eKスペース／デリカミニ 取扱説明書

踏み間違い衝突防止アシスト[EAPM]

EAPM : Emergency Assist for Pedal Misapplication

EAPMは、フロントカメラ、リヤビューカメラ★とセンサーで進行方向に壁などの障害物、車両や歩行者を検知し、駐車操作時など低速のときにブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを踏み込む、あるいはブレーキ操作が遅れたときに運転者に音と表示で警告します。
さらにエンジンやブレーキを制御することで、過度な加速の防止や障害物への衝突防止を支援します。

システムに関連する表示

  • 機能には限界があるため、過信せず安全運転を心がける。
    EAPMは、アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違えにより引き起こされる暴走や衝突事故の軽減を目的とした補助機能です。あらゆる状況で効果があるわけではありません。
    運転者は周囲の安全確認を行い、常に注意深い運転操作を心がけて走行してください。
  • センサーやフロントカメラ、リヤビューカメラ★の性能には限界があるため、システムだけに頼った運転はせず、常に安全運転を心がけてください。詳細については、各検知条件と制限をお読みください。
    フロントカメラの検知条件と制限
    センサーの検知条件と制限
    カメラの検知条件と制限

  • EAPMが作動すると、作動時表示と作動表示灯が表示されます。3Dマルチアラウンドモニター／マルチアラウンドモニター付車は、マルチアラウンドモニター画面に赤枠が表示されます。

EAPMの作動

前進時
  • フロントガラス上部のフロントカメラにより前方の車両や歩行者を検知し、フロントバンパーに取り付けられたセンサーにより、前方の障害物を検知します。
後退時
  • リヤナンバープレート上部のリヤビューカメラ★とリヤバンパーに取り付けられたセンサーにより、後方の障害物を検知します。
  • EAPMには、2つの機能があります。
    • 低速加速抑制機能
    • 低速衝突軽減ブレーキ機能

低速加速抑制機能

  • 番号 説明
    アクセル誤踏み込み
    警報音と作動表示
    低速加速抑制
    ブレーキ
    停車、作動停止
  • 前進または後退時（停車時含む）、進行方向に車両や歩行者（前進時）、壁などの障害物を検出している場合に、アクセルペダルが必要以上に踏み込まれたとシステムが判断すると、約6秒間加速を抑制したり、弱いブレーキをかけたりすることで車速が上がることを抑えます。
  • 次の車速範囲で作動します。
    • 車両、歩行者に対しては、車速約0～25km/h
    • 壁などの障害物に対しては、車速約0～15km/h
  • 低速加速抑制機能が作動しているときは、警報音（ブザー）と踏み間違い衝突防止アシスト作動表示灯が表示します。また、マルチインフォメーションディスプレイの表示によって運転者に警告します。
    警告メッセージ（EAPM作動時表示）

低速衝突軽減ブレーキ機能

  • 番号 説明
    低速衝突軽減ブレーキ
    警報音と作動表示
    ブレーキ
    停車、作動停止
  • 前進、または後退時、進行方向に車両や壁などの障害物を検知し、衝突するおそれがあるとシステムが判断すると、エンジン出力の制御、およびブレーキをかけて衝突を回避、または被害の軽減をします。
  • 3Dマルチアラウンドモニター／マルチアラウンドモニターかつマイパイロット付車は、後退時、進行方向に歩行者を検知し、衝突するおそれがあるとシステムが判断すると、エンジン出力の制御、およびブレーキをかけて衝突を回避、または被害の軽減をします。（後退時ブレーキアシストシステム［Rear AEB］）
  • 低速衝突軽減ブレーキ機能は、車速約15km/h以下のとき作動します。
  • 低速衝突軽減ブレーキ機能が作動すると、警報音（ブザー）と踏み間違い衝突防止アシスト作動表示灯の表示によって運転者に警告します。
  • 低速衝突軽減ブレーキ機能が作動したときは制動灯が点灯します。
  • 低速衝突軽減ブレーキ機能が作動しているときは、作動音が聞こえることがありますが異常ではありません。

