アクティブスタビリティ&トラクションコントロール[ASTC]
アクティブスタビリティ&トラクションコントロール[ASTC]はアンチロックブレーキシステム[ABS]、アクティブスタビリティコントロール機能およびアクティブトラクションコントロール機能を総合的に制御し、車両姿勢を安定させるとともに駆動力を確保する装置です。次の項も併せてお読みください。
アンチロックブレーキシステム[ABS]アクティブスタビリティコントロール機能アクティブトラクションコントロール機能
- ASTCを過信しないでください。ASTCが作動した状態でも車両の安定確保には限界があり、無理な運転は思わぬ事故につながるおそれがあります。常に道路状況に合った安全運転を心がけてください。
- 4輪とも指定サイズで同一サイズ、同一種類のタイヤを装着してください。指定以外のものや異なったサイズ、種類のものを装着するとASTCが正常に作動しない場合があります。
- 市販のリミテッドスリップディファレンシャル(LSD)を装着しないでください。ASTCが正常に作動しなくなるおそれがあります。
- 次のような場合は、エンジンルーム内より作動音がすることがあります。また、ブレーキペダルにショックを感じることがあります。これはASTC装置の作動をチェックしているためで異常ではありません。
- エンジンスイッチの電源モードをONにしたとき
- エンジンをかけてしばらく走行したとき
- ASTCが作動すると、車体に振動を感じたり、エンジンルーム内より作動音が聞こえたりします。
これは装置が正常に作動していることを示すもので異常ではありません。 - ABS警告灯が点灯しているときは、ASTCは作動しません。
- リヤデフロックを作動させると、ASTC作動表示灯、ASTCOFF表示灯およびABS警告灯が点灯し、ASTCおよびABSの機能を停止しますが故障ではありません。
リヤデフロックを解除すると各表示灯、警告灯は消灯し、再度ASTCおよびABSが機能し始めます。
ABS警告灯ASTC作動表示灯/ASTC OFF表示灯
ASTCのON/OFF作動切り換え

- マルチインフォメーションディスプレイのメインメニューから
または
スイッチを押して、「設定」を選びダイヤルスイッチを押します。
設定メニューが表示されます。 - 設定メニューからダイヤルスイッチを回して、「ASC設定」を選びダイヤルスイッチを押します。
マルチインフォメーションディスプレイ - ダイヤルスイッチを回して、「システム」を選びダイヤルスイッチを押します。
- ASTC設定画面が表示されるので、ダイヤルスイッチを回して、「ON」または「OFF」を選択します。
ダイヤルスイッチを押すことで、ASTCのON/OFFを切り換えることができます。
システムをOFFにするとASTC OFF表示灯が点灯します。
- 安全のため、ASTCのOFFへの切り換え操作は停車しているときに行ってください。
- 通常走行時は必ずASTCをONにしてください。
- ASTCをOFFにしてもエンジンを再始動すると自動的にONに切り換わります。
ASTCをOFFにするときは
ぬかるみや砂地、新雪などからの脱出時に、4WDセレクターを「2H」、「4H」または「4HLc」に入れていると、アクセルを踏み込んでもASTCの働きによりエンジン回転が上がらない場合があります。
エンジン回転が上昇せず抜け出せないときは、4WDセレクターを「4LLc」に入れるかASTCをOFFにしてください。抜け出しやすくなります。
(アクティブスタビリティコントロール機能をOFFまたは4WDセレクターを「4LLc」にしてもアクティブトラクションコントロール機能のブレーキ制御は作動し続けます。)
- アクティブスタビリティコントロール機能をOFFにしても、車両の挙動によっては起動することがあります。
アクティブスタビリティコントロール機能
アクティブスタビリティコントロール機能は、障害物回避時の急激なハンドル操作や滑りやすい路面のカーブに進入したときなどに生じる車両の横滑りを、各車輪のブレーキとエンジン出力を制御することにより抑制し、車両の安定性を向上させる機能です。
- アクティブスタビリティコントロール機能は、車速が約15km/h以上で作動します。
- 4WDセレクターが「4LLc」のときアクティブスタビリティコントロール機能は作動しません。4WDセレクターが「2H」、「4H」または「4HLc」のとき「4LLc」に入れると、アクティブスタビリティコントロール機能は自動的に作動を停止します。
- リヤデフロックを作動させると、アクティブスタビリティコントロール機能を停止します。
アクティブトラクションコントロール機能
アクティブトラクションコントロール機能は、エンジン出力の制御と空転する駆動輪に自動的にブレーキをかける制御により、滑りやすい路面で駆動輪が空転するのを防止し車両の駆動力を確保する機能です。
- 雪道や凍結路を走行するときは、冬用タイヤを装着して速度は控えめにし、車間距離を十分とって運転してください。
ASTC作動表示灯/ASTC OFF表示灯
正常なときは、エンジンスイッチの電源モードをONにすると点灯し、数秒後に消灯します。エンジンスイッチの電源モードをONにしても表示灯が点灯しない、または点灯したままのときはシステムの異常が考えられます。三菱自動車販売会社で点検を受けてください。
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ASTC作動表示灯 ASTCが作動すると点滅します。 |
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ASTC OFF表示灯
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作動表示灯が点滅したときは路面が滑りやすい状態か、タイヤが滑り始めています。
アクセルペダルを緩めて控えめな運転をしてください。
- エンジンをかけると
表示灯が点灯することがあります。これはエンジン始動時にバッテリーの電圧が一時的に低下したためで、すぐに消灯すれば故障ではありません。
ASTC機能表示
ASTCまたはABSが作動すると、インフォメーション画面のホイールが点滅します。
- 2WD/4WD作動表示画面を選択しているときのみASTC機能の表示をします。
ASTC警告灯
システムに異常があると、次の表示灯が同時に点灯します。
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ASTC作動表示灯 |
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ASTC OFF表示灯 |
このような場合は、次の方法で処置してください。
- 安全な場所に停車し、エンジンを停止します。
- 再度エンジンをかけ、表示灯が消えるか確認します。
表示灯が消えれば、異常ではありません。消えないときや、たびたび点灯するときは、通常走行には支障はありませんが、できるだけ早く三菱自動車販売会社で点検を受けてください。
けん引されるときは
- エンジンスイッチの電源モードをONにして、前輪または後輪だけを持ち上げたけん引を行うと、アクティブトラクションコントロール機能が作動し思わぬ事故につながるおそれがあります。
正しいけん引方法は、トランスミッションと駆動方式により異なります。
けん引するとき