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健康第一、脳力鍛練!吉川禎二さんと三菱セディアワゴン(2001年型 11年12万5000km)

※お客様より「ナンバープレートも年月を感じる大切なシンボルなので掲載して欲しい」とのお申し出をいただき、ナンバーを掲載させて頂いております。

毎朝、クルマでヘラブナ釣りに


 健康についての話題が増えたのは、母親も自分もそれだけ歳を取ったということなのだろう。
“身体にいい”と聞いた食べ物や習慣を試してみて、効いた効かなかったと一喜一憂しているうちはまだ丈夫な証拠なのだと笑い合えているだけありがたい。

「外へ外へ出ないと、アカンな」
 大阪在住の吉川禎二さんは76歳。僕の母親と3歳違い。妻の邦枝さんは70歳。夫婦で、三菱セディアワゴンに11年12万5000km乗り続けている。
 後席に乗せてもらうと、シートの背もたれが半分畳まれ、何かケースに入った長いものがトランクから斜めに伸びてきている。
 「ヘラブナの竿ですわ。ほぼ毎朝、釣りに出掛けています。そうやって畳めば、竿も積めるし、山の方の池やダムに行くのにこのクルマは重宝していますよ」

 邦枝さんは助手席専門だ。
「わたしは、習字とダンスで忙しいんです。習字は家や外の教室でも教えていて、ダンスはスクエアダンスを仲間と楽しんでいます」

 ふだん馴染みのない関西弁のイントネーションが耳に心地よい。
「前は、お父さんも私と一緒にダンスや水泳を習いに行っていたんだけど、女性が多いのがイヤやって、行かなくなってしもうたね。ハハハハハハ」

明るく元気に暮らしている吉川さんご夫妻にとって、セディアワゴンはなくてはならない存在のようだ。
 しっかりしたルーフラックを載せ、インチアップしたホイールに履き替えてある。ハンドルには握りやすいようにグリップを太くするカバーが巻かれ、カーナビも後から装着されたもののようだ。使いやすいように、いろいろと手が加えられている。

「ナビは、まだ仕事で出掛けることが多かった頃に付けたんです。方向音痴だから、ヨソの倉庫や敷地に間違って入ってしもうてね。ハハハッ」

 私鉄の駅から10分間くらい走って、吉川さんの家に到着した。
 ハンドルのパッドの上に白いビニールテープが貼られていて、そこに黒いマジックで“お茶”と書かれている。
「あ、これ!? これは、3年前に熱中症に罹っちゃってね。水分をたくさん摂らないといけないから、貼ったの」
 今は、大丈夫なのですか?
「もう良くなったけど、忘れないよう残してある。サ、上がって下さい」

 熱も咳もないのに、頭痛がヒドくなっていった。
夏風邪だろうと家で大人しくしていても、いつまで経っても熱が引かず、医者に行ったら熱中症が判明した。
「ちょうど、私がお習字の勉強会で2泊3日で雄琴温泉に行って帰ってきたところだったんです。ミイラみたいにゲッソリして、横になっていました」

 食欲が沸かず、したがって体力がどんどん落ちていった。
処方された薬の副作用でモノ忘れも一時的に激しくなっていった。
「原因は塩分不足でした。脳に水が溜まっているって医者に言われ、シンドかった」
治って、ホントに良かった。

デリカ・トラックで年間3万km以上

  禎二さんは、長年、電気設備や熱処理の仕事に携わってきた。1988年に独立し、自身の会社を設立した時に入手したデリカ・トラックが初めての三菱のクルマだった。
「岡山や広島とかまで、あのクルマでよく仕事に行っていたわ」
 その頃は年間3万km以上走るほど多忙だった。デリカ・トラックを2台乗り、4ナンバーのリベロMVVワゴンを経て、現在のセディアワゴンに至っている。
「15年ぐらい前から仕事の内容が変わってきて、酸素ボンベのようなゴツいものをあまり載せなくても済むようになってきたから、リベロに代えたんや」

 数年前にフルタイムの仕事からは引退したが、頼まれて月に一回ぐらいオーダー電動クルマ椅子のパーツを自室で製作している。見せてもらうと、細かな金属製部品がたくさん詰まったケースや手描き図面、組立途中の基盤などが転がっていた。口や指先だけで操縦できる、一台数百万円する特注品だそうだ。
「ひとりひとり体格や障がいの度合いも違うから、こうやってお父さんが一台ずつ誂えることになるんです。使う人と何度もやり取りをして完成させますから、それなりに時間も掛かりますよ」

