パジェロ、デリカ、チャレンジャーV6エンジンの
クランクシャフトプーリーセンターボルト締付時注意事項

V6エンジン(6G7)のクランクシャフトプーリーセンターボルトの緩み、及び折損を防ぐため、次の事項に注意して作業する。

<締付作業前>

ワッシャ/プーリ等被締結部品の状態を確認し、変形/摩耗などあれば交換する。
特にクランクシャフト先端部に摩耗粉(赤錆色)が認められた場合は補修用スプロケットに交換する。
先端部の摩耗したクランクシャフトは補修用スプロケットを使用することで継続使用可能。

(注)補修用スプロケットは先端部の摩耗したクランクシャフトにおいて適正な隙間を回復する形状を採用しました。ご購入に関しましては、三菱自動車純正部品の取り扱い窓口にお問い合わせください。

部品名称 部品番号
補修用専用スプロケット 1130A260

各部品に異物が付着したまま締付を行わないように、作業iiiを確実に実施する。

<締付作業時>

締付トルク又は、締付角度が規定値以上になった場合は、ボルトを完全に緩めた後、手順ivをはじめからやり直す。
締付にインパクトレンチを使用しない。

<締付作業後>

締付後に行うベルト張り作業においては、張力が規定管理値内にあることを確認する。
バルブタイミング調整、A/T取付け時のボルト位置合わせ等の整備作業で、センターボルトにレンチ等をかけてクランクシャフトを回す場合、絶対に緩み方向へ回さない。

(注)張力が適正に管理されていない場合、過大張力によりクランクシャフトとスプロケットの嵌合部に摩耗が生じ、ボルトの緩み、または折損に至る場合がある。

【作業要領】

クランクシャフトプーリーセンターボルト(以下、センターボルト)の締付を実施する場合、作業i → ii → iii → ivの順に実施する事。

作業i
図1に示すいずれかの部品(クランクシャフト除く)に変形・摩耗などあれば新品に交換する。 クランクシャフト先端部に摩耗粉(赤錆色)が認められた場合は、補修用スプロケットに交換する。

作業ii
新品センターボルトを用いて、手回しでクランクシャフトにスムーズに組みつけられるか確認する。スムーズに回らない場合は、クランクシャフトを交換する。

作業iii
表1に示す「前処理」に従って、次の作業を行う。
○印部:ウエスで汚れを拭き取る。
*印部:ウエスで汚れを拭き取った後、脱脂を行う。
●印部:最小限のエンジンオイルを塗布する。
(目安:ボルトフランジ座及びねじ部に各5滴)

作業iv
表1に示す「締付条件」に従って、「トルク締付法」でセンターボルトを締付ける。
締付法による手順は次の通り。

作業v
ドライブベルト類をセットした後、「ベルト調整方法」に従い適正に張力調整を行う。

表1.センターボルト締付作業容量

機種 分類 前処理 締付方法 締付条件
6G7 パジェロ
<V23C('91-1),V23W,V43W>
デリカスペースギヤ
<PD6W,PB6W,PF6W>
パジェロ
<V23C('97-5),V25C,V25W,V45W>
パジェロエボリューション
<V55W>
チャレンジャー
<K96W,K99W>
図1 トルク締付法 185N・m → 完全に緩める → 185N・m

ベルト調整方法

パジェロ<V23C ('91-1), V23W, V43W>


<オルタネータードライブベルトの調整>

  1. テンションプーリーの固定用ナットを緩める。
  2. 調整用ボルトを回しベルトの張力が標準値になるように調整する。
    調整用ボルトは時計方向に回すと張力が強くなり、反時計方向に回すと張力が弱くなる。
  3. 固定用ナットを規定トルクで締付ける。
  4. エンジンを時計方向へ1回転以上クランキングした後、ベルトの張りを調整する。

注意
点検はエンジンを正回転(右回転) 方向へ一回転以上した後行うこと。

標準値:

項目 使用ベルト張り直し時 新品ベルト装着時
振動周波数Hz 167 187-221
張力N 392 490-686
たわみ量mm 9.0 6.5-8.0

<パワーステアリングオイルポンプドライブベルトの調整>

  1. クランクシャフトを回し、パワーステアリングオイルポンププーリーの作業穴と固定用ボルトA、Bの位置を合わせる。
  2. パワーステアリングオイルポンプ固定用ボルトA、B、Cを緩める。
  3. タイヤレバー等を使用して、パワーステアリングオイルポンプ本体を動かし、ベルトの張りを調整する。
  4. ベルトの張りを保持したまま固定用ボルトAを締付ける。
    備考
    ベルトの張り調整時、ボルトに工具を差込んでおくと作業穴がずれない。
  5. 残りの固定用ボルトB、Cを締付ける。
  6. ベルトのたわみ量又は張りを点検し、標準値を外れていれば再調整する。

