世界が待ち望む
「特別な一台」を描く喜び
PROFILE
〔デザイン〕デザイン本部
吉峰 典彦
プログラムデザインダイレクター


「パジェロが帰ってきた」と
感じてもらう
オマージュだけでは
意味がない
今から7年前になりますが、「2019年にパジェロの日本での販売が終了する」というニュースを聞いた時、みなさんはどんな思いだったでしょうか。
私はランサーエボリューションとパジェロのデザインがやりたくて三菱自動車のカーデザイナーになりました。ランエボはXでデザインを担当することができましたが、もう一つの目標であるパジェロがなくなってしまう。私は心にぽっかり穴があき、もうカーデザイナーを辞めようとすら考えました。だからこそ復活するパジェロの仕事に携われることは大きな喜びです。商品企画責任者の板垣と開発責任者の松本は責任感から不安もあったようですが、私は嬉しさしかありませんでした。
パジェロは日本だけでなく、さまざまな国や地域で使われるモデルです。そこで私はまずパジェロが世界でどのように受け止められているかを見ることから始めました。そして、世界の人々が今でもパジェロを覚えてくれていて、しかも特別な思いを持ってくれている人がたくさんいることに改めて驚きました。
世界中のファンの期待に応えるためにはどうすればいいか。私は単に過去をオマージュして「パジェロが帰ってきた!」と思ってもらうだけでは意味がないと考えました。見た人に驚きを与え、でも「やっぱりパジェロだね」と感じてもらう。それを形にするために打ち出したテーマが“継承”と“進化”です。
歴代パジェロの
フィロソフィーを受け継ぎ
未来へとつながるデザインに進化
新型パジェロのデザインを始めるにあたり、まず驚いたことは全員が自然とパジェロとは何かを探求していることでした。
そして私も歴代パジェロのデザインフィロソフィーを体現して、パジェロの復活を待っているお客様の期待に応えることを目指しました。その際、モチーフをそのまま盛り込むだけでは一時の懐かしさを感じるだけで終わってしまいます。私はパジェロのデザインフィロソフィーを受け継ぐだけでなく、未来へとつながっていくように進化させることを目指しました。
歴代パジェロのサイドビューは水平基調で厚みがあり、オールラウンド4WDとしての力強さが表現されています。新型パジェロは継承しながら進化を加えることで、ひと目で新しさを感じていただけるプロポーションになりました。インテリアには初代のイメージを継承しながら、フラッグシップらしい上質なデザインに仕上がりました。これを実現する上で、開発や生産の現場にはかなり苦労をかけました。
開発がスタートしてから、板垣CPS、松本CVEとともに、議論を重ねながら継承と革新を積み上げ、ようやく新型パジェロという一つのパッケージにまとめ上げることができました。新型パジェロは間違いなくこれからの三菱自動車を引っ張っていく存在になります。歴代パジェロを知っている方々はもちろん、若い世代の方々にも新型パジェロを体験していただきたいと思っています。間もなく新型パジェロの新しい姿をお見せできます。楽しみにしていてください。