ヘラブナ釣りのウキも、吉川さんは自分で作っている。

「自分で作ったウキで釣れた時は最高の気持ちやからね」

 他にも、卓球で勝つために録り貯めた研究用のビデオ、釣り雑誌や書籍、ビデオなどで
禎二さんの個室は一杯だ。

「次は、お母さんの習字も見てやってな」
 階段を下り、今度は邦枝さんの書が飾られている部屋に案内された。額装された見事な書の他には、子供たちが稽古して邦枝さんが朱筆を入れた半紙が何枚も重ねられていた。
 吉川さん夫妻が各々の仕事や趣味、稽古ごとなどを目一杯楽しんでいることがとてもよくわかった。それも、好き勝手やっているのではなく、お互いが行っていることを尊重し合っているところが素晴らしい。
「ホント、70歳を過ぎて、こうやって夫婦で元気に好きなことをさせてもらっているのはありがたいことです」
 そのためにも、健康であることが大前提となってくる。

「やっぱり、刺激やね。毎日外へ出かけて誰かと話して、脳へ刺激を与えないとアカン。刺激こそが健康につながる」
 そのまま自分の母親に聞かせてやりたいくらい、吉川さん夫妻の言葉には説得力がある。
「でも、雨振ったり寒かったりしたら出掛けるのが億劫になるやろう。そういう時は、これをやるん」
 マガジンラックから取り出して見せてくれたのは、『脳力を鍛えるドリル・川島隆太教授監修』という練習帳だった。
「孫が遊びに来て、必ずチェックするんや。"おじいちゃん、ちゃんとやったか〜"って。ハハハハハハッ」


 禎二さんは、どこまでも明るく元気だ。
 息子家族と季節ごとに一緒に出掛けるバーベキューも大きな楽しみになっている。
「息子の7人乗りミニバンよりもウチのクルマの方が荷物ようけ積めるからね。せやから、必ず2台で行くんです」

信用できるやん

 セディアワゴンは丈夫に走り続けてきているが、一度だけエンジンの調子が悪くなった時があった。6年8万km時点で、吹き上がりが悪くなり、同時にオイル漏れが生じてきた。禎二さんは、クリアファイルに時系列で丁寧に整理されている修理内訳や請求書などを繰り始めた。

「コレや、コレや。この支払いの時やった。車検から上がってきたばかりだったから、担当のワタナベさんにクレーム付けたった」
 西日本三菱自動車販売系列のディーラーはセディアワゴンを引き取り、再点検した。スパークプラグを交換して吹き上がりの悪さは解決され、オイル漏れも再整備によって止まった。
 定期点検は、半年、一年と欠かさず受けるようにしている。オイル交換も5000kmごとにディーラーで行っている。
「町の工場なんかに較べればちょっとは高いのかもしれないけど、自分とこで作ったクルマを点検するんやから、そっちの方が信用できるやん。だから、全部任せていますよ。でも、バッテリーとタイヤとかは自分で交換しているかな。どこで買ってもモノは同じやからね。ハハハッ」

 その甲斐あって、いまは快調に走っている。

 「ミラージュいう新しいクルマは、エコ効いとるの?」
 東京モーターショーに出展された三菱ミラージュの燃費の良さを禎二さんはテレビのニュースで知って、気になっているのだ。それにしても、“エコ効いている”とはウマい表現だ。
「このクルマは古臭くは見えないんちゃう。もともと、三菱のクルマは少ないから目立たないだけやし」
 まだまだ乗り続けるつもりだが、どうせ乗り換えるのならば“エコ効いている”クルマにしたいようだ。
「吉川さん、80歳まで運転し続けて下さい」

 担当営業のワタナベ氏も冗談交じりにセディアワゴンを乗り続けることを勧めているが、
抜かりなくコルトとコルトプラスのカタログと見積書もすでに手渡してある。吉川さん夫妻とワタナベ氏は、冗談を飛ばし合いながらも、お互いに言いたいことは言い合える良好な関係にあるようだ。
「ワタナベさんには、“お父さんが認知症テストを通ったら、買い替えも考えようか”って答えてあるんです。フフフッ」

 75歳以上のドライバーは、運転免許更新時にテストが義務付けられている。
「まだ大丈夫や思うけど、一瞬ボヤッとして“ここはどこや? どこを走っているんや?”って焦ってしまう時のことは想像できるなぁ」
 そこまで自分を客観視できるのならば、大丈夫ですよ!
 再びセディアワゴンの後席に乗せてもらって、駅まで送ってもらった。
「タイヤは太い方がエエのかと思うとったけど、アンタも言う通り、たしかにワダチひらうな。失敗したな。今度、戻そ」
 むやみにタイヤを太くしても、実走行ではメリットよりデメリットの方が多くなる場合がほとんどだ。それこそ、エコも効かなくなる。ノーマルが一番バランスが採れている。

 老後の送り方は人それぞれだけれども、健康が第一であることに異論はないだろう。その点で、吉川さん夫妻からはいくつか示唆をもらった。積極的に世間と関わり合いを持とうとしているから、世間からも求められている。クルマとの付き合い方も、いい感じだった。帰ったら、さっそく『脳力を鍛えるドリル』を母親にプレゼントすることにしよう。

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