踏み間違い衝突防止アシスト[EAPM]
EAPM:Emergency Assist for Pedal Misapplication
EAPMは、進行方向に壁などの障害物、車両や歩行者(前進時のみ)などがいる場所で、駐車操作時など低速のときにアクセルペダルとブレーキペダルを間違えて踏み込む、あるいはブレーキ操作が遅れたときに運転者に音と表示で警告します。
システムに関連する表示

- 機能には限界があるため、過信せず安全運転を心がける。
EAPMは、アクセルペダルとブレーキペダルを踏み間違えることにより引き起こされる暴走や衝突事故の軽減を目的とした補助機能です。あらゆる状況で効果があるわけではありません。運転者は周囲の安全確認を行い、常に注意深い運転操作を心がけて走行してください。
EAPMについて
前進時
- フロントガラス上部のフロントカメラにより前方の車両や歩行者を検知します。
- フロントバンパーに取り付けられたセンサーにより、進行方向の障害物を検知します。
後退時
- リヤバンパーに取り付けられたセンサーにより、進行方向の障害物を検知します。
EAPMには、2つの機能があります。
低速加速抑制機能
- 前進時(停車時含む)、進行方向に車両や歩行者、壁などの障害物を検出している場合に、アクセルペダルが必要以上に踏み込まれたとシステムが判断すると、約6秒間加速を抑制したり、弱いブレーキをかけたりすることで車速が上がることを抑えます。
- 後退時(停車時含む)、進行方向に壁などの障害物を検出している場合に、アクセルペダルが必要以上に踏み込まれたとシステムが判断すると、約6秒間加速を抑制したり、弱いブレーキをかけたりすることで車速が上がることを抑えます。
- 車両、歩行者に対しては、車速約0~25km/hの範囲で作動します。
- 壁などの障害物に対しては、車速約0~15km/hの範囲で作動します。
- 低速加速抑制機能が作動しているときは、警報音とEAPM警告の点滅、マルチインフォメーションディスプレイの表示、およびスマートフォン連携ナビゲーション画面の赤枠表示によって運転者に警告します。
警告メッセージ(警告メッセージ)


- 故意にアクセルペダルを踏み込まない。
低速加速抑制機能は、アクセルペダルを深く踏み込んだときには作動しません。故意にアクセルペダルを踏み込まないでください。車両が急に動き出し思わぬ事故につながるおそれがあります。
低速衝突軽減ブレーキ機能
- 前進、または後退時、進行方向の障害物を検知し、衝突するおそれがあるとシステムが判断すると、ブレーキをかけて衝突を回避、または被害の軽減をします。
- 低速衝突軽減ブレーキ機能は、車速約2~15km/hの範囲で作動します。
- 低速衝突軽減ブレーキ機能が作動すると、警報音とEAPM警告の点滅、およびスマートフォン連携ナビゲーション画面の赤枠表示によって運転者に警告します。


- 低速衝突軽減ブレーキ機能が作動したときは制動灯が点灯します。
- 低速衝突軽減ブレーキ機能が作動しているときは、作動音が聞こえることがありますが異常ではありません。
低速衝突軽減ブレーキが作動するとき・しないとき
クルマ止めのない駐車場などで、壁などに衝突しそうになったとき
万一、運転者のブレーキ操作が遅れ、壁などに衝突するおそれがあるとシステムが判断すると、警報音(ブザー)と警告灯が点滅、およびマルチインフォメーションディスプレイに警告を表示し、ブレーキをかけて衝突を回避または被害を軽減します。
-
システムは、ブレーキペダルを踏みながら車両を移動する(駐車場での操作)など低速における支援を目的にしています。
アクセルペダルを踏んで前進・後退する状況などでは作動が遅れ十分に機能しない場合があります。
縦列駐車をするとき
シフトポジションをから
、または
から
に切り替えたときは、セレクターレバーの操作を繰り返すたびに進行方向の障害物を検知してブレーキ制御が作動します。

-
アクセルペダルを踏んでいるときは作動が遅れることがあります。
-
後退中は、前方の障害物に対しては作動しません。同様に、前進中は後方の障害物に対して作動しません。
-
障害物に対し斜めに接近すると作動しないことがあります。
-
幅の狭い障害物に対しては作動しないことがあります。
-
他の車両が自車両に対して横にずれた位置にあるときは、作動しないまたは作動が遅れることがあります。
並列駐車をするとき
-
狭いスペースに進入するときに作動することがあります。
