公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会事務局長。
関東近郊の低山からアルプスまで年間を通じて山登りやネイチャーゲーム
(自然体験)の啓発を行っている。
今回、マイルドハイブリッドで、自然遊びの達人・渡辺峰夫(わたなべ・みねお)さんとでかけたのは、お出かけが大好きな大野さんファミリー。裕典さん、真澄さん、10歳の裕芯くん、裕良くんの4人家族だ。
4歳の時に、大山(神奈川県)で山デビューし、今年で山登り歴6年目になる双子の兄弟を連れてパパの裕典さんと、自然遊びの達人・渡辺峰夫さんが目指したのは、東京都奥多摩と埼玉県飯能市の境にある棒ノ折山(棒ノ嶺)。
沢や鎖場登りが含まれるドラマチックなコースとして人気のルートだ。
登山道の入口から杉の樹林をすすむと、少しずつ沢のせせらぎが聞こえるようになり30分ほどで最初の難所である沢登りエリアに到着する。「足元に気を付けてね」というママの真澄さんの声が響く中、パパの裕典さんを先頭に子どもたちは臆することなく足場を確認しながら道なき道を登っていく。
今回この山に登るのは2度目という大野さんファミリー。「山登りはつらくても、頂上についたときの達成感が何とも言えません。そんな体験を小さなうちに繰り返すことで、あんなすごい山を自分で登ることができたのだ! という自信をつけてほしい。そんな気持ちで山登りに親子で挑戦しています」(パパ・裕典さん)
沢登りを終えると、続いて巨大な岩の間を縫うように続く岩場ルートへ。鎖一本だけをたよりに登るエリアだ。同行のスタッフからは「すごい!」というため息がもれ、大人でも躊躇してしまうような急な登りルートだが、ここでもパパの裕典さんを先頭に、子どもたちは公園の滑り台の階段を登るような軽い足取りで登っていく。その様子を見ながら自然遊びの達人・渡辺峰夫さんは「子どもは体が軽いですから、登り慣れてしまえば何ともないものですよ。大人はゆっくり足場を確認しながら登っていきましょう」と。
片道約2時間、途中2回の休憩をはさんで標高969メートルの棒ノ折山(棒ノ嶺)の山頂へ到着した。頂上ではパパのおかずと、ママのおにぎり、自然遊びの達人渡辺さんのレモンティーで一休み。昼食後は、渡辺さんの指導のもと140以上あるネイチャーゲームの中から、「森の美術館」というゲームに挑戦。フレームを片手に自分のお気に入りの景色を探していくゲームだ。
パパもママも子どもたちも、夢中で自分のお気に入りの風景を探し、家族の会話がはずむ。
ネイチャーゲームとは、自然に関する知識や年齢に関係なく楽しむことができる世界中で親しまれているアクティビティ。最近は小学校や幼稚園などのアクティビティでも多く取り入れられている。
続いて渡辺さんが聴診器を取り出すと、木にあてながら競いあって何が聞こえるかを話し合う裕芯くん、裕良くんの姿に「『何かを聞いてやるぞ』と子どもたちの顔つきが変わりましたね」と、渡辺さん。
その様子にパパやママも「自然と向き合い挑戦していくことと、同じぐらい自然の豊かさも感じてほしい。これからも家族で山登りをしていきたいね」とパパ・裕典さんとママ・真澄さんが言いかわしていた。
【今回のお出かけ場所】
棒ノ折山
住所:埼玉県飯能市