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2026.01.18

新潟県

父子2代で獲物を追いかけて

池原情さんと三菱パジェロ(1996年型)

010YEARS

0160,000KM

※お客様より了承を頂戴し、ナンバープレートを隠さず掲載させて頂いております。

3台のパジェロ

狩猟免許と銃砲所持許可を取得した友人から、彼が山で仕留めた鹿と猪の肉をもらって食べた時の美味しさが忘れられない。
鹿肉も猪肉もレストランや料理屋で食べたことはあった。でも、友人がくれたものは違っていた。新鮮で柔らかく、癖がないのに噛めば噛むほど、鹿と猪それぞれの味が広がっていった。途中に誰の手も介することなく、友人によって自然の恵みをダイレクトにいただけたからなのだろう。
新潟県で三菱パジェロに10年16万km乗り続けている会社員の池原 情さんもハンターだと聞いて、身を乗り出してしまった。パジェロに乗り始めたキッカケも、狩猟だったからだ。パジェロは、義父の野瀬広道さんから10年前に譲り受けたものだ。
「パジェロのことでしたら、ぜひ、義父と一緒に話を聞いてください」
家族のみなさんが揃うタイミングを見計らって、埼玉のお義父さんのお宅に伺った。この地で代々続いている農家だ。米の他に、トマトやナス、キュウリをはじめとしたさまざまな野菜を作っている。
農作物を袋詰めしたり、農機具を納めておくお義父さんの作業場にお邪魔すると、壁や机の上には鹿やキジ、ヤマドリなどの剥製がいくつも飾られていた。近寄ってみると、圧倒的な迫力があって、強い生命力が感じられてくる。
「猟の仲間のパジェロに乗せてもらっていて、良さを知っていたので自分でも買いました」

今では一緒に猟に行く仲間たちがいなくなってしまい、お義父さんは狩猟免許を返納した。運転免許は保有していて、もっぱら軽自動車や軽トラックなどに乗っている。
「パジェロはクッションが良いからね」
パジェロとのさまざまな思い出を話してくれるお義父さんの微笑み混じりの表情が、とても満足しているように伺えた。
お義父さんにとってこれは2台目のパジェロで、その後に3台目も購入されている。

お義父さんがパジェロを購入したのは狩猟のためだった。遠く北海道や東北などへ、仲間たちと猟犬を乗せて向かうための移動手段だ。山の中で猟を行う場合、早目にパジェロを停めて仲間たちと猟犬だけで獲物を追う時もあれば、山の奥深くまで道なき道を走っていくこともある。
どちらの場合も、パジェロの高い悪路走破力が発揮される。岩が剥き出しで凸凹で、泥がぬかるんでいるようなところを進まなければならないような場合は、副変速機で4輪駆動とローレンジモードを選択して走っていく。でも、獲物は待ってくれないわけだから、可能な限り悪路を速く走らなければならない。

最後はパジェロをどこかに停め、銃を取り出し、歩いたり走ったりして獲物を追い詰める。アドレナリンが沸き立つ瞬間なのだろう。想像するだけだが、その時の感情と意識というのは、太古の人間たちが弓矢や槍で獲物の動物と対峙する時のものと変わらないのではないか。
お義父さんがパジェロに求めたのは、そうした悪路走破力だけではない。埼玉から東北や北海道各地まで安全かつ快適に走れる長距離航続のための走行性能と猟犬のケージや猟銃、それぞれの荷物と仕留めた獲物を運んでくる積載力も必須になってくる。それらを満たせたのがパジェロだったというわけだ。だから、3台も乗り継いだのだ。
池原さんもパジェロを引き継いでから免許と許可を取得して狩猟を始めた。その5年前から、お義父さんと仲間たちの猟には同行していた。若い頃から自然に親しんでいて、アウトドアスポーツや渓流釣りなどを楽しんでいたから、狩猟には興味と関心は抱いてきていた。お義父さんの狩猟に一緒に連れていってもらうようになるのは自然なことだった。
「ふだんは離れて暮らしていますから、狩猟を教えてもらうことで義父との距離を縮められたらいいなとも願っていました」
家族思いの人なのである。
「初めの頃は、山で銃を担いで獲物を追い掛ける義父に付いていけませんでした。僕は銃も担いでいないのに、ヘトヘトになっていましたよ。山の中で獲物を追い掛け回すのが、とても肉体的にハードなことだということを思い知らされました」
門外漢の僕らは、狩猟と聞くと銃を構えてスコープを覗いて引き金を引くところしか思い浮かべられない。しかし、実際は銃を担いで自分の足で山や谷や渓谷などで動物の後を追ったり、先回りしたりしなければならない。過酷に肉体を酷使するスポーツの側面も持っているのだ。肉体だけでない。木々や草が生い茂る足元の不確かな斜面を登ったり降りたりしながら、同時に獲物の行方を眼と耳でつねに捕捉し続ける。神経も張り詰めっ放しになる。

