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2023.05.24

栃木県

ピンク色は大好きな“あの映画から”

丸山直樹さん、奈津子さんと三菱ミニカトッポQt(1993年型)

014YEARS

087,000KM

※お客様より了承を頂戴し、ナンバープレートを隠さず掲載させて頂いております。

宮崎アニメは全作品観ている

栃木県在住の丸山直樹さんと奈津子さんご夫妻は二人で3台の三菱のクルマに乗っている。直樹さんが仕事に使うコルトプラス・ラリーアート、1991年に購入して30年以上乗っているエクリプスGSR-4、そして、奈津子さんが主に使っているミニカトッポ。

ミニカトッポは遠くからでもよくわかる。ボディカラーがピンク色だからだ。元のグリーンメタリックから塗り替えた。それも、直樹さんが缶スプレー10数本を吹き付けて塗り替えたと聞いて驚いた。

塗り替えのキッカケは、Qtの前に乗っていたミニカトッポQ2-4だった。ネイビーのボディとルーフだったQ2-4の車内が、夏は暑くて参っていたのだ。日光を浴びると熱を帯び始め、それが車内にこもってしまう。

「Q2-4の天井に触っただけでルーフがスゴく熱くなっているのが伝わってきました」

エアコンを最強にしても暑さに追い付くことがなかった。

「背が高く、窓ガラスの面積も広いので、その分の強力なエアコンが必要だったのでしょう」

ルーフを白く塗り替えてみたら、車内の温度が下がったことを実感できた。

Q2-4での経験があったので、Qtは淡い色に塗り替えることは前の持ち主から入手した時から考えていた。QtのルーフはQ2-4と違って、電動開閉式のキャンバストップだ。これが黒いキャンバス製で、穴が開いていたりもしていたから、張り替える際にこちらも淡い色の布を用いる予定でいた。

テント用の白い生地を買ってきて裁断し、電動開閉メカに合わせて縫い合わせた。と、言葉で書くと簡単だが、閉めた時の張り具合や開ける時の畳み方など、複合的な動きが必要とされるから難しいはずだ。器用なのは、直樹さんが電気設備関連の仕事に従事しているからなのだろう。

ボディをピンクに塗ることにしたのは、宮崎駿が監督したスタジオジブリのアニメーション映画『崖の上のポニョ』で登場人物リサの乗っているクルマがピンク色だったからだった。

「ミニカトッポそのものではなく、“リサ・カー”がピンクだったんですね」

宮崎アニメは大ファンで、すべての作品を観ている。

「嵐の中、リサカーが急いで帰ろうとするシーンの疾走感、動きの小気味よさが印象に残っています。リサのドライビングテクニックに観入ってしまいました」

一般に入手できる自動車用塗料にピンクがなかったので、2009年に汎用の屋外用ラッカースプレーを10数本使って塗り直した。
「“1分の1のプラモデル”を塗っているような感覚でした」

しかし、紫外線に弱く、3年で色が抜けてしまい、白っぽくなってしまった。そこで、今度は知り合いの板金店で設備を借りて、自分たちで改めてピンクに塗った。それが2012年のことだったから、もう10年以上経っても劣化が目立たないのは、プロ用機材と塗料を使ったからだろう。

その前の2011年のMMF(Mitsubishi Motors Fan Owner’s Meeting)で、丸山さんたちは偶然にも三菱自動車のデザイナーからミニカトッポのコンセプトカーのアイデアスケッチのコピーをもらったことがあった。

「ボディがピンクでキャンバストップであるところはウチのクルマと一緒なのですが、アイデアスケッチは4ドアとして描かれているんです。デザイナーさんも偶然の一致に驚かれていたようです」

丸山夫妻はMMFにはミニカトッポでは4回参加している。2013年に三菱自動車工業・岡崎工場で行われたMMFには、二人でエクリプスGSR-4とミニカトッポをそれぞれが1台ずつ運転し、2台で出掛けたほどの熱の入れようだった。往復約900kmもの行程だ。

乗り降りのしやすさは大きな長所

ピンクのボディカラーだけでなく、丸山さんのミニカトッポQtには自分たちで施したモディファイがいくつもある。

ドア内張りを白いものに貼り替えたのは、表面が劣化してきたためだ。

「軽石のように、ポロポロと削れてくるようになりました。削り取って、DIY店で買ってきた白いビニール生地を貼りました」

ボディの左側リヤ部分をブツケた痕も、自分で板金塗装して直した。

インパネやメーターフード本体、左右ドアのアームレストやスピーカーケースなどは、きれいなダークブラウン色に塗り直されていて、オリジナルのように見える。ダッシュボードの下半分からエンジンルーム側のカバーなども取り払われ、配線などが剥き出しになっている。

