プラグインハイブリッドEVシステム車について
ガソリンエンジンとモーターという2つの異なる動力を効率的に組み合わせて走行する自動車です。
主な高電圧部位

主な高電圧部位の注意事項
- 車両に貼り付けられているラベルにしたがい、高電圧と高温に注意する。
プラグインハイブリッドEVシステムは、最大で650Vの直流高電圧が使用されるため、システム起動中や起動後、車両が止まったときに高温になることがあります。 - READY(走行可能)表示灯が消灯しているときでも、駆動用バッテリーおよび関連部品には高電圧がかかっていることがあるので注意してください。
- READY(走行可能)表示灯が点灯しているとき、および充電表示灯が点灯・点滅しているときは、高電圧システムが作動しています。また、READY(走行可能)表示灯や充電表示灯が消灯している時でも、高電圧システムが作動している場合があるので、高電圧部位の整備は絶対に行わないでください。
主な特徴
- 駆動用バッテリーに蓄えられた電気を使用して、バッテリー残量に応じてEV走行モードで電気自動車として走行します。
駆動用バッテリーに残量がある場合は、積極的にEV走行モードになります。
走行可能距離は、駆動用バッテリー残量や車速、エアコンの使用状況によって変わります。 - 駆動用バッテリー残量が減少したときや走行状況に応じて、EV走行モードからエンジンを併用するシリーズ走行モードやパラレル走行モードに自動制御します。
- 駆動用バッテリーの温度が極端に低い(-30℃以下)の場合はプラグインハイブリッドEVシステムが起動出来ない場合があります。その場合は、気温が上がるのを待ってから、プラグインハイブリッドEVシステムを再起動してください。
- 高性能モーターの採用により、走行中の騒音・振動を大幅に抑えるとともに力強く加速します。
- 回生ブレーキを採用し、アクセルオフ時に自動的に駆動用バッテリーを充電します(駆動用バッテリーの状況により充電しない場合もあります)。
- AC 200V(AC 200V普通充電ケーブル使用時)またはAC 100V(AC 100V普通充電ケーブル(この車種専用の100V充電ケーブルは販売しておりません)使用時)のEV充電用コンセントから充電することができます。
- CHAdeMO(チャデモ)規格に準拠した急速充電器またはV2H機器による充電も可能です。
V2H(ヴィーツーエッチ)とは
CHAdeMOは、日本発の電気自動車用急速充電の規格で、その内容は国際標準にもなっています。
EV走行モードとは
- 駆動用バッテリーに蓄えられた電気を使用してモーターのみで走行するモードです。ただし、駆動用バッテリー残量や車速、エアコンの使用状況により、EV走行モードが解除されるので次の点に注意してください。
- インフォメーション画面でEV航続可能距離を確認してください。
EV航続可能距離について
EV航続可能距離表示/総合航続可能距離表示 - 急加速、急減速を避け、なるべく控えめな速度で運転することを心がけてください。急加速、急減速を繰り返すと駆動用バッテリー残量が早く減少し、EV走行可能距離が極端に短くなります。
- インフォメーション画面でEV航続可能距離を確認してください。
- エンジンを始動させずに、できるだけEV走行モードで走りたいときは、EVプライオリティモードを選択してください。
EV(EVプライオリティ)モード
シリーズ走行モードとは
- 駆動用バッテリー残量が減少した場合や急加速時、上り坂など力強い走りを必要とするときに、エンジン発電した電力を使用し、モーターのみで走行するモードです。
パラレル走行モードとは
- エンジンの効率が良くなる高速走行時に、エンジンの駆動力を利用して、モーターがアシストしながら走行するモードです。
各走行モードでのモーターとエンジンの役割
モーター | エンジン | |
---|---|---|
EV走行モード | 駆動 | 停止 |
シリーズ走行モード | 駆動 | 発電 |
パラレル走行モード | 駆動アシスト可 | 前輪駆動可+発電可 |
回生ブレーキとは