低速衝突軽減ブレーキが作動するとき・しないとき

クルマ止めのない駐車場などで、壁などに衝突しそうになったとき

万一、運転者のブレーキ操作が遅れ、壁などに衝突するおそれがあるとシステムが判断すると、警報音（ブザー）と踏み間違い衝突防止アシスト作動表示灯が表示し、ブレーキをかけて衝突を回避または被害を軽減します。

  • ブレーキ制御が作動したあと、再び同じ障害物に近づいたときは作動しません。
  • アクセルペダルまたはブレーキペダルを踏んで前進・後退する状況などでは作動が遅れ十分に機能しない場合があります。
縦列駐車をするとき

セレクターレバーをから、またはからに切り替えたときは、セレクターレバーの操作を繰り返すたびに進行方向の障害物を検知してブレーキ制御が作動します。

  • ブレーキ制御が作動したあと、セレクターレバーを切り替えずにさらに同じ障害物に向かって前進、または後退をした場合は、ブレーキ制御は作動しません。
  • アクセルペダルを踏んでいるときは作動が遅れることがあります。
  • セレクターレバーがのときは、前方の障害物に対しては作動しません。同様に、セレクターレバーがまたはのときは後方の障害物に対して作動しません。
  • 障害物に対し斜めに接近すると作動しないことがあります。
  • 幅の狭い障害物に対しては作動しないことがあります。
  • 他の車両が自車両に対して横にずれた位置にあるときは、作動しないまたは作動が遅れることがあります。
並列駐車をするとき
  • 狭いスペースに進入するときに作動することがあります。
  • 他の車両の角部に向かって接近したときは作動しません。
  • 他の車両が自車両に対して横にずれた位置にあるときは、作動しないまたは作動が遅れることがあります。
  • セレクターレバーがのときは、前方の障害物に対しては作動しません。同様に、セレクターレバーがまたはのときは後方の障害物に対して作動しません。
  • 壁から突き出している柱や配管などの障害物に対しては作動しません。
  • 低い障害物に対しては作動しません。

EAPMの停止のしかた

  • マルチインフォメーションディスプレイで［設定］⇒［運転支援］⇒［緊急支援］⇒［踏み間違い衝突防止アシスト］を選択すると、EAPMのON・OFFを切り替えることができます。
    設定の詳細については、運転支援（運転支援）をお読みください。

  • 機能をOFFにすると、踏み間違い衝突防止アシスト警告灯が点灯し、システムが停止します。
  • セレクターレバーをにしてセンサー表示中にステアリングスイッチの＜OK＞スイッチを押すと、一時的に後方の低速加速抑制機能、低速衝突軽減ブレーキ機能を停止できます。
  • エンジンを再始動するとONになります。

