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2019.11.20

茨城県

家族のため、仲間のため、自分のため、

谷中理矩さんと三菱デリカ・スペースギア (1998年型)

06YEARS

0146,000KM

※お客様より了承を頂戴し、ナンバープレートを隠さず掲載させて頂いております。

スキー30セット

国立大学の大学院で体育学を専攻している谷中理矩さん(26歳)は、自身の三菱デリカ・スペースギアをちょうど乗り換えようとしていた。
ディーゼルエンジンを搭載したロングボディの「スーパーエクシード」という、グレードまで一緒のデリカ・スペースギアをインターネットの中古車サイトで探し出し、北海道の中古車業者から購入した。
今までのデリカ・スペースギアに装着していたルーフキャリアやトレイラーヒッチなどを移し替えしだい手放してしまうので、その前に取材に来ませんかというEメールをもらったのが知り合うキッカケだった。

ガレージを訪れると、黒と青のデリカ・スペースギアが駐まっていた。ご覧の通り、黒はあちこちに塗装の剥げやサビなどが目立っている。傷や凹みなどもたくさんある。
6年14万6000kmという、ややハイペースな距離の重ね方よりも、乗り方と使い方に傷や凹みが由来している。
大学院での課題や研究などのために野外教室やスキーキャンプ用のたくさんのもの(例えば、ジュニア用スキー30セット!)をフィールドへ運ぶことが増えたためだ。道なき道を走らなければならないこともあり、岩や石、草に隠れていたテトラポッドなどにサスペンションのロワアームを激しくブツケたこともある。
今まで、あちこち直し直し乗り続けてきた。サスペンションだけでなく、ブレーキの不調に多大な修理を施さなければならないことが判明し、サビの進行も深刻だ。いろいろ考え合わせて、買い換えることにした。
野外活動やスポーツなどを通じて豊かな暮らしを送るためのさまざまなことを研究したり、学業には含まれなくても仲間たちの活動を手伝ったり、あるいは自分の楽しみのためだったり、とにかくあちこちの自然の中に出掛けて行っている活動的な青年だ。
だから、デリカ・スペースギアはそのために無くてはならない文字通りのギア(装備、道具)なのである。

手放す間際だということもあるけれども、“黒”の車内を見せてもらうと失礼ながらお世辞にもキレイとは言えない。泥まみれの靴やずぶ濡れのまま運転するようなことを繰り返してきたから染みや汚れはあちこちに付いている。空き缶や食べ物の包装紙が散らかっているのも、時には過酷にならざるを得ない行程を物語っている。
昨晩まで、どこかの山奥で2、3日ソロキャンプをしてきたようなリアリティが漂っている。趣味や遊びだけだったら、こうはならないはずだ。子供たちや学部生たちのリーダーとして、今はデリカ・スペースギアを使うことが多い。

側転して、水没

「走行距離がハイペースで伸びたのが、学部の2年生から4年生の頃でした。2年半で7万キロ走りました」

スキーや国内のあちこちを旅するために、どこにでもデリカ・スペースギアで出掛けていたら、距離が伸びた。スキーには子供の頃から親しんでいて、高校生の頃にはインターハイのアルペンスキー部門に出場するほど打ち込んでいた。その情熱がずっと続いている。

「両親には、僕が小さな頃から自然の中に連れて行ってもらっていました」

海や山に出掛け、キャンプやスキーなどを楽しむ家族だった。そのために乗っていた大型SUVをデリカ・スペースギアに乗り換えたのが、今から20年ほど前のことだ。谷中さんが5歳の時だった。
4輪駆動の走破性の高さとロングボディの空間の広さ、ディーゼルエンジンの省燃費などから、父親が買い替えを決めた。ロングボディを希望したのは母親だった。それが谷中家にとって最初のデリカ・スペースギアとなった。
それが“黒”なのではない。“黒”は3台目のデリカ・スペースギア なのだというから驚いてしまう。ということは、“青”は4台目。同じクルマを4台も乗り継ぐ人に会うなんて!
3台目である“黒”にいたる経緯が面白い。