-
他の車両の角部に向かって接近したときは作動しません。
-
他の車両が自車両に対して横にずれた位置にあるときは、作動しないまたは作動が遅れることがあります。
-
後退中は、前方の障害物に対しては作動しません。同様に、前進中は後方の障害物に対しては作動しません。
-
壁から突き出している柱や配管などに対しては作動しません。
EAPMの停止のしかた
- マルチインフォメーションディスプレイで「設定
」⇒「運転支援」⇒「緊急支援」⇒「踏み間違い衝突防止アシスト」を選択すると、EAPMのON・OFFを切り替えることができます。
設定の詳細については、運転支援をお読みください。
マルチインフォメーションディスプレイとは(メインメニュー)(マルチインフォメーションディスプレイとは(メインメニュー))
運転支援(運転支援) - 機能をOFFにすると、システムが停止します。
(EAPM警告灯が点灯)

- マルチインフォメーションディスプレイの設定で機能をOFFにしても、プラグインハイブリッドEVシステムを再起動するとONに切り替わります。
-
三菱自動車純正用品のトレーラーヒッチハーネスを装着してトレーラーをけん引時、EAPM(後退時)は自動でOFFになります。
* マルチインフォメーションディスプレイの機能ON/OFF設定は自動で切り替わりません。
EAPM(後退時)を一時停止する
-
シフトポジションが
かつパーキングセンサー表示中にテアリングスイッチのダイヤルスイッチや
スイッチを押すとEAPM(後退時)を一時停止することができます。
*下の状態のときシステムは自動的に作動を再開します。
- シフトポジションを
または
にしたとき
- 約12km/h以上で走行したとき
- プラグインハイブリットEVシステムを再起動したとき
- シフトポジションを

EAPMに関する注意事項
- 次の場合は、予期せずシステムが作動し、思わぬ事故につながるおそれがあるため、EAPMをOFFにする。
- トレーラーなどに積載するとき
- 点検などでシャシーダイナモを使用するとき
- 純正品以外のサスペンション部品を使用しているとき
(車高や車両の傾きが変わると正しく障害物を検知できないことがあります)
- センサーは次のような場合は検知しない、もしくは正しく検知できない場合があります。
- 雨、雪、氷、汚れなどがセンサーに付着しているとき
- 周囲で大きな音が鳴っているとき
- 周囲に超音波を発するものがあるとき
- 障害物の面が車両の前面、または後面に対して斜めのとき
- くさび形の障害物
- センサーは次のような障害物は検知しないことや作動が遅れることがあります。
- 地面から高い位置に存在する障害物
- スポンジ状のものや雪など表面が柔らかく音波を吸収しやすい障害物
- センサーまたはその周辺の温度が極端に高い、または低いとき
- 進行方向側のセンサーが初めて物体を検出した場合(シフト操作により進行方向を切り替えた、物体が車両側面から入り込こんだ等)で、その物体が車両に近傍にある場合は、ブレーキ作動開始が遅くなるまたは、作動しない場合があります。
- センサーは次のような障害物は検知しないことがあります。
- 障害物が動いていたり、小さいとき
- 背の低い障害物
- 車両の幅以下の障害物
- 針金、金網、ロープなどの細い障害物
- バンパーに非常に近い障害物(後部は30cm未満)
- 急に進行方向に現れた障害物
- センサーは次のような場合は誤作動することがあります。
- 周囲に草が生い茂っているとき
- 車両側面の近くに壁があるとき
- 路面上に段差や突起物、マンホール、鉄格子などがあるとき
- 垂れ下がった旗、ビニールカーテンなどをくぐって走行するとき
- 車両感応センサーや他車のセンサーなど、超音波を発生するものが付近にいたとき
- 車両周辺に雪のかたまりがあるとき
- 炎天下や寒冷時
- 表面が一様でない障害物(複数の障害物が積載されて凹凸に形状を成している場合)
- 急な坂道があるとき
- 縁石などがあるとき
- タイヤ止めブロックがあるとき
- 他の車両やトレーラーをけん引しているとき
- 障害物の周辺が雪、泥、草などでおおわれているとき
- 他車のホーン、オートバイの排気音や工事など、付近で大きな音がしたとき
- 壁、料金所の設備、幅が狭いトンネル、駐車場のゲートなどの構造物
- けん引するとき
- ヒッチメンバーを装着して他の車両をけん引するとき