注意
点検はエンジンを正回転(右回転) 方向へ一回転以上した後行うこと。

標準値:

項目 使用ベルト張り直し時 新品ベルト装着時
振動周波数Hz - -
張力N 294-490 490-833
たわみ量mm 9-12 6.5-9.0

<A/Cコンプレッサードライブベルトの調整>

  1. テンションプーリー固定用ナットを緩める。
  2. 調整用ボルトでベルトの張りを調整する。
  3. テンションプーリー固定用ナットを締付ける。
  4. ベルトのたわみ量又は張りを点検し、標準値を外れていれば再調整する。

注意
点検はエンジンを正回転(右回転) 方向へ一回転以上した後行うこと。

標準値:

項目 使用ベルト張り直し時 新品ベルト装着時
振動周波数Hz 206-220 267-292
張力N 343-392 490-588
たわみ量mm 6.5-7.5 5.0-6.0

デリカスペースギヤ<PD6W, PB6W, PF6W>
パジェロ<V23C ('97-5), V25C, V25W, V45W>
パジェロエボリューション<V55W>
チャレンジャー<K96W, K99W>
<オルタネータードライブベルトの調整>

  1. テンションプーリー固定用ナットを緩める。
  2. 調整用ボルトで、ベルトのたわみ量を調整する。
  3. 固定用ナットを締付ける
  4. ベルトのたわみ量又は張りを点検し、標準値を外れていれば再調整する。

注意
点検はエンジンを正回転(右回転)方向へ1回転以上回した後行うこと。

標準値:

項目 使用ベルト張り直し時 新品ベルト装着時
振動周波数Hz 209-231 279-311
142-157 189-211
張力N 441-539 784-980
たわみ量mm 7.0-8.4 4.0-5.2
10.1-11.7 6.0-7.4

<パワーステアリングオイルポンプドライブベルトの調整>

  1. テンションプーリー固定用ボルトを緩める。
  2. 調整用ボルトで、ベルトのたわみ量を調整する。
  3. 固定用ボルトを締付ける。
  4. ベルトのたわみ量又は張りを点検し、要すれば再調整する。

注意
点検はエンジンを時計方向へ1回転以上回した後行うこと。

標準値:
デリカスペースギヤ<PD6W, PB6W, PF6W>

項目 使用ベルト張り直し時 新品ベルト装着時
振動周波数Hz 111-125 132-156
張力N 343-441 490-686
たわみ量mm 14.6-16.6 10.6-13.6

パジェロ<V23C('97-5), V25C, V25W, V43W, V45W>

項目 使用ベルト張り直し時 新品ベルト装着時
振動周波数Hz ベルト部番がMD199224の場合 96-109 115-136
ベルト部番がMD363024の場合 95-107 113-133
張力N 343-441 490-686
たわみ量mm ベルト部番がMD199224の場合 16.5-18.9 12.0-15.5
ベルト部番がMD363024の場合 16.9-19.2 12.2-15.8

パジェロエボリューション<V55W>

項目 使用ベルト張り直し時 新品ベルト装着時
振動周波数Hz 91-103 108-128
張力N 343-441 490-686
たわみ量mm 17.5-19.9 12.7-16.4

チャレンジャー<K96W, K99W>

項目 使用ベルト張り直し時 新品ベルト装着時
振動周波数Hz 6G72 111-125 132-156
6G74 95-107 113-133
張力N 343-441 490-686
たわみ量mm 6G72 14.6-16.6 10.6-13.6
6G74 16.9-19.2 12.2-15.8

<A/Cコンプレッサードライブベルトの調整>

  1. テンションプーリー固定用ボルトを緩める。
  2. 調整用ボルトで、ベルトのたわみ量を調整する。
  3. 固定用ボルトを締付ける。
  4. ベルトのたわみ量又は張りを点検し、標準値を外れていれば再調整する。

注意
点検はエンジンを正回転(右回転)方向へ1回転以上回した後行うこと。

標準値:
デリカスペースギヤ<PD6W, PB6W, PF6W>

項目 使用ベルト張り直し時 新品ベルト装着時
振動周波数Hz 226-247 247-267
張力N 392-441 441-539
たわみ量mm 5.5-6.0 5.0-5.5

パジェロ<V23C ('97-5), V25C, V25W, V43W, V45W>

パジェロエボリューション<V55W>

項目 使用ベルト張り直し時 新品ベルト装着時
振動周波数Hz 191-204 267-292
張力N 343-392 490-588
たわみ量mm 6.5-7.5 5.0-6.0

チャレンジャー<K96W, K99W>

項目 使用ベルト張り直し時 新品ベルト装着時
振動周波数Hz 207-232 243-264
張力N 392-490 539-637
たわみ量mm 5.6-6.4 4.3-5.1