2019.07.22
埼玉県
6年間に起こったこと
佐々木英明さんと
三菱アウトランダーPHEV(2013年型)
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※お客様より了承を頂戴し、ナンバープレートを隠さず掲載させて頂いております。
ふたつの知らせ
6年前にお邪魔した佐々木英明さんから長めのメッセージをもらった。
内容は、ふたつ書かれていた。ひとつは、僕が訪れた後に納車された三菱アウトランダーPHEVが快調に走り続けて9万9700kmに達していて、もうじき10万kmを迎えるということ。
佐々木さんはその前には三菱グランディスに新車から9年14万8000km乗っていて、その後にアウトランダーPHEVに乗り換える予定だとその時に聞いていた。当時の担当の関東三菱自動車販売株式会社(現:東日本三菱自動車販売株式会社)熊谷店の山本店長から送られてきた納車の際に家族と一緒に撮った画像が、記事の一番最後に掲載されている。
もうひとつは、そこに写っている娘さんが明日結婚式を挙げるというおめでたい連絡だった。
グランディスの記事にも書いた通り、娘さんは運転免許も持っていて、家族との城巡りドライブ旅行には好んで出掛けるのに、自分でクルマを運転したがらないことを佐々木さんはちょっぴり嘆いていたのである。
その娘さんが大変身して、自分で赤い三菱ミラージュを購入し、どこへでも運転して出掛けるようになった。それだけでなく、ミラージュを購入した三菱自動車のディーラーに転職し、結婚相手というのが職場の同僚だというのだ。ビックリである。
「6年前にカネコさんに取材に来てもらった時には、あれほど運転を拒んでいた娘がクルマを運転するようになり、こんな縁にまで恵まれました」
メッセージの文面からは佐々木さんの喜びが溢れていた。娘の成長を喜ぶ父親としての他に、自分でクルマを運転して出掛ける喜びを共有できたこともそこからは伺えた。
何回も読み直し、僕も我がことのようにうれしくなり、おめでとうございますと返信し、式の様子を伝えるSNSへの投稿に“超いいね!”した。その数日後、今度はゼロが5つ並んだ10万kmの画像が送られてきた。
無性に佐々木さんに会いたくなり、さっそく時間を作ってもらい、行ってきた。
カーポート崩落
前回の訪問を思い出しながらご自宅に辿り着くと、ちょっと様子が違う。アウトランダーPHEVと妻・香織さんの三菱eKスペースが駐まっているから間違いはないのだが……。
「2014年2月の大雪で、カーポートの屋根が崩れたのですよ」
たしかに、以前の記事に掲載されている画像に写っている屋根とは形状が違う。
再会の挨拶もそこそこに、その時に佐々木さんが撮った写真を見せてもらった。カーポートの柱と屋根が、雪の重さで激しく折れ曲っている。家の前の道路には、1メートル以上の雪が積もっている。妻の香織さんがちょうど玄関にいて、運悪くカーポートと雪の直撃を受け、気絶してしまったというからタダごとではなかった。
「豪雪地域用のカーポートではないから、簡単に壊れちゃったんです。ご近所も軒並み壊れました。それほど、あの大雪はスゴかったんです。自然災害には逆らえませんね」
都内の交通も麻痺したのを僕も良く憶えている。
折れて倒れてきたカーポートに直撃されたアウトランダーPHEVは、屋根やフェンダー、バンパーなどが凹んだ。2月に被災して、板金と塗装が完了したのは9月に入ってからだった。
「もっと深刻な被害のクルマの方がとても多かったからです」
改めて大雪の脅威というものを教えられた。
バッテリーについて
佐々木さんは、納車前からアウトランダーPHEVの独創的なプラグインハイブリッドシステムにとても興味津々だったが、危惧していたこともあった。
「バッテリーがどれぐらい劣化するものなのか見当が付かないので心配していました」
新車からしばらくは、片道21kmの通勤路を1往復半できていた。最近はそれが1往復になってきたので、この4月にディーラーで容量測定を行なった。結果は、71%の容量が認められ、そのバッテリーを継続して使用することになった。
「もっと劣化が早く進むのではと考えていましたから、良かったです」
