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センセイは忙しい 小磯巌さんと三菱デリカ・スペースギア
(2002年型 11年25万km)

※お客様より「ナンバープレートも年月を感じる大切なシンボルなので掲載して欲しい」とのお申し出をいただき、ナンバーを掲載させて頂いております。

高い見積もりを買った

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 クルマに限ったことではないけれども、大きな買い物をする際には複数の業者から相見積もりを取ることが珍しくない。

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 価格と条件を比較するためだ。同じものならば安い方から買うのが当然なわけだけれども、茨城県在住の小磯巌さん(54歳)は高い方の見積もりを出してきたディーラーのセールスマンから三菱デリカ・スペースギアを購入した。以来11年間で25万km乗り続けている。

「赤津君は一所懸命だったからね。見積書を持ってウチまで訪ねてきてくれたし」

 赤津君とは、ショールームで応対したセールスマンのことだ。

 その頃、小磯さんは小さかった子供たちを毎年冬休みに裏磐梯にスキーに連れて行っていたから、4輪駆動のミニバンが必要になった。それまで後輪駆動のミニバンに乗っていて、夏休みの旅行や毎日の通勤に使っていたのだが、一度、兄が乗る4輪駆動ミニバンを借りてスキーに行って、その雪道での安定感を体験してしまったから、どうしても4輪駆動が欲しくなってしまったのだ。

「私はクルマには詳しくはないのですが、兄のクルマよりもスペースギアの方がより本格的な4輪駆動だと聞きましてね。そっちの方が安心だろうと」

 長年、中学校の英語の先生を務められていただけあって、小磯さんの話はわかりやすい。

「子供たちはすでに三人とも成人していますが、小さい頃には荷物も多く、とても三人を連れて電車でスキーになんて行く気にはなれませんでしたね」

 それまで三菱自動車のクルマに乗ったことはなく、家族にも持ち主はいなかった。

「用事があったついでに水戸千波店に寄ってスペースギアを見せてもらった時に応対してくれたのが赤津君だったんですよ」

 自宅と水戸千波店は約30kmも離れている。最も近い三菱のディーラーはその半分以下の近さにあり、そちらにも訪れて相見積もりを取った。水戸千波店の方が約一万円高かった。水戸千波店は高くて遠いのに、小磯さんはそちらから買った。赤津さんの印象と仕事の進めぶりがよほど気に入ったのだろう。

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「明るくて、ハキハキしているところがいいですね。車検や定期点検のDMなんかもキチンと来るし、それ以外にも、時々"クルマの調子はいかがですか?"って電話をくれたりします」

 電話は煩わしく感じることはありませんか?

「そんなことはないですよ。うれしいです。でも、最近は"そろそろ、次のクルマはいかがですかね?"って聞いてきますね。ハハハハハハッ」

凍結路の苦い思い出

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 子供たちをスキーに連れて行く時だけでなく、もうひとつ小磯さんには本格的な4輪駆動システムを必要とする理由があった。転勤で、より北方の中学校に赴任したからだった。学校までの残り5,6kmが必ず凍結する道路だった。

 それから数年後にもっと北の方の片道39kmある小学校に転勤した時には切実で、毎年12月から3月まではスタッドレスタイヤを履き、凍結に備えていた。スペースギアはパートタイム4輪駆動だから、春が来て降雪や路面凍結がなくなれば、2輪駆動で走る。

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 実は、小磯さんは凍結路には苦い思い出があった。教員になって初めて買った自分のクルマを自損事故で廃車にしたのだ。冬の通勤路が凍結していて180度スピン。停まらずに、脇の田んぼに引っ繰り返りながら落ちた。ルーフはペチャンコになったが、シートベルトをしていたので車外に放り出されることはなかった。他のクルマや人などを傷付けることがなかったのが幸いだった。

 だから、通勤路での凍結にはそれ以後とても注意を払うようになったという経緯がある。子供たちとスキーに行くのならなおさらだ。

 それにしても、通勤路の話を伺っていたら、最近の中学校の先生の忙しさには驚かされてしまう。朝は7時には登校し、授業と部活動が終わっても夜遅くまで帰れない。週休2日制になったとはいえ、土曜日と日曜日も部活動の顧問として出勤する。複数のクラブを掛け持ちしている先生もいるから、対外試合や発表会なども併せると休みがほとんど取れなくなる。小磯さんも、忙しい時には月に1日か2日ぐらいしか休めなかったそうだ。

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 夏休みが長いのは生徒だけで、部活動の顧問を務めていない先生たちも研修やその準備などで登校したり出張したりしなければならない。出張も小磯さんはクルマで行っていた。

