ステアリングコラムシャフト衝撃吸収機構点検要領及び
衝撃吸収機構付ステアリングコラム脱着要領
ステアリングコラムシャフト衝撃吸収機構の点検要領及び、衝撃吸収機構付ステアリングコラムの脱着要領について連絡します。
対象型式
ステアリングコラムシャフト衝撃吸収機構装着車全車(締付けトルク一覧表を参照)
ステアリングコラムシャフト衝撃吸収機構の点検

車両が衝突した場合やステアリングホイールに強い衝撃を加えた場合、ステアリングコラムシャフトに外観の損傷がなくても衝撃吸収機構は作動済みとなっている場合がある。
下記手順でステアリングコラムシャフトの点検を実施し、衝撃吸収機構が作動済みの場合は、新品のステアリングコラムシャフトASSYに交換する。
チルトレバーがロックの状態でステアリングホイールに左右方向のガタがある場合は、作動済みの可能性が高いので必ず点検すること。
[注意]
- 衝撃吸収機構が作動済みの状態で使用を続けると、使用中にステアリングコラムシャフトが損傷する恐れがある。
- 取付けベースにがたがある場合は、補修を行わず、必ず新品のステアリングコラムシャフトASSYに交換する。
<点検手順>
-
(1)ロワーコラムカバー及びアッパーコラムカバーを取外す。
-
(2)チルトレバーがロック位置にあることを確認する。
[注意]
点検後、ステアリングコラムの取付けが終了するまでチルトレバーは解除しないこと。
-
(3)ステアリングコラム取付け上側ボルト(2ヶ所)を2回転緩める。
-
(4)図示のように、取付けベース(アルミ品)をつまみ上下左右に動かしたとき、左右の取付けベースのどちらか一方でも、がたがあれば新品のステアリングコラムシャフトASSYに交換する。
[備考]
- 取付けベースはコラムブラケットと樹脂ピンで固定されている。衝撃吸収機構の作動前はコラムブラケットと取付けベースは一体となっているため動かないが、作動後は樹脂が破断するため、がたが生じる。
- ステアリングコラムシャフトASSYの脱着要領については次項を参照。
-
(5)点検後、異常がなければ規定トルクで締付ける。
[備考]
- 締付けトルクについては締付けトルク一覧表を参照。
[注意]
- 取付けベースとボデーとの間には、何も噛み込まないよう注意すること。
- 点検時、ステアリングコラムの取付けが終了するまでチルトレバーは解除しないこと。
衝撃吸収機構付ステアリングコラム脱着要領
【取り外し】
チルトレバーがロック位置にあることを確認し、ステアリングコラムの取付けボルトを取外す。
[注意]
チルトレバーは、ボデーに取付けるまでロック位置のまま作業すること。チルトレバーが解除された状態でステアリングコラムを取外す、又はボデーより取外した状態でチルトレバーを解除すると、ステアリングコラムの取付けピッチが狂い、そのままの状態で取付けると衝撃吸収機構が損傷する恐れがある。

【取付け】
<ステアリングコラム再使用時>
チルトレバーがロック位置にあることを確認し、ステアリングコラムを取付ける。ボルトの締付けは図示の順序で4ヶ所とも手で仮締めした後、図示の順序で規定トルクで締付ける。
[備考]
締付けトルクについては、締付けトルク一覧表を参照。
[注意]
ステアリングコラムの取付けが終了するまで、チルトレバーは解除しないこと。

<ステアリングコラム交換時(補用品:チルトレバー固定用バンド付)>
チルトレバーがロック位置にあることを確認し、ステアリングコラムを取付ける。ボルトの締付けは図示の順序で4ヶ所とも手で仮締めした後、図示の順序で規定トルクで締付ける。取付け作業終了後、補用品のチルトレバー固定用のバンドは取外す。
[備考]
締付けトルクについては、締付けトルク一覧表を参照。
[注意]
ステアリングコラムの取付けが終了するまで、補用品のチルトレバーは解除しないこと。