山で180度反転

パジェロは名義変更してお義父さんから正式に池原さんに譲渡される前も、数年間はさまざまな用事のたびに、親子の間で貸し借りされていた。それまで池原さんはコンパクトサイズのワゴンに乗っていて、本格的な4輪駆動のクルマに乗り換えることを考えていた。
「パジェロイオやこの次の型のパジェロも検討していました」
しかし、最終的には勝手知っているお義父さんのパジェロに落ち着いた。名義変更した翌年からは、今度は池原さんは自分と自分の仲間たちと狩猟に行くようになった。
パジェロは通勤や日常的な用事、そして狩猟をはじめとするアウトドアアクティビティのために大活躍している。
とは言っても、1996年型だから30年前のクルマである。走行距離だってメーターは32万kmを示している。乗られ方もハードな局面が多かった。

狩猟に向かう途中で、山で横転したこともある。細い山道で目測を誤り、崖側に脱輪してしまった。崖側には草木が茂っていたので、瞬時には落下することはなく、池原さんたちも降りることができているから、スマートフォンで撮影する余裕があったのだ。
「パジェロの重さで少しずつ傾いていき、ボディの裏側が見えるようになるまで10分以上は掛かりましたよ」
その時の様子を撮った画像を2枚見せてもらったら、脱輪して斜めになっている1枚目と完全に“腹”を見せてパジェロのサスペンションやマフラーなどが丸出しになっている2枚目にはっきりと写っていた。本当に横倒しになっている。横転は90度傾くことだが、180度傾いているから反転だ。

幸いに、他のクルマやモノなどにぶつかったりせず、池原さんたちも無事で済んだ。その時の傷跡と凹みがボディに生々しく残されていて、驚かされるばかりだ。
「岩手の林道から沢に入ったガレ場で、パンクしたこともありますよ」
凹凸の激しいガレ場でジャッキアップするのはさぞや大変だっただろうけれども、3人の仲間がいたのでタイヤ交換できた。
「交換作業よりも、スペアタイヤのエアが十分に入っているかどうかの方が気掛かりでした」

パーツ確保は困っていない

30年間のハードな使い途を考えるとボディはきれいに保たれている。二人の手入れの良さが伺える。だが、運転席と助手席のステップだけに細かな擦り傷がたくさん付いて目立っている。
「義父が狩猟の時に履いていた靴のソールに打たれたスパイクが擦った跡です」
ここにもお義父さんの狩猟の情景が浮かんでくる。

それに対して車内では、いくつか経年変化が認められる。最初に眼に入って来るのがシートだ。運転席の座面も背もたれも生地の縫い目がほころびて、中のクッション材が見えてきている。生地の擦り切れも小さくないから、このまま縫い合わせることは難しいだろう。助手席との間のアームレストも同じ状態だ。
ステアリングホイールは、左右の手で握っている部分から表面の革がめくれてきている。
「ここもあそこも割れてしまいました」
ダッシュボード左右と中央のエアコンの吹き出し口のプラスチック製のルーバーが割れて空気の向きを調整できなくなってしまっている。
MULTI COMMUNICATION SYSTEMと名付けられた標準装備のカーナビは画面も画素数も小さいが作動していた。

テールゲートを開けると現れる3列目シートは背もたれを前に倒して折り畳み、左右それぞれを側方に引き上げ、ベルトをボディ側のフックに掛けて固定する方法だ。

ボンネットを開けて見せてもらうと、2.8リッターディーゼルターボエンジンが収まっている。この頃のエンジンルームは最近のクルマのようにエンジンがカバーされておらず、隙間からは地面も見えている。
エンジンオイルが漏れたり、ラジエーターから冷却水が漏れたりしたこともあった。ブレーキキャリパーが固着してしまったこともあった。最近では、マフラーが落ちてしまった。自分で手当することもあるが、いつも三菱自動車のディーラーに整備を依頼している。
「30年前のクルマですけれども、パーツの確保で困ったこともありません」
燃費は街中で約7km/L、高速道路で約9km/L。

デリカD:5などの最新のクルマにも興味があるのでディーラーで試乗もしている。3回目の参加となった2025年の三菱スターキャンプで乗ったデリカミニの多機能ぶりと高性能にも驚かされた。
「新しいクルマに乗ると、時代の移り変わりの速さが良くわかります。でも、林道でガンガン走れて頼りになるし、アクセルペダルを踏んだ時の加速感やエンジン音などダイレクト感や一体感も好きです。このクルマでなければたどり着けないようなところに、これからも乗っていきたいですね」
不便なところを強いて挙げてもらうと、寒い時期にキーをひねってオンにしてエンジン始動させるのに5秒から10秒待たなければならないところぐらいだという。
「仮に義父がパジェロに乗っていなかったとしても、どこかで私はパジェロを手に入れて乗っていたでしょう」
池原さんのパジェロへの信頼感の大きさを感じると同時に、引き継いだお義父さんへの感謝の想いが込められているのが伝わってきた。

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