ミニキャブ ステアリングホイールの点検要領

車室内を直接水洗いされるような使い方をされますと、ステアリングシャフト下部のゴムカバー内に泥水が浸入することがあり、泥水が浸入するとギヤボックスに錆が発生し、ステアリングホイールの遊びやガタが大きくなることがあります。そのままの状態で継続使用をされますとハンドル操作が重くなることやハンドルの戻り不良が発生することがありますので、定期点検整備や車検整備時にも注意が必要です。
つきましては、ステアリングホイールの定期点検・車検整備作業時の注意事項をまとめましたのでお知らせします。

対象型式

U60系

ステアリングホイール点検整備作業時の注意事項

  1. 事前準備
    • パワーステアリング装着車は、エンジンをかけた状態(油圧作動状態)にする。
    • フロントホイールを直進状態にする。
  2. ステアリングホイールを軽く左右回転方向に動かした時、タイヤが動き始めるまでのステアリングホイール円周上の遊びを測定する。
    【限度値】 30mm以下
  3. ステアリングホイールの遊びが限度値を超える時は、ステアリングシャフト連結部のがた、ステアリングリンケージのがたを点検し、不良の時は修正又は部品交換を行う。
  4. (3)項を点検後、まだ遊びが限度値より大きい場合は、以下の作業を行う。

<マニュアルステアリング装着車>
ステアリングギヤ&リンケージを車両から取り外し、ピニオン総合回転トルクの点検及び調整を行う。
【標準値】0.3~1.3Nm(3~13kgfcm)、トルク変動0.3Nm(3kgfcm)以下
標準値に調整できない場合は分解し、各部品の点検及び交換を行う。

<パワーステアリング装着車>
エンジンを停止し、ステアリングホイールを直進状態にして、ステアリングホイール円周方向に約5N(0.5kgf)の力を加える。この時、ステアリングホイール円周上の遊びが標準値にあるか測定する。
【標準値:0~10mm】
標準値を外れる時は、ステアリングギヤ&リンケージを車両から取り外し、ピニオン総合回転トルクの点検及び調整を行う。
【標準値】0.5~1.2Nm(5~12kgfcm)、トルク変動0.4Nm(4kgfcm)以下
標準値に調整できない場合は分解し、各部品の点検及び交換を行う。

ハンドル遊びの点検要領

ピニオン総合回転トルクの点検要領