ALWAYS EVOLVING
日本のスキー文化の発展と共に進化を重ね、
スキーヤーから絶大な支持を集めている
ミニバンSUV三菱デリカ。
なぜ、これほどまでに
愛され続けているのか─。
唯一無二の実力と魅力について、三菱自動車
にて、
デリカD:5の商品企画責任者を務める
藤井康輔さんにお話を伺いました。
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─ 初代モデルのお話から聞かせてください。初代デリカは商業用車だったそうですね。
藤井 1968年に商用車としてデビューしたデリカトラックが最初です。当時の日本は高度経済成長期を迎え、さまざまな物資が全国を行き交っていました。社会が豊かになるにつれて多様な商売が生まれ、商品を運ぶのにちょうどいい大きさの車が求められていたんです。そうしたニーズに応えるかたちで誕生したのが 600kg積みのデリカトラックでした。翌年には3人乗りのバンやライトバン、3列シート9人乗りのコーチを発売しています。レジャーにも使えることは当初からうたっていましたが、人やモノを運ぶための車としてスタートしたんです。─ 初代デリカは“はたらく車”だったのですね。ネーミングもデリバリーとカーの造語なんですよね。そこからワゴン乗用車タイプへと進化していった理由は?
藤井 経済の発展にともない、週末の余暇を楽しもうという機運が高まっていきました。キャンプやスキーに出かける人が増え、自家用車の需要も伸びていったんです。そうした流れを受けて、1972年にはポップアップ式ルーフやカーテンなど、オートキャンプを楽しむための装備を備えたデリカキャンピングバンを発売しました。─ 70年代初頭といえば第2次スキーブームの頃ですが、キャンプも盛り上がっていたんですね。それで、バンやワゴンタイプの車が求められるようになったということでしょうか?
藤井 もうひとつの背景として、ベビーブーム世代の子どもたちが成長していったという事情もあると思います。セダンタイプの車では手狭になってきた家庭が増え、広めのワゴンの需要が高まっていったんですね。─ 家族みんなでワゴンに乗って遊びに行くというライフスタイルが生まれたわけですね。
藤井 週休2日制の会社も増え、週末は家族とスキーやアウトドアを楽しむーー。そんな余暇の過ごし方が定着していったんだと思います。
1968年発売 初代デリカ
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─ 1970年代半ばになるとスキー専門誌が次々と創刊され、若者のあいだでもスキーが人気となりました。
藤井 ちょうどその頃、2代目デリカスターワゴンが誕生しました。1979年ですね。─ スターワゴンは日本初のワンボックス4WDとして話題になりましたね。当時、ほかに4WDの車は存在しなかったんですか?
藤井 4WDといえばジープやピックアップトラックのような本格クロスカントリー車や商用車が中心で、4WDの乗用車はありませんでした。“乗用車を4WDにする”という発想が他のどのメーカーにもなかったんです。─ 新しいカテゴリーをつくったわけですね。
藤井 社内でもかなりチャレンジングな試みでしたが、“日本初の4WD乗用車”というコンセプトがヒットにつながりました。世の中のニーズと私たちが目指していた方向がピッタリとかみ合ったんだと思います。アウトドアといえば4WD ─そんな新しい価値を生み出すことができました。未到の地を進んでいく。そうした姿勢を私たちは“三菱自動車らしさ”として、これからも大切にしていきたいと考えています。─ 4WDの乗用車が登場したことで、日本のアウトドアカルチャーが広がっていきました。80年代から90年代にかけて、日本のスキー文化が最盛期を迎えます。映画『私をスキーに連れてって』、ユーミンの『サーフ天国、スキー天国』などがヒットして、第3次スキーブームが訪れました。
藤井 そうでしたね。1985年に発売したデリカスターワゴンのスキー特別仕様車シャモニーが注目を集め、スキー場の駐車場では“デリカかパジェロしか見かけない” と言われるほどの人気でした。
1979年発売 2代目デリカ スターワゴン
1985年発売 3代目デリカ スターワゴン
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─ シャモニー!“ゲレンデヒーロー”という宣伝コピーが秀逸でした。3代目デリカスターワゴンのフィールドレジャー特別仕様車ジャスパーも評判でしたね。スキーヤーにデリカが支持された理由は、何だと思いますか?
