リヤデフロック
リヤデフロックは後輪の片輪が空転し、抜け出せなくなったときにリヤデフロックスイッチの操作で、リヤディファレンシャルを固定(リヤデフロック状態)して脱出を容易にする装置です。

- 4WDセレクターを「4HLc」または「4LLc」にして、リヤデフロック状態のまま走行すると次のような現象が現れ大変危険です。
一般走行時には必ずリヤデフロックを解除してください。-
舗装路では直進する力が非常に強くなりハンドルが切れにくくなることがあります。
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カーブを曲がるときや交差点などで右折、左折するときに旋回ができず直進するおそれがあります。
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雪上、氷結路では安定した旋回ができにくくなります。
また、左右のタイヤの接地する路面状況が異なるとき(例:片側アスファルト、他方氷上など)にエンジンブレーキをかけたり、加速すると車両の向きが急に変わることがあります。
リヤデフロックスイッチの操作
- スイッチを操作するときは、必ず空転しているタイヤを止めて操作してください。タイヤが空転している状態でスイッチを操作すると車両が思わぬ方向へ飛び出すおそれがあります。
- 車を完全に止めます。
- 4WDセレクターを「4HLc」または「4LLc」にします。
4WDセレクターの操作 - リヤデフロックを作動させるときは、リヤデフロックスイッチを押します。
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リヤデフロックを解除するときは、リヤデフロックスイッチをもう1度押します。
- 4WDセレクターが「4H」または「2H」のときはリヤデフロックは作動しません。
- 4WDセレクターを「4H」または「2H」に操作することにより、リヤデフロックを解除することができます。
- 次の状況でリヤデフロックスイッチをONにすると、警告が表示され、ブザーが鳴り、リヤデフロックは作動を停止します。
- 運転しているとき
- 4WDセレクターが「2H」または「4H」にあるとき
リヤデフロック作動表示
エンジンスイッチをONにしたとき、メーター内のリヤデフロック作動表示灯や画面表示が数秒間点灯した後、リヤデフロックの作動状態を表示します。


- リヤデフロックの状態(リヤデフロックスイッチによる選択)は、リヤデフロック作動表示灯や画面表示の点滅または点灯で表示されます。
次の通り作動状態を表示します。
リヤデフロックの作動状態 | リヤデフロック作動表示灯/画面表示 | |
---|---|---|
表示灯 | 画面表示 | |
リヤデフロック解除 | ![]() |
![]() |
作動切り換え中 | ||
リヤデフロック作動 |
: 点滅
: 点灯
: 消灯
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リヤデフロックシステムに何らかの異常が発生すると安全装置が作動します。リヤデフロック表示灯が速く点滅(1秒につき2回)して、リヤデフロックの作動を停止します。
- リヤデフロック表示灯が速く点滅したときは、次の手順で処置してください。
- 安全な場所に停車し、エンジンを止めます。
- 再度エンジンをかけ、通常の表示に戻れば元のように走行できます。再度リヤデフロックを作動させたときに点滅する場合はただちに三菱自動車販売会社へ連絡してください。
- 作動切り換え中はリヤデフロック作動表示灯および画面表示が点滅し、リヤデフロックの切り換えが完了すると点灯または消灯します。
- リヤデフロックを作動させると、ASTC作動表示灯、ASTC OFF表示灯およびABS警告灯が点灯し、ASTCおよびABSの機能を停止しますが故障ではありません。リヤデフロックを解除すると各表示灯、警告灯は消灯し、再度ASTCおよびABSが機能し始めます。
ABS警告灯ASTC作動表示灯/ASTC OFF表示灯 - リヤデフロックスイッチを押しても、リヤデフロック作動表示灯/表示が点滅したままのときは次のことに注意してください。
- 車速が約12km/h以上のときは、車速を約2.5km/h以下にすると、リヤデフロックの切り換えが完了しリヤデフロック作動表示灯/表示が点灯に変わります。
- 車速が約12km/h以下のときは、リヤデフロック作動表示灯/表示が点灯に変わるまでハンドルを左右に動かしてください。
- ぬかるみなどにはまり込んだ状態では、周囲の安全を確認して前進、後退を繰り返してください。リヤデフロックの切り換えが完了すると、リヤデフロック作動表示灯/表示が点灯に変わります。
リヤデフロックの使用例
- リヤデフロックは、4WDセレクターを「4LLc」または「4HLc」にしても脱出できない緊急時のみ使用してください。また緊急脱出後は、ただちにリヤデフロックを解除してください。
脱輪時
岩石路脱出時
片輪が宙に浮き、脱出できなくなった場合

雪上脱出時
片輪が雪上で他方がアスファルトなどで脱出ができない場合
