商品開発プロジェクト 上平 真

進化をとめないアウトランダーPHEV

アウトランダーPHEVの進化とは

アウトランダーPHEVは、2013年の発売以来、日本や欧州で高い評価をいただいて来ましたが、毎年改良を重ねています。子供の頃に乗った電動ゴーカートのように「アクセルを踏んだらスーッと走る」、新幹線のような「途切れの無いスムースな加速」、そして長距離ドライブが「快適で疲れにくい」など、アウトランダーPHEVの特長が評価されています。

2016年モデルでは、ダイナミックシールドというフロントデザインの採用や、乗り味にこだわったサスペンションの改良、静粛性の大幅な改良を実施。今回発売の2017年モデルでは、世界で好評をいただいているモーター走行が生む力強い加速と出足の良い走りを、さらに楽しんでいただけるようにEVプライオリティモードの追加や、駆動用バッテリーの出力マネージメントを見直すなど、様々な改良を行い進化させました。

お客様の声から誕生した、EVプライオリティモード

新たに搭載した「EVプライオリティモード」は、専用のスイッチをONにするだけで、エンジンを止めてEV走行モードに切り替わります。

アウトランダーPHEVは、モーター走行を基本として、電気の力だけで走るEVモード、エンジンが発電してモーター走行するシリーズ走行、エンジンを駆動力としても利用するパラレル走行を、車両側が自動で最適な走行を選択して走っています。EV走行の気持ちよさや高い静粛性をご評価いただいているお客様から、「自然の中を走るとき」や「早朝や深夜の住宅街」などでは「できるだけEVモードで走りたい」という声を数多くいただきました。このご要望にお応えするために、EVモードを優先して走行する「EVプライオリティモード」を追加しました。

また、EVプライオリティモードを選択していない状態でも、駆動用バッテリーの出力マネージメントを改良することで、強めの加速や高速道路の合流でも今までよりエンジンが始動しにくくなり、EV走行が継続します。

三菱 e-Assist の強化

家族や友人との長距離ドライブをより安心・安全に楽しんでいただくため、全方位で予防安全性能を高めるため、三菱 e-Assist を強化しました。車両後方の死角に隠れた車両や、追い越しをするときに車両が近づいていることをお知らせする機能や、レーンチェンジの時に注意を促す機能を追加。また、荷物をたくさん積んだ状態で後退するときに、死角に隠れた近づいてくるクルマをお知らせする機能も追加しました。

ヘッドランプのハイとローを自動で切り替える機能を装備して夜間走行をサポート。衝突被害軽減ブレーキシステムには、歩行者検知機能を追加しました。

日本とヨーロッパで鍛えた走行性能

アウトランダーPHEVは、SUV+S-AWC(ツインモーター4WD)というパッケージでありながら、優れた環境性能や高い静粛性、乗り心地の良さという、背反する性能を両立させています。
毎回苦労するのは、日本だけでなく世界の競合車との戦いも視野に入れて、評価を分析し、良さを伸ばし、競合車に負けないクルマとなるよう、進化させていくところです。

今回、サスペンションやS-AWCの性能強化を行ったのですが、50~60km/h程度の低い速度域で求められる静粛性や乗り心地の良さは日本で開発し、その後、車両をヨーロッパに持ち込み、ドイツのアウトバーンや厳冬の北欧、アルプスのピレネーの山岳路などを走行し、高速度域やあらゆる路面で求められる性能に磨きをかけました。また、日本国内外のお客様や販売会社スタッフなどから直接お話を伺い、その声を反映したお客様満足度の高いクルマづくりを心がけています。利便性の向上のために電動パーキングブレーキを採用したり、スマートフォン連携ディスプレイオーディオ[SDA]を装備しました。

『知性』と『野性』を秘めた、アウトランダーPHEV

今回制作したアウトランダーPHEVの新しいテレビCMのコンセプトは、「知性と野性」。
「知性」とは、静かでスムースな走りや、その走りを生み出すインテリジェントなシステムを表現した言葉です。隙間の無いエンジンルームや、床下を覗くと駆動用バッテリーや走行用モーターが並び、予防安全や車両安定性能を支える多種多様なセンサー類が配置され、メカニカル・テクニカルな風貌となっています。PHEVシステムを制御するコンピューターはディーゼルやガソリン車の何倍もの容量が必要であり、コンフォートな走行性と相まって、まさに「知性」という言葉がマッチしています。

一方、「野性」とは、S-AWCによる高い走行性能や走破性を表した言葉。4本のタイヤのグリップ力を最大限に活かすよう前後のトルク配分を瞬時に切り替え、車両の動きをコントロールします。ワインディングロードや、ウェット路、雪道など、どんな路面でもクルマが向うべき方向に、意のままに曲がる事ができるよう、ドライバーの操作を最大限にサポートします。ABSやASCは、クルマが滑り出してから制御が介入しますが、S-AWCは、滑る前から常にクルマをコントロールし、極力ドライバーが不安を感じるような挙動を抑えることが可能になるのです。

ABS=Anti-lock Brake System
ASC=Active Stability Control

より質の高い走りを目指した『S Edition』

今回、新しくラインナップに加わった「S Edition」は、所有する歓びを感じられる、特別なエクステリアと上質でスポーティーな専用インテリア。そして、走る歓びが湧き上がる、優れた操縦安定性と上質な乗り味により、ワンランク上のプレミアムなモデルとなりました。

SUVのボディ形状は、どうしてもリヤセクションのボディ剛性が弱くなります。この特性を克服するために構造用接着剤を使用してボディ剛性を向上させました。このしっかりとしたボディに、ランサーエボリューションでも採用したビルシュタイン社製の高性能ショックアブソーバを組み合わせることで、タイヤの路面追従性が向上。すっきりとした、高い質感の走りを実現しました。

また、ヨーロッパ車の上質なクルマの仕立て方に倣い、「S Edition」に相応しいエクステリアやインテリアに仕上げました。「S Edition」の“S”は、お客様にとって「スペシャル」「スポーツ」「スペシフィック(特徴的な)」と、どのように捉えていただいても良いモデルになりました。

ぜひお近くのディーラーで試乗していただきたい

アウトランダーPHEVは、「運転して楽しい」「環境にもお財布にもやさしく」「たくさんの荷物を積める」「長距離ドライブでも疲れない」「静かな電源車」という、様々なニーズに応えることができるクルマです。2017年モデルは、モーター走行の気持ちのよい走りがさらに強化されており、今アウトランダーPHEVにお乗りの方でも、運転していただけるとその違いを感じていただけると思います。

アウトランダーPHEV以外のクルマにお乗りの方はもちろん、今アウトランダーPHEVにお乗りのお客様も、ぜひ一度2017年モデルにお近くのディーラーで試乗していただき、電動ドライブを体感してみてください。