4WD車の取り扱い
4WD車を運転するときは
4WD車といってもどこでも走れるわけではありません。無理な運転はしないでください。
路面や傾斜の状態に十分注意して安全運転を心がけてください。
- 無理な運転はしないでください。
- ブレーキ性能は2WD車とあまり差はありません。極端な急ハンドル、急ブレーキは避けて十分な車間距離をとって走行してください。
- 正しい運転姿勢でハンドル操作やペダル操作が行えるようにシートを調整して、シートベルトを必ず着用してください。
- オフロードを走行した後は必ず車体各部を点検し、きれいな水で念入りに洗車してください。
オフロードを走行した後は
それぞれの道路状態で推奨するモードを以下に記載していますので、参考にしてください。
4WDセレクターの操作 | 道路状況 | ||||
---|---|---|---|---|---|
乾燥した舗装路および高速道路 | 雪道 | 砂利道 | 深い雪道およびぬかるんだ道 | 砂地や岩場 | |
スーパーセレクト4WD-II | 2Hまたは4H | 4H | 4HLcまたは4LLc | ||
リヤデフロック | ― | ― | ― | 作動 |
- オフロードを走行するときは、路面や地形の状況を確かめ、サスペンションやバンパーなどが路面と接触しないことを確認してから運転してください。
乾燥した舗装道路および高速道路を走行するときは
乾燥した舗装道路を走行するときは、4WDセレクターは「2H」または「4H」を選択してください。特に、乾燥した高速道路を走行するときは、「4HLc」および「4LLc」を選択しないでください。

- 乾いた舗装道路を「4HLc」または「4LLc」モードで走行すると燃料の消費量が多くなったり、騒音、タイヤの早期消耗を発生することがあります。
また、駆動系部品に無理がかかり、オイル漏れや焼き付きなど重大な故障の原因となるおそれがあります。
雪道を走行するときは
雪道を走行するときは、4WDセレクターは「4H」を選択してください。発進時はアクセルペダルを徐々に踏み込んでください。

- 運転中の急加速、急ブレーキ、急ハンドルはスリップや横滑りが起こりやすいので行わないでください。
- タイヤチェーンや冬用タイヤを使用することをおすすめします。
- 車間距離を十分に取り、急ブレーキは絶対に避けて、エンジンブレーキを上手に使ってください。
未舗装路を走行するときは
路面状況を確認し、4WDセレクターは「4H」を選択してください。

深い雪道またはぬかるみを走行するときは
4WDセレクターは「4HLc」または「4LLc」を選択してください。発進時はアクセルペダルを徐々に踏み込んでください。アクセルペダルはできる限り一定に踏み込み、低速で走行してください。
- 車の反動を利用して脱出するときは、車の周囲に人がいないことを確認してから行ってください。
- 走行中に次の状況が発生した場合は、すみやかに安全な場所に車両を止めて手順に従って対処してください。
- エンジン冷却水温表示が高温を示しているとき
オーバーヒートしたとき - オートマチックトランスミッションオイルの温度警告が表示されたとき
警告表示
- エンジン冷却水温表示が高温を示しているとき
- 運転中の急加速、急ブレーキ、急ハンドルはタイヤが砂に埋もれて車が動かなくなりやすいので、極力避けてください。
- 雪やぬかるみで動けなくなったら、前進後退を交互に行い、車の反動で脱出できる場合があります。
- 特にひどいぬかるみを走行する必要があるときは,タイヤチェーンをかけると有効です。
- ぬかるみでは、路面の状況が分かりにくいため、深みにはまり込むことがありますので、できれば車から降りて路面の状況を確かめてから低速で運転してください。
- 海岸線や融雪剤をまいた道路を走行した後は、さび防止のためできるだけ早く洗車をしてください。
砂地を走行するときは
砂の道路状況を確認し、4WDセレクターは「4HLc」または「4LLc」を選択してください。発進時はアクセルペダルを徐々に踏み込み、走行時は一定の低速で走行してください。必要に応じて、リヤデフロックを使用してください。

- 砂地では無理な走行をしないでください。一般道路と比べてエンジンや駆動系部品に大きな負荷がかかり、思いがけない故障や事故の原因となります。
岩場を走行するときは
4WDセレクターは「4HLc」または「4LLc」を選択して、低速で走行してください。車が動かなくなりそうなときは、リヤデフロックを使用してください。

- 岩場は単独で走行しないでください。岩場を走行するときは安全運転のため、経験豊富なドライバーの指示に従ってください。
- タイヤができるだけ岩と接触するように走行してください。
急斜面を降りるときは
4WDセレクターは「4HLc」または「4LLc」を選択して、エンジンブレーキを使用して低速で降りてください。エンジンブレーキを使用しても低速で降りられない場合はヒルディセントコントロール[HDC]を使用してください。
ヒルディセントコントロール[HDC]
ヒルディセントコントロール[HDC]