<ステアリングコラム交換時(補用品:チルトレバー固定用バンド無し)>
チルトレバーがロック位置にあることを確認し、ステアリングコラムを取付ける。ボルトの締付けは4ヶ所とも手で仮締めした後、図示の順序で規定トルクで締付ける。
[備考]
締付けトルクについては、締付けトルク一覧表を参照。
[注意]
ステアリングコラムの取付けが終了するまで、補用品のチルトレバーは解除しないこと。
車種 | 型式 | 締付けトルク |
---|---|---|
ミラージュ ランサー リベロ |
CA0系 CB0系 CC0系 CD0系 |
12±2[N・m] {1.2±0.2[kgf・m]} |
ミラージュ ランサー |
CJ0系 CK0系 CL0系 CM0系 CN0系 CP0系 |
12[N・m] {1.2[kgf・m]} |
ミラージュディンゴ | CQ0系 | 12±2[N・m] {1.2±0.2[kgf・m]} |
ディオン | CR0系 | 12±2[N・m] {1.2±0.2[kgf・m]} |
ランサーセディア ランサー ランサーセディアワゴン ランサーワゴン ランサーカーゴ |
CS0系 CT0系 |
12±2[N・m] {1.2±0.2[kgf・m]} |
エアトレック | CU0系 | 12±2[N・m] {1.2±0.2[kgf・m]} |
アウトランダー | CW0系 | 12±3[N・m] {1.2±0.3[kgf・m]} |
ギャランフォルティススポーツバック | CX0系 | 12±3[N・m] {1.2±0.3[kgf・m]} |
ギャランフォルティス | CY0系 | 12±3[N・m] {1.2±0.3[kgf・m]} |
ランサーエボリューションX | CZ0系 | 12±3[N・m] {1.2±0.3[kgf・m]} |
エクリプス スパイダー | D53A | 12±2[N・m] {1.2±0.2[kgf・m]} |
カリスマ | DA2A | 25[N・m] {2.5[kgf・m]} |
FTO | DE0系 | 12±2[N・m] {1.2±0.2[kgf・m]} |
ギャラン レグナム アスパイア |
EA0系 EC0系 |
標準ボルト :12[N・m] {1.2[kgf・m]} アースボルト :21[N・m] {2.2[kgf・m]} |
ディアマンテ ディアマンテワゴン |
F30系 F40系 |
10[N・m] {1.0[kgf・m]} |
トライトン | KB9T | 22±4[N・m] {2.2±0.4[kgf・m]} |
ミニカ トッポBJ トッポBJワイド ピスタチオ |
H40系 | 標準ボルト :12±2[N・m] {1.2±0.2[kgf・m]} アースボルト :21±4[N・m] {2.2±0.4[kgf・m]} |
パジェロミニ | H53A H58A |
12±2[N・m] {1.2±0.2[kgf・m]} |
パジェロイオ | H60系 H70系 |
標準ボルト :12±2[N・m] {1.2±0.2[kgf・m]} アースボルト :21±4[N・m] {2.2±0.4[kgf・m]} |
トッポ | H82A | 12±2[N・m] {1.2±0.2[kgf・m]} |
eKワゴン eKスポーツ eKクラッシー eKアクティブ |
H81W H82W |
12±2[N・m] {1.2±0.2[kgf・m]} |
アイ | HA1W | 12±2[N・m] {1.2±0.2[kgf・m]} |
アイMiEV | HA3W | 12±2[N・m] {1.2±0.2[kgf・m]} |
ストラーダ | K74T | 12±2[N・m] {1.2±0.2[kgf・m]} |
チャレンジャー | K90系 | 12±2[N・m] {1.2±0.2[kgf・m]} |
RVR RVR スポーツギア |
N60系 N70系 |
標準ボルト :12[N・m] {1.2[kgf・m]} アースボルト :21[N・m] {2.2[kgf・m]} |
シャリオグランディス | N80系 N90系 |
標準ボルト :12[N・m] {1.2[kgf・m]} アースボルト :21[N・m] {2.2[kgf・m]} |
グランディス | NA4W | 12±2[N・m] {1.2±0.2[kgf・m]} |
デリカ スペースギア | PA0系 PB0系 PC0系 PD0系 PE0系 PF0系 |
12±2[N・m] {1.2±0.2[kgf・m]} |
プラウディア ディグニティ |
S30系 S40系 |
標準ボルト :12±2[N・m] {1.2±0.2[kgf・m]} アースボルト :21±4[N・m] {2.2±0.4[kgf・m]} |
タウンボックス ミニキャブ タウンボックスワイド |
U60系 | 標準ボルト :12±2[N・m] {1.2±0.2[kgf・m]} アースボルト :21±4[N・m] {2.2±0.4[kgf・m]} |
パジェロ | V60系 V70系 |
22±4[N・m] {2.2±0.4[kgf・m]} |
パジェロ | V80系 V90系 |
12±2[N・m] {1.2±0.2[kgf・m]} |
〔公差の記載がない締付けトルクの公差は±10%〕