EAPMに関する注意事項

  • 故意にアクセルペダルを踏み込まない。
    車両が急に動き出し思わぬ事故につながるおそれがあります。また、低速加速抑制機能は、アクセルペダルをゆっくりと深く踏み込んだときには作動しません。
  • 次の場合は、予期せずシステムが作動し、思わぬ事故につながるおそれがあるため、EAPMをOFFにする。
    • けん引するとき
    • トレーラーなどに積載するとき
    • 点検などでシャシーダイナモを使用するとき
    • 純正品以外のサスペンション部品を使用しているとき
      （車高や車両の傾きが変わると正しく障害物を検知できないことがあります）
    • センサーを妨げるようなバイクラックなどを装着しているとき
  • 外部の騒音などにより、警報音（ブザー）が聞こえない場合があります。
低速衝突軽減ブレーキ機能について
  • ブレーキ制御は短時間しか作動しません。必ず運転者がブレーキペダルを踏んでください。
    低速加速抑制機能が作動したあとに低速衝突軽減ブレーキ機能が作動したときは、車両が停止してから約2秒後にブレーキが解除され、車両が動き出します。
低速衝突軽減ブレーキ機能について
  • システムの作動を待たず、すみやかにブレーキ操作を行う。
    車両の状態、走行状況、交通環境、天候、路面状況などにより作動しない場合や、本来の性能を発揮できないことがあります。
  • アクセルペダルを踏んだ状態で障害物に接近したときは、作動が遅れることがあります。
  • 次の場合は、システムが正常に作動しない、または機能を十分に発揮できないことがあります。
    • 悪天候（雨、霧、雪など）のとき
    • 勾配が急な坂道を走行しているとき
    • 段差などをまたいでいるときなど車両姿勢が変化しているとき
    • 滑りやすい路面を走行しているとき
    • ハンドルを大きく切って旋回しているとき
    • 外気温が低いときや走行開始直後などでブレーキが冷えているとき
    • 下り坂などでブレーキが過熱、または水たまり走行後や洗車後などでブレーキが濡れてブレーキの効きが悪くなっているとき
    • 長期間駐車などで、ブレーキの性能が十分に発揮できないとき
    • 摩耗しているタイヤ、空気圧不足のタイヤ、スペアタイヤのような非常用タイヤ、三菱自動車純正品もしくは三菱自動車販売会社で購入したタイヤ以外を使用しているとき
    • タイヤチェーンを装着しているとき
    • 車両が傾いているとき（後席やラゲッジルームに極端に重い荷物を積んでいるとき）
  • 動いている物体に対してはEAPMは作動しません。（前方の車両、歩行者を除く）
低速加速抑制機能について
  • センサーで検出した壁や車両などの大きな障害物に対して作動します。車両の幅以下の障害物は検知しません。
  • フロントカメラで検出した衝突のおそれのある前方の車両や歩行者に対して作動します。
  • 低速加速抑制機能は、運転者がアクセルペダルを戻すと解除されます。
  • 渋滞中などで前方にいる車両を追い越すときなどに低速加速抑制機能が一時的に作動することがあります。
  • 信号待ちや右折待ちなどで、車間距離の短い状態から前の車に続いて発進する際、アクセルペダルを素早く深く踏み込むと低速加速抑制機能が一時的に作動することがあります。
  • 次の場合は作動しません。
    • アクセルペダルをゆっくりと踏み込んだとき
    • ブレーキペダルを踏んでいるとき
    • セレクターレバーが、、以外のとき
    • トラクションコントロール機能（TCS）が作動しているとき
    • タイヤが空転しているとき
  • 路面または壁面の模様・ペイント（かすれた道路標示や漢字で構成される特殊な道路標示を含む）、前方の道路構造物（トンネル、高架橋、交通標識、車両脇に設置された反射器（リフレクター）、反射シート、ガードレール）などで構成される形状が、車両や歩行者の輪郭の特徴や車両のテールランプの大きさ・位置などと似通っている場合、フロントカメラが対象物の形状を正しく検出できずシステムが作動する場合があります。
  • 自転車で走行している人を歩行者と検知し、システムが作動する場合があります。
  • 次のような物に反応し、システムが作動する場合があります。

    • 道路脇にある物（道路標識、ガードレール、歩行者、車両など）

    • 歩行者が自車前方の走行レーンに近づいた場合

    • 道路上方にある物（低い橋、道路標識など）
    • 路面上にある物（線路、格子、鉄板など）
    • 駐車場内にある物（梁など）
    • 走行車線または隣接する車線の歩行者、車両など
    • 走行車線または隣接する車線に近づいてくる歩行者、車両など
    • 対向して接近する歩行者
    • 走行路にある物（近接する樹木など）
低速衝突軽減ブレーキ機能について
  • ブレーキ制御が作動したあと、再び同じ障害物に近づいても作動しません。
  • 次の場合は作動しません。
    • セレクターレバーが、、以外のとき
  • セレクターレバーがのときは、前方の障害物に対しては作動しません。同様に、セレクターレバーがまたはのときは後方の障害物に対して作動しません。

EAPMの作動が停止するとき

  • 次の場合、踏み間違い衝突防止アシスト警告灯［］が点灯し、作動が停止します。
    • EAPMの設定をOFFにしたとき
    • ASCをOFFにしたとき
    • 駐車支援機能（フロントセンサー、コーナーセンサー、リヤセンサー）に異常があるとき
  • EAPMが一時的に作動できなくなったときは、踏み間違い衝突防止アシスト警告灯［］が点滅します。
  • システムに異常があると、警告音が鳴るとともに踏み間違い衝突防止アシスト警告灯［］が点灯し、マルチインフォメーションディスプレイ内に警告が表示され、システムが停止します。
    警告灯（踏み間違い衝突防止アシスト[EAPM]警告灯）
    警告メッセージ（システム故障警告）

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