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2018.05

東京都

エンジンを載せ替えて走り続ける

池田百合子さんと
三菱ランサーエボリューションワゴンGT-A(2005年型)

012YEARS

0247,000KM

※お客様より了承を頂戴し、ナンバープレートを隠さず掲載させて頂いております。

2500台限定と聞いて

速さと実用性を兼ね備えたクルマは、いつの時代でも魅力的だ。

三菱ランサーエボリューションワゴンGT-A(以後、エボワゴン)に12年24万7000km乗り続けている池田百合子さんも、あのランサーエボリューションにワゴン版が追加されると聞いた時には浮き足立った。
さらに、それが2グレード合わせて2500台限定販売だと知った時には、「早く予約を入れないと」と、すっかり買う気になってしまった。

ちょうど、その時に乗っていた三菱レグナムのエンジンから異音が発生し、調子が思わしくなかったこともあって、修理して乗り続けるか、それとも他のクルマに買い換えるか思案していた。

「レグナムはいいクルマで、会社のスタッフみんなを乗せて泊まり掛けで旅行に出掛けていたほど活躍してくれました」

そういった使い途には向いていたが、池田さんの日常にはボディがちょっと大き過ぎると感じることもあった。
池田さんは会社を経営している。大きな撮影スタジオを管理し、ベテランの専門スタッフを何人も抱え、そこで撮影業務を行っている。

ある日、同僚と近くのレストランでランチを食べている時に、レグナムの不調とエボワゴンについて話をしていた。
しばらくすると、三菱自動車のディーラーの営業マンがエボワゴンのカタログを持って会社に訪ねて来た。

「あそこのレストランでお話になっていたそうですね。隣のテーブルで小耳に挟んだ者から、“スタジオの池田さんがエボワゴンを検討してくれているみたいだよ”って報告を受けましたので参上いたしました」

これには池田さんもビックリしたが、僕にはなんとなくランチの様子が想像できる。きっと池田さんは、明るく、快活に話していたのではないだろうか?
レグナムをねぎらうと同時にエボワゴンへの期待を大きく膨らませて、活き活きと話をしていたのではないか。だから、隣の人が聞き耳をそばだてたのだろう。そんな気がする。

カクカクしたランサー

「ちょうど40歳になったこともあり、自分へのご褒美的な意味もあって買いました」

2006月3月31日が予約の締め切り日で、3月9日に注文し、29日に納車された。池田さんの誕生日が21日。

「ランサーに乗りたいという気持ちはずっと持っていました。先代社長が持っていたサーキット仕様の、昔のカクカクした形のランサーに乗せてもらって、サーキットを走ったこともあります。クルマ好きの人たちがランサーを好む理由もなんとなくわかった気がしました」

その時の印象が良くて、ランサーのことはずっと好きだった。

「でも、その頃はまだ私はクルマ好きではなかったんですよ」

意外な答えが返って来た。スタジオを持つというビジネスはクライアント企業の業績に大いに左右される。自らの中に原因がなくても、発注が急激に減らされてしまってはたちまち息ができなくなってしまう。

池田さんは若い頃からこの業務で働いていたが、困難な時期も耐え忍びながら社長業に就き、山も谷も乗り越えて、現在に至っている。今では、新しい分野の仕事も発注されるようになるほどで、クライアント企業からの信頼はこれまで以上に厚くなった。

エボワゴンを購入したキッカケに「自分へのご褒美的な意味もあって」と、広い意味を表す「的」という言葉を付け加えたのも、意図せず社長業に就き、戸惑いながらも、信頼のおける仲間の従業員やクライアント企業の人々に支えられながら、なんとか継続できて、新しい局面を切り開けたことを背景にしているからだろう。

2400kmをひとりで運転

「レグナムの前にも4台のクルマを乗り継いで来ましたが、エボワゴンが自分に一番合っています」

毎日の通勤が往復で約50km。休日も運転してリフレッシュに出掛けることが多い。箱根には、これまで100回以上は行っている。

「箱根には、温泉とお蕎麦を楽しみに行っています」

箱根のようなアップダウンを伴ったワインディングロードが続くところならば、エボワゴンの独壇場だろう。

「このサイズが気に入っていて、速いのが良いですね。もちろん、トバしたりはしませんよ。フフフフフフ」

池田さんは、笑顔を絶やさず、明るい雰囲気で話す。

「“麺類ばかりじゃないか!?”と呆れられるかもしれませんが、藤沢まで美味しいカレーうどんを食べに行くこともありますよ。ハハハ」

美味しいものを求めて、クルマを走らせるのは楽しい。

「栃木の『ココ・ファーム・ワイナリー』には、2、3カ月に一度は出掛けています。ご飯を食べて、ワインを買って帰って来ます。ここは、1950年代から障がい者と健常者が一緒にワインを造っています。その趣旨に賛同させていただいていることもあって、よく行きます」