- 斜めに蛇行しながら降りることは避け、できるだけまっすぐに降りてください。
- 坂を降りているとき、前方に障害を見つけてあわててブレーキをかけると、車のコントロールを失うことがあります。できるだけ降りる前に歩いて斜面の状態を確認してください。
- 坂を降りているときに、途中で変速することを避けて、あらかじめ坂の状態に応じた変速ギヤを選んでおくことが必要です。
急斜面を登るときは
4WDセレクターは最大のエンジントルクを得るために「4LLc」を選択してください。

- 斜めに蛇行しながら登坂することは避け、できるだけまっすぐに登坂してください。
- 登坂中に推進力が失われる場合は、アクセルを緩めてハンドルを左右に緩やかに回し、推進力の回復を図ってください。
- 石、砂および凸凹の少ないところを選び、登り始めと終わりはなだらかな傾斜を選んでください。
- 登る前には、車がその斜面を登れるかどうか、一度自分の足で頂上まで歩いて確認してください。
急カーブを回るときは
「4HLc」または「4LLc」で急なカーブを低速で旋回した場合、ブレーキをかけた状態と同じような現象が発生することがあります。
これはタイトコーナーブレーキング現象と呼ばれているもので、4つのタイヤの軌跡(回転差)が違うために発生する4輪駆動車特有の現象です。
このような現象が発生したときには、ハンドルを直進状態に戻すか、「2H」または「4H」に切り換えることによって解消することができます。
これはタイトコーナーブレーキング現象と呼ばれているもので、4つのタイヤの軌跡(回転差)が違うために発生する4輪駆動車特有の現象です。
このような現象が発生したときには、ハンドルを直進状態に戻すか、「2H」または「4H」に切り換えることによって解消することができます。

渡河など水中走行するときは
渡河など水中走行するときは4WD車といっても水に対して万全ではありません。電気系統が浸水すれば走行不能となります。水中走行はできるだけ避けてください。やむを得ず水中走行しなければならないときは必ず次のことをお守りください。
- 渡河する前に、あらかじめ川の深さや地形を確認してください。
- 海水など塩分を含んだ水には入らないでください。
- 4WDセレクターを「4LLc」に入れてください。
- できるだけ浅い場所を選んで約5km/hで波が立たないようにゆっくり走行してください。
- 河川に対し、直角または下流方向へ横断し、途中変速は避けて一気に渡ってください。

- 水深が深い場所は決して横断しないでください。
- 河川横断中は変速をしないでください。
- 水中走行は緊急を要する場合に一時的に行い、長時間の水中走行は避けてください。
- 水中走行後はブレーキの効きが悪くなります。前後の車に十分注意して低速で走行しながらブレーキペダルを軽く数回踏んで効きを回復してください。
- 頻繁に水中走行することは車の寿命に大きく影響します。水中走行後は三菱自動車販売会社にご相談の上、適切な処置および点検を行ってください。
タイヤ、ホイールについて
4WD車は4輪に駆動力がかかるため、タイヤの状態が車の性能に大きく影響します。タイヤには細心の注意をしてください。
- 4輪とも指定のタイヤ、ホイールを装着してください。
タイヤ、ホイールのサイズ - タイヤ、ホイールを交換するときは、4輪とも交換してください。
- タイヤのローテーションは、5,000kmごとに行ってください。
タイヤローテーション - タイヤの空気圧は、定期的に点検してください。
タイヤの空気圧
- 同一指定サイズ、同一種類、同一銘柄および摩耗差のないタイヤを使用してください。サイズ、種類、銘柄や摩耗度合いの異なるタイヤを使用すると、駆動系部品に無理がかかり、オイル漏れや焼き付きなどの重大な故障となり思わぬ事故につながるおそれがあります。
けん引について
けん引はできるだけ専門業者に依頼してください。
4WD車は、必ず4輪を持ち上げてレッカー車で搬送するか、4輪接地の状態でけん引してください。
ただし、次の場合は三菱自動車販売会社にご連絡ください。
- エンジンが回っているのに車が動かない。または異音がする。
- 下まわりを点検し、オイルなどが漏れている。
-
前輪または後輪だけを持ち上げたけん引を行うと、駆動系部品が損傷したり、車がレッカー(台車)から飛び出すおそれがあります。
けん引するとき - 4WDセレクターを「2H」にしても、前輪または後輪だけを持ち上げたけん引はできません。
- レッカー車による搬送は、別冊の「メンテナンスノート」を見て三菱自動車販売会社へ依頼してください。
ジャッキアップするときは
- ジャッキアップ中はエンジンをかけたり、ジャッキアップした車輪を回転させないでください。
接地しているタイヤが回ってジャッキから車体が外れ、思わぬ事故につながるおそれがあります。