- モーターを発電機として使用して運動エネルギーを電気エネルギーに変換します。この変換時にブレーキ力が発生し、変換された電気エネルギーは駆動用バッテリーに充電されます。
- 走行中アクセルペダルから足を離したときに、エンジン車のエンジンブレーキに相当するブレーキ力が発生します。
また、シフトポジションをから
にすると回生ブレーキの効きが強くなります。走行状況に合わせて、回生レベルセレクター(パドル式)を
3~
5に操作してください。
- 回生レベルセレクター(パドル式)で回生ブレーキの効きを調整できます。
回生レベルセレクター(パドル式) - ブレーキペダルを踏み込んだときは、より強い回生ブレーキが得られます。
- プラグインハイブリッドEVシステムに異常があるときは、回生ブレーキの働きは制限されます。このとき、フットブレーキは働きます。
- ABSやアクティブスタビリティコントロール[ASC]が作動しているときは、回生ブレーキの働きは制限されます。
- 走行中アクセルペダルから足を離したときに、エンジン車のエンジンブレーキに相当するブレーキ力が発生します。
- 回生ブレーキは、駆動用バッテリーの残量が満充電に近いほど、温度が低温ほど、充電できるエネルギーが制限され、ブレーキ力が弱くなります。
ガソリンエンジン作動について
- EV走行モードで走行していても、次の場合、自動でEV走行モードが解除され、シリーズ走行モードまたはパラレル走行モードに切り替わることがあります。
- プラグインハイブリッドEVシステムが高温または低温のとき
- 急加速をしたとき
- エアコンを使用しているとき
- 上り坂や高速道路などでアクセルペダルを大きく踏み込んでいるとき
- 外気温が低いとき
- 長期間給油していないとき
- 駆動用バッテリー残量が減少したとき
- セレクターレバーまたはパドルシフトで
を選択したとき(減速度を生成するため)
- バッテリーセーブモードまたはバッテリーチャージモードを選択したとき
上記のほかにもEV走行モードが解除され、エンジンを併用した走行に切り替わることがあります。
- 停車中でも次の場合、自動でエンジンが作動することがあります。
- 駆動用バッテリー残量が減少したとき
- プラグインハイブリッドEVシステムが高温または低温のとき
- エアコンを使用したとき
- お車を長期間使用していなかったとき
- エンジンが長期間作動していなかったとき
- 長期間給油していないとき
- バッテリーセーブモードまたはバッテリーチャージモードを選択したとき
- EV走行が多く、燃料の消費量が少ない場合、燃料タンク内の燃料が長時間滞留することがあります。
このような場合、燃料タンク内の燃料の変質によって、エンジンや燃料系の部品に悪影響をおよぼし、エンジンの不調や故障につながるおそれがあります。そのためOUTLANDERでは、約3ヶ月間一度も20ℓ以上の給油が確認できなかった場合、自動的にエンジンを始動する機能を備えています。
エンジンが始動しているときは、駆動用バッテリーを充電している状態になり、バッテリーチャージモード表示画面が表示されますが、満充電にはなりません。この機能を終了させるには、燃料残量表示が半分以下になるまで燃料を消費し、20ℓ以上給油してください。
- 駆動用バッテリーの充電量が高めのとき、高温、または低温になった場合に、シフトポジションを
にしたときは、ジェネレーターでエンジンを駆動することで回生電力を消費させ、回生ブレーキをサポートします。シフトポジションを
に切り替えると、エンジンは停止します。
燃料(ガソリン)の補給について
- 燃料残量警告表示が表示された場合には、ただちに燃料を補給するようにしてください。
この車は、燃料切れになると、発電が必要な状況においてもエンジンがかからず、次のような性能低下が生じます。- 走行性能が低下する(駆動用バッテリーのエネルギーしか走行に使えないため)
- ヒーターが効かない(ヒートポンプ無車)
- ヒーターが効きにくくなる(ヒートポンプ付車)
- 触媒装置が異常高温となり損傷するおそれがある
フューエルリッド(燃料補給口)
燃料残量計
- お車の使用状況によっては燃料タンク内の燃料が消費されず長期間滞留し、燃料の品質が変化し、エンジンや燃料系の部品に悪影響をおよぼす可能性があります。