- 純正以外の部品(字光式ナンバープレートやナンバープレートリムなど)を取り付けたときに、部品の凹凸形状やノイズなどにより、正常に作動できない場合があります。
- フロントカメラは次のような障害物は検知しません。
- 子供などの背の低い人、動物、自転車
- 対向車両
- 道路構造物(ガードレール、ポールなど車両と歩行者以外の障害物)
- フロントカメラは車両の後端を認識するため、以下の例のような車両を検知しないもしくは検知できない場合があります。
- バンパー形状などにより、タイヤが見えにくい車両
- 幌がはみ出し、後端形状がはっきりしない車両
- 前方を横切って通過する車両
- 斜めもしくは前向きに止まっている車両
- フロントカメラは次のような場合、前方の車両、歩行者が検知できないことがあります。
- 悪天候(雨、雪、霧、風塵、砂塵、吹雪など)で視界が悪いとき
- 前方の車両や対向車などにより水、雪、砂などの巻き上げが発生しているとき
- カメラ前方のフロントガラスに汚れ、油膜、水滴、氷、雪などが付着しているとき
- カメラ前方のフロントガラスがくもっているとき
- 前方から強い光(太陽光や対向車両のハイビームなど)を受けているとき
- 前方の強い光により前方車両のタイヤの部分が影になり見えにくいとき
- 夜間やトンネル内などでヘッドライトを点灯していない、あるいはヘッドライトのレンズが極端に汚れているとき
- 夜間やトンネル内などで前方の車両のテールランプが点灯していないとき
- トンネルの出入り口や日陰など、急に明るさの変化が起こったとき
- カーブを走行しているとき
- 勾配の変化があるところを走行しているとき
- 未舗装路など凹凸のある路面を走行しているとき
- 歩行者が大きな荷物を持っている、背景と同じ色の服を着ているなど人特有の輪郭が認識できないとき
- 前方車両からの太陽光などを強く反射されたとき
- 対象物の位置や動きが大きく変化した場合(自車の車線変更·右左折、前方車両の右左折·急ハンドル·急加速·急減速など)
- 起動してから約15秒間
- カメラの視界がさえぎられているとき(フロントガラスの汚れ、油膜、虫汚れ、ワイパーブレード)
- カメラの向きがずれているとき
- フロントカメラは以下の例のような周辺状況では対象物の形状を正しく検出できずシステムが作動しない場合があります。
- 対象物が背景と似た色合いで区別ができない場合
- 対象物が道路標示(道路上の横断歩道、制限速度などの標示)の近くにいる場合
- 対象物が路面の水たまりの付近にいる場合(周りの風景が水たまりに映りこむなど)
- 対象物が建物や街路樹などの影と重なっているとき
- 対象物と自車の間に水蒸気や煙などがあるとき
- 以下の対象物にはフロントカメラが対象物の形状を正しく検出できずシステムが作動しない場合があります。
- 夜間やトンネル内など暗い場所にいる歩行者
- 車高の低い車両
- 最低地上高(地面から車体までの高さ)が極端に低いもしくは極端に高い車両
- 特殊な形状の車両(タンクローリー、サイドカーなど)
- 前方の至近距離に割り込んだ車両
- 前方の至近距離に飛び出してきた歩行者
- 自車の正面から横にずれた位置に存在する車両や歩行者
- 後端面積が小さい車両(空荷のトラックなど)
- リヤタイヤから車両後端までが長い車両
- 四輪車以外の車両(二輪車など)
- 荷台から荷物や幌がはみ出している車両
- フロントカメラは以下の例のような場合、衝突するおそれがある対象を正しく検出できない場合があります。
- 複数の対象物同士が近接している場合
- 対象となる二輪車または車高の低い車両の前方近くに車両がいる場合
- 外部の騒音などにより、警報音(ブザー)が聞こえない場合があります。
低速衝突軽減ブレーキ機能について
- ブレーキ制御は短時間しか作動しません。必ず運転者がブレーキペダルを踏んでください。
- 車両を停止させる場合は、必ず運転者がブレーキペダルを踏む。
低速加速抑制機能が作動したあとに低速衝突軽減ブレーキ機能が作動したときは、車両が停止してから約2秒後にブレーキが解除され、車両が動き出します。 - 外部の騒音などにより、警報音(ブザー)が聞こえない場合があります。
低速衝突軽減ブレーキ機能について
- システムの作動を待たず、すみやかにブレーキ操作を行う。