「私だけでなく、同僚たちは例外なく全員がクルマ通勤でした」

 そんな風に仕事をしているから年間の走行距離は毎年約2万kmのペースで積み重ねてきている。

 しかし、どんなに忙しい思いをしても、生徒が活躍してくれればすべてが消し飛んでしまう。ある野球部員が早くから県内の強豪校に進学を希望していたことがあった。それを聞いた小磯さんは一緒に強豪校の監督を訪ね、合格した暁には野球部に入部したいから憶えておいて欲しいと挨拶に行った。その生徒は無事に合格し、入部。翌年の春の選抜高校野球大会に出場できた。先輩教師のパジェロを交代で運転しながら甲子園まで応援に駆けつけた。その時の記念ボールがリビングルームに飾ってある。

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シャモニー

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 たまの休日も、外出はほとんどすべてスペースギアで出掛けている。

「この辺はクルマがないと生活できませんからね」

 地方を訪れると決まって聞かされるフレーズだ。

「この住宅地の住人相手のスーパーマーケットがここに建っていたんですけど、閉店してこのような空き地になっているんですよ。ここなら歩いて買いに来れるのに、みんなクルマでもっと大きなスーパーに出掛けちゃうから、店の中は子供とお年寄りばかりでした」

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 助手席に乗せてもらい、近くの西山荘に連れていってもらった。

「視点が高くて、遠くまで見通せるのが安心感につながりますね」

 西山荘は水戸光圀公の別邸で、現在は公園になっている。

「荷物が積みっ放しで、スミマセン」

 この4月から校長として小学校に赴任したばかりなので、移し切れていない荷物が車内にあった。

「これなんて少ない方ですよ。野球部やバスケットボール部の顧問をやっていた時には、試合の度に生徒たちの道具を運ぶのに満杯になっていましたから」

 普段の学校生活でも、粗大ゴミを清掃センターに運ぶのに使われて重宝がられていた。

 小磯さんのスペースギアは「シャモニー」というモデルで、シートのヘッドレストに専用の刺繍が入り、ボディやテールゲイトにデカールが貼られている。アイボリーとライトグレイの中間のような色調のシート生地がシャモニーの雪を表しているようだ。

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「これにみんな驚くんですよ」

 リアのスライドドアの開閉と同期して出入りするフットステップだ。スペースギアは最低地上高が高めなので、これがあると乗り降りがしやすくなる。

 スペースギアは最近珍しくなったコラムシフトを採用していた。オートマチックなので、こうして市街地を走っている限りは" D"ポジションに入れておくだけだからフロアシフトと変わりはないのかもしれないが、それでも運転席と助手席の間の空間が広々としている。床からはトランスファーの切り替えレバーが生えている。

 センターコンソールのオーディオとエアコンの操作部分や3連メーターなどの縁取っている樹脂カバーが、マーブルともカモフラージュとも断定できない独特の模様に彩られている。ドアの肘掛け部分も一緒。ボディ外側のデカールといいシートといい、そしてこの樹脂カバーといい、大勢で遠くへ出掛けて楽しむことを演出しようとしていて好感が持てる。

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気に入った一台を長く乗る

 小磯さんのスペースギアは25万kmも走ったとは思えないほどキレイで快調だ。不注意でブロック塀や柱などにブツけてボディには板金塗装を行ったことがあるが跡は残っていない。

「クルマを買うと、慌て者だから必ず一回はやっちゃうんですよ。ハハハハハハッ」

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 帰宅途中でバッテリーが上がってエンジンが掛からなくなってしまったことが一回あるだけで、他にトラブルはない。

「丈夫でよく走って、とても満足しています」

 エンジンオイルを、必ず3000kmから5000kmの間隔で一回交換するようにしている。

「長く乗るにはしっかりとしたメインテナンスが大切だから、赤津君に任せて車検を行っている」

 ただし、オイル交換はガソリンスタンドで行っている。教え子が働いているからだ。

「さっきも言いましたけれども、僕はクルマに詳しくはないし、特別に三菱のクルマが好きというわけでもありません。スペースギアの機能性に満足していて、赤津君が良くやってくれているから乗り続けているんです」

 クルマの機能が用途に合っていて、セールスマンが優秀ならば買い替える理由も見付からないだろう。

「でも、僕はクルマは気に入った一台を長く乗り続けたいので、次に買う時には定年退職を迎えることを考えなければなりませんね」

 引退したら、たくさんの荷物を運ぶことも、長距離の通勤を行うこともなくなるだろう。

「引退したら妻とクルマで旅行に行きたいですね。遠くにも行きたいから、長距離を走っても疲れないクルマがいい」

 新しい学校に赴任したばかりなので引退のことはまだ考えにくいだろう。ここでも広い車内と走破性の高さを期待されて、スペースギアはまた活躍することになるに違いない。

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