「1台目は僕が水没させてしまいました」

大学1年生で19歳の時、石や岩だらけの河原で谷中さんは愛犬とデリカ・スペースギアを走らせていた。

「草むらの向こうがガケだったのに気付かなくて、側転しながら川に落ちてしまったんですよ」

ゴロゴロッと回転しながら着水した。幸い、谷中さんに怪我なく、自力で脱出できた。デリカ・スペースギアは、電話で呼んだレッカーサービスのクレーンで吊り上げてもらい修理工場に入庫したが、廃車せざるを得なかった。

「みんなで帰宅しましたが、その晩はお通夜みたいな雰囲気でした」

家族の誰もが気に入って20年近く乗り続けてたのに、思わぬ災難で手放さざるを得なくなってしまった。

やっぱり、ロングのディーゼル

翌8月、気を取り直した一家は新たなデリカ・スペースギアを迎え入れた。今度は、ショートボディにガソリンエンジンを載せた白い「シャモニー」だった。

「その2台目も、1年後に廃車したんですよ」

谷中さんが幹線道路を運転中に側道から飛び出してきたコンパクトカーに真横から衝突されたのだ。

「他のクルマの流れに従ってまっすぐ走っていたところを、いきなり真横からブツケられたので、その瞬間は何が起きたのかわかりませんでした」

道路脇のタイヤショップに突っ込んで止まった。幸い、誰にも怪我はなかった。

「2回とも、身体は大丈夫でした」

そう微笑む谷中さんだが、ラッキー以外のなにものでもないだろう。

「家族で、“やっぱり、ロングのディーゼルが良いね”ということになり、この3台目を探して買ったのです」

2台目はガソリンエンジンを搭載していたので静かで良かったが、燃料代が嵩んだ。

「白神山地を往復しましたが、燃費は5~6km/リッターでした」

また、理解しているつもりだったが、ショートボディの積載量では足りなかった。テントやシュラフなどのキャンプ道具、マウンテンバイクなどを積み込むこともあるので、再びディーゼルのロングボディを選んだ。

「僕にとって、唯一無二のクルマです。他のクルマは考えたことがありません。だから、4台目を買ったのです」

谷中さんの過酷な使い方にもデリカ・スペースギア(のディーゼル・ロングボディ)は不足なく応えてくれているが、強いて改善を希望するとすると、70リッターという燃料タンクの容量だという。

「できれば、120リッターは欲しいところです。平均燃費が8km/リッターですから、600kmを走れません。一気に走り切れないと、気持ちが萎えてしまいますからね」

その気持ちは良くわかる。途中で休憩を取る際に一緒に給油すればよいのではないか?と言われても、早朝や深夜などではそうできないこともあるし、やはり日常空間から一気に自然の中に移動していく感覚には得難いものがある。

「燃費はエンジン回転2000回転前後で80km/hで走らせている時が最も良くて9km/リッター走ったことがあります」

100km/hに上げると、2500回転近く回ってしまい、燃費が落ちてしまう。

Vanライフを送りたい

4台目も、これまでと変わらない乗り方をしていくつもりだ。大型や牽引などの運転免許も取得してあるので、トレーラーをつなげればより多くのものを運ぶことができる。そして、谷中さんは4台目で“生活”しようと考えている。

「家を持たずにクルマで生活することを“Vanライフ”と呼んで、アメリカでは実践している人がたくさんいます」

僕も聞いたことがある。シャワーはジムなどで浴び、モバイルWi-Fiルーターを使えばどこでもインターネットに接続できる。

「実は、Vanライフのようなことは大学の研究生だった頃に実践していたのです。学内の駐車場に駐め、学生無料のシャワーを浴びてクルマで生活していました」

いずれにしても、谷中さんと4台目の暮らしが始まっていく。4台目はそれに応えることができるだろうか。5台目に乗り換えるようなことになったら、また会いに来たい。

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