デリカディーゼルエンジン(DPF付車)のオイルメンテナンスについてのお願い

今般、デリカ(2010年生産終了)のディーゼルエンジン搭載車(DPF付車)において、エンジンオイル量過多によりブローバイ配管を経由してオイルが吸気系に吸い込まれることで、エンジン回転が急に吹け上がったり、エンジンキーをオフにしてもエンジンが停止しない事象(ランオン)が発生しております。

エンジンオイル量が過多となる主要因は、オイルメンテナンス時に規定量以上のオイルを注入したことによるものです。
また、DPF付車は、DPFに堆積したPMを除去する際、インジェクタから通常の燃料噴射に加えてPM燃焼用の燃料噴射を行っており、その為エンジンオイルに燃料が混ざり、油量が増加することがあります。

従いまして、オイルを注入する際は絶対に規定量を超えないように注意して頂くと共に、定期的なオイルメンテナンス(オイル量の管理と推奨期間内でのオイル交換)の徹底をお願い致します。

  • DPF:Diesel Particulate Filter(ディーゼル・パティキュレート・フィルタ)
  • PM:Particulate Matter(粒子状物質)

対象車種

デリカ(型式:SK)

お願い事項

エンジンオイル量過多によるランオンの発生を防止する為に、下記注意事項の徹底をお願い致します。
また、安全で快適な運転をしていただく為に、使用者様には日常(運行前)点検におけるエンジンオイル量の確認と、定期的なオイル交換を推奨していただくようお願い致します。

【1】エンジンオイル点検時の注意

オイルレベルが×マーク(オイル交換の目安)を超えている場合は、必ずオイルを交換して下さい。
オイル交換しない場合、更に油量が増加すると、ランオンが発生する可能性があります。また、エンジンオイルの劣化によりエンジン故障につながるおそれがあります。

エンジンオイル点検時の注意

【2】エンジンオイル/オイルフィルタ交換時期の注意

オイル及びオイルフィルタの交換は、下記の推奨時期を守って下さい。
交換時期が守られない場合、更に油量が増加すると、ランオンが発生する可能性があります。また、エンジンオイルの劣化によりエンジン故障につながるおそれがあります。

項目 交換推奨時期
エンジンオイル 標準 7,500kmまたは6ケ月のいずれか早い方
シビアコンディション※ 5,000kmまたは3ヶ月のいずれか早い方
オイルフィルタ 標準 15,000kmまたは1年のいずれか早い方
シビアコンディション※ 10,000kmまたは6ヶ月のいずれか早い方
  • 悪路走行、登降坂路の頻繁な走行や短距離走行の繰り返し。

【3】エンジンオイル交換、補給時の注意

オイル交換あるいは補給後は、必ずオイルレベルゲージで“F”と“L”の間に入っていることを確認して下さい。

  • 注意:絶対にFレベルを超えないようにして下さい。

★エンジンオイル交換作業手順

  1. 車両を水平な場所に置く。
    • 車両が水平でないと、エンジンオイルが完全に抜取れない場合があります。
      また、オイル注入後のレベル点検時にオイル量を正しく確認できなくなります。
  2. オイルフィラキャップを取外す。
  3. オイルパンドレーンプラグを取外し、オイルを抜取る。(オイルが滴下するようになるまで待つ)
  4. 完全に排油した後、パッキンを新品に交換してオイルパンドレーンプラグを締付ける。
  5. エンジンオイルを規定量注入し、オイルフィラキャップを取付ける。
    (注:オイルフィルタ交換有無で規定量は異なります)
  6. エンジンを暖機する。
    • エンジンを暖機することで、エンジン内に残るオイル量が安定し、正しくオイル量を確認することができます。
  7. エンジンを停止し、約5分以上放置する。
    • エンジン停止直後に点検すると、エンジン内を循環しているオイルがオイルパン内に落ち切っていない為、正しいオイル量より少なく見える場合があります。
  8. オイルレベルゲージを抜取り、ゲージに付着しているオイルを拭取った後、再びゲージを完全に挿入する。
    • ゲージを完全に挿入しないと、正しいオイル量より少なく見える場合があります。
  9. オイルレベルゲージを抜取り、オイルレベルがF-L間にあることを確認する。
    • Fレベルを超えた場合はF-L間になるようオイル量を調整して下さい。