車両の状態、走行状況、交通環境、天候、路面状況などにより作動しない場合や、本来の性能を発揮できないことがあります。 - アクセルペダルを踏んだ状態で障害物に接近したときは、作動が遅れることがあります。
- 次の場合は、システムが正常に作動しなかったり、機能を十分に発揮できないことがあります。
- 悪天候(雨、霧、雪など)のとき
- 勾配が急な坂道を走行しているとき
- 段差などをまたいでいるときなど車両姿勢が変化しているとき
- 滑りやすい路面を走行しているとき
- ハンドルを大きく切って旋回しているとき
- 外気温が低いときや走行開始直後などでブレーキが冷えているとき
- 下り坂などでブレーキが過熱してブレーキの効きが悪くなっているとき
- 水たまり走行後や洗車後などブレーキが濡れてブレーキの効きが悪くなっているとき
- 長期間駐車などで、ブレーキの性能が十分に発揮できないとき
- 摩耗しているタイヤ、空気圧不足のタイヤ、スペアタイヤのような非常用タイヤ、三菱自動車純正品もしくは三菱自動車販売会社で購入したタイヤ以外を使用しているときや、タイヤチェーンを装着しているとき
- 車両が傾いているとき(後席やラゲッジルームに極端に重い荷物を積んでいるとき)
- 動いている物体に対してはEAPMは作動しません。
低速加速抑制機能について
- センサーで検出した壁や車両などの大きな障害物に対して作動します。車両の幅以下の障害物は検知しないことがあります。
- フロントカメラで検出した衝突のおそれのある前方の車両や歩行者に対して作動します。
- 低速加速抑制機能は、運転者がアクセルペダルを戻すと解除されます。
- アクセルペダルを踏み続けた場合は、作動を開始してから約6秒後に解除されます。
- 渋滞中などで前方にいる車両を追い越すときなどに低速加速抑制機能が一時的に作動することがあります。
- 信号待ちや右折待ちなどで、車間距離の短い状態から前の車に続いて発進する際、アクセルペダルを素早く深く踏み込むと低速加速抑制機能が一時的に作動することがあります。
- 次の場合は作動しません。
- 車速が約15km/h以上のとき(前方の車両、歩行者に対しては約25km/h以上)
- ブレーキペダルを踏んでいるとき
- シフトポジションが
(
)、
以外のとき
- トラクションコントロール機能(TCS)が作動しているとき
- タイヤが空転しているとき
- 勾配が急な坂道を走行しているとき
- 路面または壁面の模様・ペイント(かすれた道路標示や漢字で構成される特殊な道路標示を含む)、前方の道路構造物(トンネル、高架橋、交通標識、車両脇に設置された反射器(リフレクター)、反射シート、ガードレール、電柱や電線、看板)、道路脇の木や建物、照明や影などで構成される形状が、車両や歩行者、自転車の輪郭の特徴や車両のテールランプの大きさ・位置などと似通っている場合、システムが作動する場合があります。
- 自転車で走行している人を歩行者と検知し、システムが作動する場合があります。
- 以下のような物に反応し、システムが作動する場合があります。
-
道路脇にある物(道路標識、ガードレール、歩行者、車両など)
- 道路上方にある物(低い橋、道路標識など)
- 路面上にある物(線路、格子、鉄板、マンホール、鉄格子など)
- 駐車場内にある物(梁など)
-
低速衝突軽減ブレーキ機能について
- 次の場合は作動しません。
- 車速が約2km/h未満、または約15km/h以上のとき
- シフトポジションが
(
)、
以外のとき
- 前進時は車両後方の障害物に対しては作動しません。同様に、後退時は車両前方の障害物に対しては作動しません。
EAPMの作動が停止するとき
- 次の場合、メーター内のEAPM警告灯
が点灯し、作動が停止します。
- ASCをOFFにしたとき
- システムに異常があると、メーター内のEAPM警告灯が点灯するとともに、マルチインフォメーションディスプレイに警告が表示され、システムが停止します。
警告メッセージ(警告メッセージ)
- システムを正しく作動させるためにパーキングセンサーはいつもきれいにしておいてください。パーキングセンサーの取り扱いについては、(→P.10-20)をお読みください。
- EAPM警告灯
が点灯したときは、安全な場所に停車し、一度プラグインハイブリッドEVシステムを停止してから再起動してください。
上記の操作をしても、警告灯が点灯し続けるときはシステムの異常が考えられます。通常走行には支障はありませんが、三菱自動車販売会社で点検を受けてください。