購入して数か月後に、全車リコールによって佐々木さんのクルマもバッテリーを交換することになった。
「すべてのクルマを岡崎工場に送ってバッテリーを交換し、作動点検などを厳格に行うと言われ、2か月も預けましたよ」
すべての期間の代車とガソリン代まで支給されるという大規模なものだった。
「その代車のミニバンで、家族であちこち旅行させてもらったので、山本店長から“ガソリン代が一番掛かったのは佐々木さんでしたよ”と呆れられちゃって。ハハハハハハッ」
故障やトラブルは一切ない。“ハーティメインテナンスプラン”に加入しているので、消耗品もその範囲で賄えていてイレギュラーな出費もない。アウトランダーPHEVにとって、10万kmなど訳も無いのだった。毎日の通勤の他、休日には遠くまで釣りに出掛けるから距離は伸び気味だ。
「早朝に仲間を迎えに行く時などに、セーブモードを活用していますよ」
セーブモードを選ぶと、エンジンを起動させることなく電気だけで走る。ほぼ無音になるので、早朝の静寂を破らないで済むのだ。
反対に、唯一の不満を感じているのはリアシート背もたれのリクライニング角度の浅さだ。
「釣りに出掛けて車内で仮眠を取る際に、背もたれがもっと倒れてくれれば良く眠れるのですが」
一人の場合は、身体を“くの字”型に曲げ、上半身をリアシート座面に横たえ、曲げた下半身を倒した助手席の背もたれとそれにつながる座面に乗せて仮眠を取っている。
「走り出しの滑らかさと力強さは、このクルマの一番良いところで気に入っています」
香織さんも、同じ感想だ。
「エンジン車のシフトチェンジの時の“息継ぎ”のようなものがないのはいいですね」
次も電動車を
エネルギー代金も節約できている。グランディスの時は毎月1万円以上ガソリン代に費やしていたが、今はガソリンスタンドに行かない月もあるほどだという。帰宅して充電プラグをつなぎ、翌朝は満充電で出掛けるという使い方をしている。
アウトランダーPHEVのディスプレイモニター画面を切り替えると、電気をどのくらい使用したか表示させることができる。それによると、金額に換算して毎月3000円から4000円の電気使用量と出ているから、大幅な節約となっている。
「このクルマにはまだまだ乗り続けますが、次に乗り換える時にはエンジンだけで走るクルマは選ばないでしょうね。このクルマのようなPHEVやEVを選ぶでしょう」
それだけ電動車の魅力と実力を享受できているからだ。
また、アウトランダーPHEVよりもボディが大きなクルマに乗ることもないだろうとも考えていた。
「子供たちが独立して私たち二人になりましたから、エクリプス クロスぐらいがちょうどいいんじゃないかと思っていました」
夫婦ふたりに戻って、コンパクトなクルマに乗り換える人たちのことを世間では“ダウンサイザー”と呼び、そうした人たちは増えていると僕も聞いたことがある。
「孫を乗せるから、三菱インドネシアで造っている“エクスパンダー”のような7人乗りがいいですね。ハハハハハハッ」
デリカD:5だと大き過ぎて持て余しそうなのだという。
「私たちも、そうでしたから。娘が生まれた時に父がデリカ・スターワゴンを買ったんですよ」
佐々木家では2世代に渡って、孫を乗せるために7人乗りに買い換えることになるのかもしれない。実現したら面白い。
ここまで読んでくれた人には、なぜそこまで佐々木さんは三菱のクルマに執着しているのかわからないかもしれない。自分や妻が乗ってきたクルマ自体を気に入っていたこともあるが、担当してくれた山本店長の親身な働きぶりも高く評価しているように見える。佐々木さんも、それは否定しない。
赤のミラージュを定期点検に持ってきた娘さんから会社を辞めて次を探していると聞けば「ウチで働いてみないか?」と声を掛けてくれたことが結婚までつながった。だから、式の主賓の挨拶は彼に頼んだほどだ。
「クルマが縁で新しい家族までできました」
山本店長らしい面倒見の良さが導いてくれた。何がどうなるのか本当にわからないものだ。
「6年の間には、実にいろいろなことがありました」
ふたりとも感慨深げだ。
夫妻のクルマが代わり、大雪に見舞われ、子供たちが独立し、娘は結婚した。クルマが家族の幸せを運び、それがこれからも変わらないことを願うばかりだ。また、佐々木さんからメッセージをもらえるかもしれない。