藤井 大きくは、4WDによる優れた悪路走破性と、雪道でも安心できる高い最低地上高、そして高いアイポイントによる運転のしやすさです。とりわけ重要なのは、4WD性能ですね。当時はほとんど後輪駆動だったので、雪道や悪路で立ち往生する車も多かった。そこに4WDを搭載した乗用車が現れたことで、圧倒的な支持を得られたのだと思います。─ やはり雪山では4WD性能がものを言うわけですね。
藤井 そうですね。4WDシステムも時代と共に、どんどん進化しています。なかでも大きな進化を遂げたのが、4代目デリカスペースギアです。路面状況に合わせて2WD、4WD、4WD LOCKなどを選択できるスーパーセレクト4WDという当社独自の技術を搭載し、一般道でも悪路でも快適に走れるようになりました。─ それまでの箱型デリカとは異なる、ボンネットが前方に突き出たデザインが印象的でした。
藤井 車の安全基準が見直され、衝突時の安全性を高めるために、あのようなデザインへと進化したんです。フロントシートの真下にあったエンジンをノーズ部に移動したことでフロアがフラットになり、前席から後席まで歩いて移動できる “ ウォークスルー仕様 ”が実現しました。─ それまでルーフキャリアに載せていたスキー板を室内に収めることができるなど、アウトドアでの使い勝手が向上しました。シートアレンジも自由度が増し、まさに“ギア(道具)”のように使いこなせる車になったんですね。
藤井 そうなんです。スキーはもちろんフィッシングやオートキャンプなど、幅広いシーンで活躍する車となりました。
1994年発売 4代目デリカ スペースギア
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─ そんなスペースギアをさらに進化させる形で2007年に発表された5代目デリカD:5は“ミニバンの優しさとSUVの力強さの融合”をテーマに開発されたとか。よりスタイリッシュにアップデートされた印象ですが、スキー以外ではどんなシーンで活躍しているのでしょうか?
藤井 やはり多いのはキャンプですね。コロナ禍でキャンプブームが盛り上がりましたが、デリカユーザーはブームに関係なくアウトドアが好きな方たちです。街乗りをメインとしながらも定期的にフィールドに通っている。そんなお客様が多いですね。私自身もデリカD:5にベッドキットを取り付けて車中泊を楽しんだりしていますが、圧倒的に快適です!
2007年発売 5代目デリカD:5
2019年発売 デリカD:5
─ 最後に、Japan Mobility Show2025で初お披露目された新型デリカD:5について教えて下さい。
藤井 新型の魅力は様々ありますが、一番は「S-AWC(Super All Wheel Control)」という三菱自動車独自の車両運動統合制御システムが搭載されることです。タイヤの荷重や駆動力を最適にコントロールして、カーブで力まかせにハンドルを切らなくてもスーッと行きたい方向へ進むことができる。これによって、より安全でスムーズな走りができるようになりました。汚れにも強い撥水シートも、スキーヤーの皆さんには便利にご活用いただけるポイントではないかな、と。
2025年 新型デリカD:5
─ 安全性も快適性も向上して、スキー場への行き帰りの運転もストレスなく楽しめそうですね。これからも僕らを“スキー天国”へ運ぶ車として進化を続けてもらえることを期待しています!
チーフ・プロダクト・スペシャリスト(商品企画責任者)
三菱自動車でデリカシリーズの商品企画を担当。
デリカの基本理念である「大切な家族や仲間と過ごす楽しい時間の提供」を大切にしながらお客様のライフスタイルを広げる魅力的なクルマづくりを追求。
イラストレーター、作家。1992年生まれ、青森県弘前市出身。オーストラリア、東京、逗子を経て、現在は故郷の弘前を主な拠点とする。海や山、動物や自然、自身の旅から得たインスピレーションをもとに、自由に自身の世界観を表現している。ジャケットアートワーク、グッズ、書籍の挿絵、広告のイラストレーションの他、オリジナルキャラクターワーク「LET’S GO DOWNTOWN」を手がける。


スキーを伝授
スキーの大衆化はじまる
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第4次スキーブーム
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