新型「デリカD:5」に物申したい人、ド正面から答えたい人

「らしくない、なんか違う、これじゃない……」。ブランドのリニューアルや映画作品のリブートなどが発表されたときに聞こえがちなコメント。

もちろん、実際にガッカリすることだってあります。でもいざ触れてみると、最初の印象からは変わり「あれ? やっぱり好き……かも」なんて、ツンデレ的に好転することもしばしば。

今まさにそんな状況とも言えるのが、三菱自動車の新型「デリカD:5」。

なぜなんだ、新型デリカD:5

初代デリカの発売から半世紀もの歴史があり、現在は5代目(D:5はデリカの5代目を意味します)。2007年に発売をスタートして12年。今年待望のビッグマイナーチェンジを実施したのですが、これが一躍 “時のクルマ” へ。

理由は、目にした人が衝撃を受けるほどの大規模な “顔” の変更。デリカのファンからは「他メーカーに似せた?」などの意見も。

ならばいっそのこと、デリカを愛してやまない「リアルなユーザー」に意見をぶつけてもらいましょう! 応えるのは、同じくデリカへの愛なら負けない「リアルな開発陣」

さてどうなる、この対談。

ユーザーを代表してくれたのは、自身のインスタグラムがほぼデリカで埋め尽くされるほどの熱烈なデリカD:5ファン、Codyさん(写真右)。

正面から応えるのは、新型デリカD:5のデザインを手がけたプログラムデザインダイレクターの松延浩昭さん(写真中)と、外装デザインを担当したデザインマネージャー野田健一さん(写真左)。

「シェーバー」という例えには
むしろポジティブ!?

Cody:いきなりですが、やっぱりフロント周りは気になってまして……。

野田:クルマの顔であるフロントマスクは、男心をくすぐる機能的なイメージをもとに発想しました。で、SNSなどはチェックしていて、このデザインが「シェーバーみたい、電動ヒゲ剃りみたいだ」って言われてますよね。でもネガティブには捉えてなくて、むしろシェーバーって、研ぎ澄まされた機能美だと思うんです。

Cody:フロントのデザインは、昔ながらのデリカの遺伝子としてカンガルーバンパーをモチーフにしているんですか?

野田:いえ、直接イメージしたわけではないのですが、厚み感と、門構えのように八の字に開いた形状をモチーフにしています。それらすべての起点は、ダイナミックシールド(三菱自動車独自のフロントマスクデザインコンセプト)をベースに考えたものです。

松延:賛否両論あるのは当然ですし、ユーザーによって解釈も色々あっていいと思うんです。その話題が拡散していくことが大事だと思っています。

※走行中にカンガルーと接触する事故から前面を守るために生まれた、
オーストラリア発祥の自動車用装備。

男心をくすぐるメーター周りは
嫌いじゃありません(笑)

Cody:内装はアクティブな雰囲気も残ったまま快適な空間になっていて、各メーターなどパネルまでの深掘り感もデリカらしく、個人的には好きです(笑)。ただ、以前のエアコンを調節する3連ダイヤルはもっと直感的で良かったですね。

松延:内装の横に伸びる直線基調のデザインは車体姿勢が掴みやすく、水平基調で機能的な三菱のよさをデザインに活かし、それを強調する方向にしました。実は過去のデリカも直線基調・水平基調なんですよね。円形の三連ダイヤルを使っていないのは、新しさを大事にしたからです。

野田:女性が乗ることも多い助手席って、内装を削ぎ落として見晴らしのいい空間演出をしているんですが、運転席は男性が乗る機会が多いので、そこにはちょっと男心をくすぐる工夫をしています。たとえばメーターのテキスタイルをカーボン調にしたり、メカニカルな雰囲気を出したり。

「移動先で、もっと楽しめる」
ロングドライブ性能は進化していた

Cody:ロングドライブができそうという意味では、今まで以上に期待してるんです。一般的なミニバンって普通に高速に乗ってるだけでも疲れるイメージなので……。

野田:もっと遠くへ行ける、疲れない、は大前提です。デリカってやっぱり移動するのが目的じゃなくて、移動した先でどれだけ楽しむか。そういう面は新型でさらに向上していると思います。野外イベントやフェスなど、アクティブにいろんなところに出向いて楽しむような、若いご家族の方なんかにも乗っていただけたら、と。

Cody:ユーザーが自由にカスタマイズしたり、楽しみ方をデザインするのはいかがですか?

松延:お客様にはもっと遊びの幅を広げて使ってもらえたら、っていうのが僕たちの思いとして伝えたいことですよ。

自分なりの “デリカ”を
つくっていくのが正解

Cody:僕は正直、買ったらカスタムすると思います(笑)。前以上に面白いことがいっぱいできそうなので。

野田:ぜひインスタで見せていただきたいですね。我々も特徴的なクルマをつくっていくので、Codyさんのカラーリングもを楽しみにしています。

松延:デリカは歴代、ユーザーが “自分のデリカ” をつくっていくクルマなんです。それだけ思い入れを持って大事にされているし、それがさらにクルマのキャラクターを強くしていきます。デリカD:5は一見シンプルですが、あとからユーザーの好みに合わせてカスタムしていける車両になっていると思います。で、僕らも想像できなかったようなスタイルを見て「デリカってこういう魅力があったのか」と気づかされる。それが、次のデリカを開発するときのヒントになるんですよね、実は。

「あれ? やっぱり好き……かも」

(左)DELICA D:5 P
   ボディカラー:エメラルドブラックパール/アイガーグレーメタリック(有料色)
(右)DELICA D:5 URBAN GEAR G-Power Package
   ボディカラー:ウォームホワイトパール(有料色)
※いずれもオプション装着車

Q&Aを終え、ひと段落しても3人の話はノンストップ。ユーザーが思い描く使い方も、つくり手がクルマに込めた想いも、引き出しは次から次へ。賛否もアイデア出しも議論も、デリカという孤高の存在があるだけで、こんなにも盛り上がるんですね。

十人十色の趣味や好みにも万能に応えてくれて、一段とたくましく、美しくなった新型デリカD:5。

まずはディーラーで実車をチェックしてみては?