MISSION.01
大谷 洋二 YOJI OTANI 商品戦略本部 チーフプロダクトスペシャリスト
デリカらしさを継承せよ

 今回は10年ぶりのモデルチェンジ、ブランドでいえば50年という節目の年を迎えるとあって、デリカを次の50年に継承するための責任感を伴うプロジェクトとなりました。

 50年という年月は多くのファンの方々に愛されたという結果だと思っています。ですから、従来のデリカの基本をきちんと抑えつつ、これからのデリカに求められるものを付け加えていこうと考えました。デリカは、形状こそワンボックスミニバンですが、本来のキャラクターはSUVだと思っています。つまり悪路の走破性や運転のしやすさといった走行性能と、乗員・荷室スペースなどユーティリティの両立こそが「デリカらしさ」。デリカD:5にはその「デリカらしさ」が受け継がれています。

 粘り強い走りを見せるディーゼルエンジンと細かな制御が可能な8速ATを組み合わせることで、動力性能は従来以上に高まっています。8速ATにより1速はよりローギアード化、トップギヤはよりハイギアード化が可能となり、優れた加速性能と、燃費性能の向上に貢献します。また、遮音、吸音性能の向上とあいまってこれまでにないほど静かで滑らかなドライビングも実現しました。
 十分な最低地上高やアプローチアングルによりどんなミニバンよりも安心して悪路、雪路もグイグイ入っていただけます。

 アウトドアでアクティブなライフスタイルを過ごされる方はもちろん、これまでより少しだけ行動範囲を広げたい、アウトドアでの使い方に関心を持っている、そんな方にもぜひ、見ていただきたいクルマですね。

デリカらしさを継承せよ

 これからのデリカを考えて加えたのは、先進安全性能の採用といったさらなる安全性の向上と車内の快適さでした。
 従来のデリカは、どちらかといえばハンドルを握る方からの支持が高いクルマでした。今回のモデルチェンジでは助手席や後席に座る方の視点も大切にしています。つまり、ドライバーが長距離を運転していても楽しく、安心で、疲れにくいのと同様に、助手席に座るナビゲーターも快適にドライブを楽しめるという方向を目指したのです。企画・開発に多くの女性スタッフが関わっていることから、居住性の高いインテリアやシート、開放的なインパネのレイアウトには、女性目線の快適さ、上質感が取り入れられています。

 エクステリアでは特にフロント周りの改良を図りました。フロントのヘッドランプ、バンパー、グリル周り、これらはまったく新作になっており、従来の骨太で頼もしいイメージを保ちつつも、これまでより都会的な印象に仕上げてあります。

 結果、デリカD:5は、どんな雪路や悪路にも屈しない走行性能とダイナミックパフォーマンス、さらに上質感のあるインテリアが共存するクルマになりました。粘り強い走りを見せるディーゼルエンジンと8速ATの組み合わせは静かで滑らかな走りをかなえ、その静粛性ゆえ、車内の居心地の良さも快適度が格段にアップしました。

 デリカD:5はより快適に、より遠くまで、より楽しく移動できる、そんなクルマです。クルマのあるライフスタイルをより豊かにしてくれる、そういうものをこれからも提供し続けていきたいと思っていますし、より豊かなライフスタイルをデリカD:5で多くの人に楽しんでいただければと思います。