロやデリカなどは、突進力のようなもので悪路を走っていましたが、このクルマには突進力はない代わりに賢さがあります。だから、スタックする手前で回避できているのです。パジェロやデリカは横になっても進んでいきますけれども、このクルマはそもそも横にならないのです。バッテリーが床にあることの低重心が効いていて、安定性がとても高い」

僕と初めて会った時から、仕事の境遇も少しづつ変わってきたという。今は、経営するすべての養豚場の業績を変わらず向上させ、後進を育成することが主になった。

「歳を取ったということですね。ハハハハハハッ」

それは僕も変わりません。

「その点でも、このクルマは僕に合っているのかなと思っています。今でも、道でパジェロやデリカと擦れ違うと、マニュアルで乗りたくなるんですけど、僕の歳では負担が大きいでしょうね」

釣りに出掛けても、パジェロの最後の頃はひと休みしてからだったが、アウトランダーPHEVでは着いてすぐに竿を振るようになった。

「スゴいクルマです。120%満足しています」

このクルマに買い換えた時に、千葉さんは僕に"運命のクルマです"と言っていた。その想いは、10万kmを走り切った今、より深まっていることだろう。アウトランダーに限らず、クルマの電動化の傾向は今後ますます強まっていく。その可能性の大きさを、千葉さんは世の中の人たちよりも少し早く体感している。

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