今までで一番遠くに行ったのは、九州の湯布院。友人と一緒に行ったのだが、往復2400kmを運転したのは池田さんだけだった。

「足回りがしっかりしていて高速道路で安定していて、長距離を走っても疲れが少なかった。高速道路を降りてからも、取り回しのしやすいですね。MTかATか迷ったのですが、ATを選んで正解でした。日常的な使い途ではラクですし、このクルマはATでも遅いわけではありませんから」

エボワゴンのトランクルームの広さを見せてもらおうと、断ってテールゲートを開けたらいろいろなものが出てきた。
ハイヒールが何足もあるのは、咄嗟のクライアントとのミーティングに備えているからだろう。社長ならではの準備だが、箱に入ったままで一度も履いていないものもあるのはどうしたことだろうか?

「いや~、お恥ずかしい」

失礼しました!
女性のクルマのトランクルームを開けさせてもらったら、すぐに閉めるべきでした!!
でも、見てしまった以上、質問しなければ記者が廃ります!!!
また、池田さんもサービス精神が旺盛だから、荷物をトランクから取り出して次々と開けて見せてくれる!!!!

パンプスはどれも黒一色の地味なものではなく、個性的なカタチをしていたり、デザインに凝っていているものばかりだ。パッと見は深い赤のパンプスなのだが、ヒール部分が有名な“プッチ柄”になっているエミリオ・プッチの一足などを選ぶ辺りにセンスの良さを感じさせる。

「クルマに限らず、しっかりと作られた良いモノを長く使いたいですね」

珍しいバッグもあった。

「山葡萄の樹皮を乾燥させたものを編んで作ったものです。クラフト作家の堀米佑子さんの鎌倉にあるギャラリーに通って、教わりながら私が作ったんですよ」

とてもうれしそうに教えてくれる。
沖縄の「かりゆし」の着物生地で作られた日傘も積まれていた。オーダーメイドで作ってもらったものだ。

「こういった、民芸のものが好きなんですよ。人の手によって作られたことがわかるものはいいですね」

エンジンを載せ替えたばかり

乗せてもらうと、いろいろなオプションパーツが取り付けられていることがわかった。ピアノブラックのインパネは純正オプションで、サイドミラーはラリーアート製だ。
サイドミラーはとても小さく、ボディに張り付いているように見えるが、運転席から見るとノーマルのものよりも視界が広い。

他にも、リヤピラーのパネルやリヤウイング、アンテナ、フロントのリップスポイラーなどもラリーアート製のものに換えてある。シートはレカロ製で、ホイールはBBS製。

「部品を交換して、クルマを自分好みに仕立て上げていく楽しみ方があることも前の社長から教わりました」

近くを走ってもらったが、快調そのものだった。なぜならば、つい最近、エンジンを載せ替えたからだ。
エンジンオイルをたくさん消費し、マフラーから煙を吐くようになってしまっていた。
車検や定期点検などを依頼している三菱自動車ロジテクノ津田山の伊藤 真さんによると、2016年の定期点検の際に、1リッター/1000kmものエンジンオイルの過大な消費の兆候が認められた。

「私も、エンジンオイルの匂いに気付いたことがあります。走っていても、他の人から“煙を吐いているよ”って教えられることもありました。減った分のオイルを継ぎ足しながらしのいで、様子を見てきました」

三菱自動車ロジテクノで調べてみると、エンジン内部のバルブとステムの摩耗異常によるオイル下がりという診断結果が下された。伊藤さんによると、ターボチャージャーのタービンのシール切れの可能性も疑われたが、今回はエンジン本体であると結論付けられた。
同じ型のリビルドエンジンを融通し、三菱自動車ロジテクノで移植作業が行われた。費用は、総額約90万円。

「高額ですが、作業内容を考えれば当然の額で、納得しています」

このエンジン積み替えや車検、定期点検などは三菱自動車ロジテクノで行い、その他の修理や点検、保険は近くの関東三菱自動車販売 津田山店に依頼している。

「どちらからも、とても良く面倒を見てもらっています」

エンジンを積み替えたので、これからもずっと乗り続ける準備は整った。

「長く乗り続けて、今では自分の手足のように走らせられるようになりました。将来、他のクルマに乗り換えなければならなくなったとしても手放さずに、手元に置いておきたい。それも難しかったら、誰か知り合いに乗ってもらいたいですね」

黒いエボワゴンは、明るく会社を切り盛りする池田さんそのものだった。頑張ったしるしとして購入し、頑張って走り続け、これからも頑張るためにエンジンを載せ替えた。池田さんはエボワゴンを誇りに思っているし、エボワゴンもそれに応えてずっと走り続けていくことだろう。

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