予防のため、次のことをお守りください。- 3ヶ月以内に一度はバッテリーチャージモードを選択してエンジンを始動する
CHARGE(バッテリーチャージ)モード - 3ヶ月以内に一度は1回で20ℓ以上給油してください。燃料残量計の表示が、半分以下になれば、確実に20ℓ以上給油可能となります
フューエルリッド(燃料補給口)
- 3ヶ月以内に一度はバッテリーチャージモードを選択してエンジンを始動する
駆動用バッテリーとは
- モーターおよびエアコンなどを作動させるバッテリーです。
この車には駆動用バッテリーの他に照明、ワイパーなどを作動させる補機用バッテリーも搭載しています。- この車には、密閉式のリチウムイオン高電圧電池が搭載されています。リチウムイオン電池は、不適切な方法で処分すると、重度のやけどや感電により重大な傷害または死亡につながるおそれがあるだけでなく、環境汚染につながります。
- リチウムイオン電池の特性については(駆動用バッテリーの特性)をお読みください。
駆動用バッテリーの特性
- 一般的なリチウムイオン電池と同様に時間の経過や使用状況に伴い、バッテリー容量が低下します。これに伴い、EV航続可能距離が短くなり、動力性能も低下します。
使用年月や使用条件により徐々に容量が低下します。
特に、急な加減速の繰り返し、頻繁な急速充電の実施、酷暑地での使用、高温での車両保管などの場合は低下の割合が大きくなります。 - 外気温により性能が変化することがあります。特に低温時は常温時に比べて、EV航続可能距離が短くなり、充電時間が長くなります。また、満充電になる前に充電が停止することがあります。
- 駆動用バッテリー残量が満充電付近にあっても、外気温が低くなるほどエンジンが始動しやすくなります。また、低温ほど駆動用バッテリーの出力が低下するため、エンジン始動時に大きく振動することがあります。
- エンジンが始動する頻度が多くなることで、燃費およびEV航続可能距離が低下します。
- 使用しなくても徐々に放電しバッテリー残量が減っていきます。
- 充電前にバッテリ-残量を使い切る必要はありません。
駆動用バッテリー取り扱いの注意点
- 長期間お車を使用されない場合は、3ヶ月ごとに駆動用バッテリー残量表示の目盛を確認してください。目盛が0の場合は、目盛が表示されるまで充電するかプラグインハイブリッドEVシステムを起動して自動で始動したエンジンが停止するのを待ってからパワースイッチの電源モードをOFFにしてください。
- 駆動用バッテリーの回収を行っていますので、廃車するときは必ず三菱自動車販売会社にご相談ください。
EV航続可能距離について
- エアコンは駆動用バッテリーの電力を消費するため、過度に使用するとEV航続可能距離が短くなります。冷やしすぎや暖めすぎにならないように、風量をこまめに絞り、さらに設定温度を控えめに調整してください。
- 充電量が同じでも走行状況によってEV航続可能距離は変化します。高速走行や山道の登坂は、通常よりも駆動用バッテリーの電力を消費するため、EV航続可能距離が短くなります。
- 道路状況に合わせて回生レベルセレクター(パドル式)を
3~
5に操作し、回生ブレーキを上手に使用して、駆動用バッテリーを充電すればEV航続距離を延ばすことができます。
車両接近通報装置[AVAS]について
- 車速が約30km/h以下でエンジンが作動していないとき、通報音で歩行者などに車両の接近などを知らせる装置です。
車両接近通報装置[AVAS] - AVASが鳴っていても、歩行者には特に注意してください。歩行者は車両の接近や発進に気付かずに、事故が発生して重大な傷害または死亡につながるおそれがあります。
充電中またはリモートエアコン中の作動音について
- パワースイッチの電源モードがOFFでも、充電中に駆動用バッテリーを冷却するための冷却ファンなどの作動音や、リモートエアコン中にエアコンコンプレッサーなどの作動音が聞こえることがありますが、異常ではありません。
- リモートエアコンの詳細についてはスマートフォン連携ナビゲーション取扱説明書(別冊)をお読みください。