「足元が広くなって良いんです」

シフトレバーのロックボタンに被されていたカバーや、助手席ドアの開閉レバーのカバーも無い。機能的には問題ないので、この状態で乗っている。

「今後、取り付ける予定です」

リヤワイパーも新しいものを取り付ける予定だ。全体的に手造り感覚に溢れている。付いているべきものが付いていない姿に最初は戸惑ってしまったけれども、奈津子さんも直樹さんも毎日、問題なく使えていると聞いて頷いた。

つねに次のモディファイを考えて準備している姿勢にも共感したくなった。

「ええ。オリジナル状態を保とうとすることよりも、使いやすく、乗りやすくすることを考えて手を加えています」

とは言ってもオリジナルの状態へのリスペクトは忘れず、最近、フリマサイトで当時のカタログ4冊セットを購入したところだ。

今年の夏を過ごしやすくするために、新たに断熱ガラスやフィルムなどを用いることも検討している。現代のテクノロジーが反映された技術や素材を使って、ミニカトッポQtを便利で使いやすいものに仕上げていこうとしている。直樹さんの妻思いの優しさが現れている。

「3度目の全塗装も視野に入れています」

さらに、ボディをもう一度塗り直すことも考えているというのだから、その情熱には感心させられてしまう。

Qtを長く乗り続けている理由に、乗りやすさや性能の高さなどを挙げている。

「背は高いのですが、シートの座面は高くなく、乗り降りしやすくて助かります」

乗降性の向上と車室内スペース拡大の両立はミニカトッポの開発コンセプトにもなっていた。ベースとなったミニカの長所を活用しながら、大きなキャビンを設けて空間を拡大する。それによって荷物積載量が増え、居住空間も拡大する。

「友人に怪我をした母親の送迎用として貸したことがありましたが、そのお母さんから“屈まずに乗ったり降りたりできるから、とても楽だった。いいクルマね。ウチにも欲しいわ”と喜んでもらったことがあります」

直樹さんの母親にも、送り迎えしたら喜ばれたことがある。

「乗せたことがない頃は、“こんな古いクルマは買い替えなさい。資金は出すから”と毛嫌いしていたのですが、乗せたら気に入っていました」

2台のロードバイクを載せてサイクルイベントへ

動力性能の良さも丸山夫妻が気に入っている点だ。

「5バルブのターボエンジンの吹き上がりが良くて、高速道路を長距離走っても負担が少なく感じます」

エンジンの吸排気バルブ機構に1気筒当たり5本のバルブを用いる高度なメカニズムが採用されている。Q2-4のエンジンは自然吸気だったが、Qtはターボ過給されているのでパワーとトルクが増えていて、運転しやすさにつながっている。燃費も12~13km/リットルで、時には13km/リットルを上回ることもある。

これまでに出先から戻れなくなってしまうようなシリアスなトラブルには見舞われていない。ベルトが緩みがちになることから充電量が足らなくなっているのでは、と再生品のオルタネーターを三菱自動車ディーラーで交換したことがある。

車検はユーザー車検を行なって、奈津子さんが検査場に持ち込んだ。
「街中でも運転しやすい。視界が良くて、取り回しやすいですね」

Qtは平日の買い物や送迎などだけでなく、休日には2台のロードバイクを載せて夫妻で自転車のイベントに参加するために使われていたりもしている。

「とても重宝しているので、乗り続けます」

と同時に、他のエクリプスGSR-4やコルトプラス・ラリーアートにも乗り続けていく。

「3台は丈夫な上に、整備しやすい」

直樹さんは自分でできる整備は自分で行っている。ガレージには溶接機やコンプレッサーなども備わっていて、一般的なドライバーよりも守備範囲はとても広い。しかし、プロに任せるべきところは躊躇せずに任せてしまう。

「クルマだけでなく、自転車やパソコンなどでもそうしています」

丸山さん夫妻は、自分たちのミニカトッポQtやエクリプスGSR-4 、コルトプラス・ラリーアートなどを十二分に乗りこなしていた。整備やモディファイなどは場所や設備などから誰もが真似できるわけではないけれども、コンディションを把握し、直しながら乗り続けていくスタイルには示唆に富むものがあった。

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